2013年7月21日日曜日

原発・放射能ニュース 2013.7.21~25


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7.25

 薬液・塩分でタンク腐食=放射能低減装置の水漏れ-福島第1 (時事通信)
 東京電力福島第1原発で汚染水の放射性物質を除去する「多核種除去装置(アルプス)」のタンクから汚染水が漏れた問題で、東電は25日、汚染水に含まれる塩分と処理用の薬剤によって腐食が進んだことが原因と推定し、政府などとつくる廃炉対策推進会議に報告した。
 東電はアルプスの3系統のうち、A系統を3月から、B系統を6月から試運転していた。しかし、6月にA系統で処理前の汚染水をためるステンレス製タンクから水が漏れ、溶接部に微細な穴が見つかった。
 詳しく調べたところ溶接部が腐食しており、他のタンクでも変色やさびがあることが判明。汚染水に含まれる塩分や、処理に使う次亜塩素酸などの薬剤が腐食を進行させたことが分かった。
除染計画8月に見直し 13年度完了、先送りへ (東京新聞)
 東京電力福島第1原発事故を受け、国が直轄で進めている除染事業で、環境省の井上信治副大臣は25日、2013年度としてきた完了時期について「残りで全部やるのは非常に困難。それぞれの市町村と調整し、8月中には(見直しの計画を)発表したい」と語った。
 井上副大臣は見直す内容について「(期間が)延びてしまう市町村が出る」と述べ、完了時期の先送りになるとの考えを明らかにした。
 福島県双葉、楢葉両町長とそれぞれ会談した同県いわき市で、報道陣の質問に答えた。
 国は第1原発周辺の11市町村を「除染特別地域」に指定し、直轄除染を進めているが、遅れが目立っている。 (共同)

放射性汚染水:除去装置「アルプス」の試験運転停止へ (毎日新聞
 政府と東京電力は25日、福島第1原発の廃炉対策推進会議を開き、放射性汚染水から62種類の放射性物質を取り除く多核種除去装置「アルプス」について8月上旬から約1カ月半、試験運転を停止することを決めた。東電によると、運転停止によって推計約2万立方メートルの汚染水処理が遅れる見通し。
 アルプスはA〜C系の計3基。A系は4月から試験運転していたが、6月にタンクの腐食による水漏れトラブルが発生したため、東電が原因を調べていた。8月初旬までにすべての運転を停止させ、腐食防止のゴム処理などをしたうえで9月中旬には1基目の運転再開を目指している。
 処理できない汚染水は地上タンクへ移送するが、移送先のタンクは原発の敷地境界に近く、周辺の放射線量の増加が懸念されている。【中西拓司】

7マイクロシーベルトの高線量 北茨城、測定は12日 (東京新聞)
 原子力規制庁は25日、茨城県北茨城市の南中郷工業団地の路上で12日に毎時7マイクロシーベルトと高い放射線量が測定されていたことを明らかにした。25日の再測定では確認されず、規制庁は「東京電力福島第1原発事故とは無関係とみられる」としている。
 年間の被ばく線量に単純換算すると約60ミリシーベルトに相当する。一般人の年間限度は1ミリシーベルト。測定当時に工業団地内で放射線を使った検査を実施していなかったかや、測定器自体に異常がなかったか調べる。
 規制庁によると、放射線量は東北、関東地方の路上の線量マップを作成するため、放射線測定器を載せた車を使って測定した。 (共同)

福島第1原発:6号機でトラブル 冷却装置が一時停止 (毎日新聞
 25日午前10時15分ごろ、東京電力福島第1原発6号機で、非常用ディーゼル発電機の試験中に、原子炉冷却装置が一時停止するトラブルが起きた。冷却は約1時間50分後に再開した。周辺の空間放射線量に異常はない。
 東電によると、電源系統の誤作動が原因とみられる。冷却が再開した午後0時6分現在、原子炉の水温は27.6度。原子力規制庁は「冷温停止状態は維持され、安全上問題はない」としている。【阿部周一】

「裏切り行為」と東電に抗議=汚染水流出問題で-全漁連など (時事通信)
 東京電力福島第1原発で汚染水が海に流出した問題で、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)などは25日、東電に対し、流出防止策の早急な実施や海域のモニタリング強化を要請した。JF全漁連の岸宏会長らが同日、東電本社で広瀬直己社長と会い、「全国の漁業者や国民に対する裏切り行為で、極めて遺憾だ」とする抗議文を手渡した。

