2013年6月7日金曜日

なぜ「子どもの被ばく」の回避に動こうとしないのか

 
 天木直人氏が6日のブログで、福島県民健康管理調査結果を検討委員会が公表したことに関連して、怒りの声を上げています。
 児童の甲状腺がんが通常の70倍の発生率に達しているのに、いまだに「被ばくの影響ではないして何の対応も取ろうとしないことに対するものです。

 同氏のブログは有料のため通常は一部しか公表されませんが、今回は短文のせいもあって全体を公表しています。
 
 以下に紹介します。
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「子どもの被ばく」回避に動こうとしない日本という国
天木直人 2013年06月06日

 よくもこのような調査結果を発表して医療関係者は平然としていられるものだ。
 よくもこのような記事を書きながらメディアは平然としていられるものだ。
 よくもこのような記事を目にしながら安倍首相や昭恵夫人は何の指示もしないでやり過ごしていられるものだ。
 上からの指示を待つまでもなく、よくもこのような報告を知りながらこの国の中央、地方の官僚や行政官は策を講じようとしないものだ。
 そしてこの国の国民は、このような記事を目にしながら、他人事だからといわんばかりに動こうとしない。

 福島県の県民健康管理調査に基づき、福島県立医大が原発事故による放射線の影響結果を公表したらしい。
 それによれば約17万4千人の子どもの中で12人が甲状腺がん、16人が疑わしいと診断されたという。
 子どものがん甲状腺がんの発生率は100万人当たり13人だというから、これはその70倍ということになるらしい(6月6日日刊ゲンダイ)。
 ついに原発事故の影響があらわれたということではないのか。

 しかし福島県立医大や多くの専門家は被ばくの影響ではないと見ているという。
 その一方で、もっと詳しい調査をしなければ判断はできないと言っている(6月6日朝日ほか)。
 判断出来ないのに、どうして影響はないと言えるのか。
 もっと詳しい調査が必要ならば、なぜそれそれを早く行なわないのか。
 それを行なって正確な調査結果を求めようとしないのか。
 なによりも、判断が出来ないなら最悪の事態を想定して対策を講じるべきではないか。
 不毛な議論を繰り返して2年余りが過ぎた。
 その間にもこどもの被ばくがどんどんと進んでいるかもしれないのだ。

 早ければ早いほど被ばくは救える。
 遅ければ遅いほど、被ばくの危険は高まる
 相手はこどもである。自分では何もできない子どもである。
 親が、大人が、そして有力者が手を打たない限り、子どもは何もできないまま、不安の中で被ばく量を蓄積させられているかもしれないのだ。
 日本という国は、国全体が、いや国民全体が、無責任、無神経、無気力となっかのようである。  (了)