日米 原発での協力強化で一致 (NHK)
ワシントンを訪問している茂木経済産業大臣はアメリカのモニツエネルギー長官と会談し、原子力発電の安全性の向上や廃炉技術の開発などの分野で日米が協力関係を一層強化していくことで一致しました。
茂木経済産業大臣は、24日、訪問先のワシントンで、ことし5月に就任したアメリカのモニツエネルギー長官と会談しました。
この中で茂木大臣は、日本のエネルギー政策について、今の政権では安定的に電力を供給するために原発を活用していくという政府の方針を説明しました。
これに対してモニツ長官は、原発の安全性の向上や廃炉の技術開発などの分野で、日米が協力関係を一層強化していくことが世界での今後の原発の普及に欠かせないという認識を示しました。
また、茂木大臣は、アメリカで安い価格で取り引きされているシェールガスの日本への輸出について、ことし5月に中部電力と大阪ガスが参加する輸出プロジェクトを認可したのに続いて、ほかの2つの企業連合が申請している計画についても早急に認可するよう求めました。

福島第1・汚染水海洋流出 相馬の漁民反発 東電に強い不信感 (河北新報)
 福島第1原発の汚染水海洋流出問題で、福島県相馬市の相馬双葉漁協組合員を対象にした東京電力の説明会が24日、同市で開かれ、組合員から批判の声が相次いだ。
 約120人が参加した。放射能に汚染された地下水が海に流れ出たとする東電の説明に対し、「風評被害で試験操業が続けられず、本操業が遠のく」「流出を否定していたのに一転して認め、信用できない」という声が上がった。
 東電は汚染されていない地下水を海に流す計画を立てているが、反発が強く、計画の説明は見送られた。説明会は非公開で始まったが、組合員の異議を受け、途中で公開に切り替えられた。
 佐藤弘行組合長は「組合員の怒りは強い。汚染防止策の推移を見たい」と話した。
 説明会は前日のいわき市に続いて開かれた。

7.24

規制委、追加調査で公開検討会 敦賀原発の活断層で (東京新聞)
 原子力規制委員会は24日、「原子炉直下のD―1破砕帯は耐震設計上考慮すべき活断層」と認定した敦賀原発2号機(福井県)に関し、日本原子力発電による活断層を否定する追加調査の結果を精査して、論点を整理するための検討会合を公開で開くことを決めた。
 規制委は、判断を覆す新証拠が出れば活断層認定の報告書を見直す可能性もあるとしている。島崎邦彦委員長代理は「新たな知見としてさらに対応が必要か、(公開することで一般の人にも)分かるような検討をしたい」と述べた。
 会合は島崎氏と原子力規制庁が担当し、原電側にも出席を求める。必要に応じて外部専門家からも意見を聞く。(共同)

原電の申し立て却下=敦賀活断層の影響評価指示-規制委 (時事通信)
 原子力規制委員会は24日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)直下で活断層が動いた場合に、プールに保管されている使用済み核燃料への影響を評価して報告するよう命じたことに対し、原電が行った執行停止の申し立てを却下した。
 原電は活断層の存在を否定しており、行政不服審査法に基づいて命令に対する異議と執行停止を申し立てていた。同法は重大な損害を回避する必要がある場合、執行を停止するよう定めているが、規制委は命令によって原電に重大な損害は生じないと判断した。異議については今後、対応を検討する。

高濃度汚染水 地下砕石層から漏出? (東京新聞)
 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は二十四日の規制委定例会合で、東京電力福島第一原発で海に高濃度汚染水が再び漏出する危険性が高まっていることに関し、タービン建屋から護岸近くまで延びる地下のトレンチ(トンネル)下に敷いた砕石層が、汚染拡大のルートになっている可能性が高いとの見方を示した。
 約七万五千トンもの高濃度汚染水がタービン建屋地下などにたまっているが、各建屋の地下からは、海水ポンプを制御するケーブルや、海水をくみ上げる管などを収納する多数のトレンチが海側に延びている。

出荷規制解除地域の大豆から100ベクレル以上続々 (ベスト&ワースト)
福島県の「大豆」の出荷規制が解除された地域から続々と100ベクレル超えの放射能汚染大豆が発見された。
2013年7月19日、厚生労働省「食品中の放射性物質の検査結果について(第687報)」により、福島県福島市(旧平野村)産の”大豆”から1キログラム当たり280ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが明らかになった。
同地域は7月10日に大豆の出荷規制解除の措置を受けた地域である。

湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一 (東京新聞
 東京電力は二十三日、福島第一原発3号機の原子炉建屋五階で湯気が発生した場所の周辺で、最大毎時二一七〇ミリシーベルトを計測したと発表した。人が数時間もいれば確実に死亡する高い線量。3号機はこれまでも放射線量が高く、事故収束作業の足を引っ張ってきたが、あらためて汚染度のひどさが明らかになった。
 3号機原子炉建屋五階では十八と二十三の両日、格納容器の上部と機器貯蔵プール境目付近で、湯気の発生が確認された。
 東電は、クレーンで建屋上部から線量計をつるし、湯気の発生場所近くの二十五カ所で放射線量を計測。毎時一三七~二一七〇ミリシーベルトを計測した。湯気が出た直近の場所では五六二ミリシーベルトだった。

高線量は原発事故原因 楢葉で発見の破片4点 (福島民友ニュース)
 避難指示解除準備区域となっている楢葉町井出の井出川河口付近で表面放射線量の高い破片4点が発見された問題で、東京電力は23日、破片に付着した放射性物質が福島第1原発事故によるものとする推定結果を発表した。
  破片に放射性物質が付着した経緯は不明で、水素爆発などで飛散したのかなどを引き続き調べるとしている。
原発事故で被害者捜索遅れ 浪江・遺族374人が東電と和解  (河北新報)
 東日本大震災による津波の犠牲者の捜索や収容が、東京電力福島第1原発事故のため遅れたとして、福島県浪江町の遺族会が東電に賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、遺族374人と東電は23日、原子力損害賠償紛争解決センターが示した和解案に合意した。10月にも正式に和解する見通し。
7.23

楢葉町の破片、36ミリシーベルト 東電再測定、経緯調査へ  (東京新聞)
 東京電力は23日、福島第1原発から南に15キロの福島県楢葉町で6~7月に見つかった高線量の破片四つを、より精度の高い測定器で調べたところ、うち一つの表面の放射線量がベータ線とガンマ線を合わせ毎時36ミリシーベルトだったと発表した。事故の際に飛散したものかなど、汚染の経緯を詳しく調べる。
 高線量だった破片は約2センチ角で厚さ約1ミリ、5日に発見された。発見時の測定では12ミリシーベルトだった。
 四つの破片はいずれも、環境省が震災がれきの処理中、楢葉町の避難指示解除準備区域にある河原で見つけた。(共同)

政府 燃料価格上昇でエネルギー戦略を再検討 (KBC九州朝日放送)
 政府は、原発の停止や円安による燃料価格の上昇で国民生活に影響が出かねない状況を受けて、エネルギー戦略を検討する関係閣僚会議を新たに設置する方針を固めました。
 閣僚会議は、菅官房長官や茂木経済産業大臣らをメンバーに近く発足します。原発の大部分が停止するなか、原油や液化天然ガスなどの輸入が増加していますが、円安などで価格が急騰し、電力やガソリンなどのエネルギー価格全体が上昇しています。会議では、エネルギーの輸入コストを下げようと、中東依存の供給源をアメリカのシェールガスやロシアの天然ガスと多角化させるなど、エネルギー戦略の練り直しを検討しています。安倍総理も、来月末のロシア・中東訪問で、エネルギー調達を主要テーマにするなどトップビジネスにも取り組みます。

「管理には電力会社の協力も」 もんじゅ改革で文科相 (産経新聞)
 下村博文文部科学相は23日の閣議後の記者会見で、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の運営管理について、「電力会社やメーカーの協力強化も検討する必要があるのではないか」と述べ、管理の外部委託も選択肢になるとの認識を示した。
 下村氏は24日にもんじゅを視察し、敦賀市長と会談することも表明。視察では「現場がどのような管理運営をしているのかを中心に見ていきたい」とした。
 また、原子力機構の体制を見直す改革本部での議論について、「もんじゅについて集中的に議論する。運転管理を安心して任せることができる体制への抜本改革を行うことが重要」とし、8月上旬には改革案の基本的な取りまとめを行うとの方針を示した。

7.22

原発関連寄付など申告せず=福島事故分析委員、計135万円-規制庁「有用な人」(時事通信)
 原子力規制委員会で、東京電力福島第1原発事故の分析を行う検討会のメンバーである奈良林直北海道大教授が、事故後に原発関連事業者から受け取っていた寄付などの一部を規制委に申告していなかったことが22日、事務局の原子力規制庁への取材で分かった。規制委の外部専門家は就任前3年間に原子力関連事業者から受け取った資金を申告する必要があるが、不申告が判明したのは初めて。同庁は「技術的な知識があり、有用な人」とし、続投させる意向。
 規制庁によると、奈良林教授の研究室は同原発事故後の2011年度に日本原子力発電から45万円の奨学寄付金を受領。核燃料メーカーの「原子燃料工業」からも11年度と12年度、共同研究費として計約90万円を提供されていたが、いずれも不申告だった。

7.21

双葉町が埼玉県加須の避難所、秋にも閉鎖へ (福島民友ニュース)
 (福島県)双葉町は20日までに、東日本大震災後全国で唯一残る一次避難所となった埼玉県加須市の旧騎西高に設置している避難所を今年秋にも閉鎖する方針を固めた。
 町は19日、同避難所で避難所の町民を対象に借り上げ住宅に関する説明会を開き、加須市内の借り上げ住宅や福祉施設、本県内の借り上げ住宅や仮設住宅、福祉施設への入居条件や空き状況を説明した。町は23日から行う個別の意向調査で町民に移転先の希望を聞き、早期に避難所から借り上げ住宅への移転を促す考え。伊沢史朗町長は「退所後の住民の受け皿がない限りは避難所は閉鎖しないと言ってきたが、埼玉県や県など関係機関のおかげで、加須市内に受け皿となる借り上げ住宅が確保できた」と述べた。避難所には18日現在、107人が暮らす。