2013年10月12日土曜日

原発・放射能ニュース 2013.10.11~15

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10.15

汚染水対策「効果見えず」=海水の放射能濃度上昇-規制委 (時事通信)
 東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海に流出している問題で、原子力規制委員会の汚染水対策作業部会は15日、海水への影響を議論した。東電が示した一部の海水の放射性物質濃度データが上昇傾向にあることから、座長役の更田豊志委員は、東電が汚染地下水の流出を抑制するため護岸付近で行っているくみ上げや止水剤注入について「効果は海水側で見えないというのが結論」と述べた。
 東電によると、1、2号機取水口間で採取した海水のセシウム137の濃度は、6月下旬から7月上旬ごろにかけては1リットル当たり10ベクレル前後だったが、10月に入ると同100ベクレル前後になった。また1~4号機の取水口北側でも、セシウム137の海水濃度が上昇傾向にあった。
 東電は1、2号機の護岸付近で地中を固める薬液を注入。さらに護岸より陸側で汚染された地下水をくみ上げ、約3000トンを2号機タービン建屋に移送している。

福島原発事故:中間貯蔵施設 建設候補地公表は越年か (毎日新聞)
 東京電力福島第1原発事故の除染で出た放射性廃棄物や汚染土などを最長30年間保管する中間貯蔵施設を巡り、井上信治副環境相は15日記者会見し、福島県大熊、楢葉、双葉の3町の建設候補地を公表する時期について「なるべく急ぎたいが、年内は正直難しい」との見通しを示した。
 中間貯蔵の建設場所を選定するためのボーリング調査は、大熊、楢葉の両町では終了したが、双葉町では今月11日に始まった。ボーリング調査には約2カ月かかる見通しで、環境省は調査結果の公表と同時に3町に建設受け入れを要請する考え。
 中間貯蔵施設の利用開始目標は2015年1月だが、候補地選定作業が大幅に遅れている。井上副環境相は「当初予定より数カ月遅れているのは事実だが、全ての施設ができていなくても搬入は始められる」と、目標に変更はないとの見方を示した。【阿部周一】

原燃、ガラス固化研究施設が完成 溶融炉更新に活用 (東京新聞)
 日本原燃は15日、使用済み核燃料の再処理の過程で生じる高レベル放射性廃液を高温の溶融炉でガラスと混ぜて容器に封入し、いわゆる核のごみを作り出す「ガラス固化技術」の新しい研究施設を青森県六ケ所村に完成させ、報道陣に公開した。成果は新型溶融炉の導入に生かす。
 再処理工場に現在ある炉に比べてガラスを温める機械を増やしたり、形状を変えたりして、廃液が効率的に流れるよう改良した試験溶融炉を施設内に設置した。
 溶融炉は通常の運転を続けた場合に5年ほどで寿命を迎えるため、新型炉の開発、設計が必要だという。原燃は11月、放射性物質を含まない溶液を使って研究を始める。(共同)

10.14

10.13

トリチウム32万ベクレル 観測用井戸、上昇止まらず 福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発の地上タンクから高濃度汚染水が漏れた問題で、東電は12日、汚染水約300トンが漏れたタンクの近くに掘った観測用井戸の地下水から、放射性トリチウム(三重水素)が1リットル当たり32万ベクレル検出されたと発表した。漏えいタンク周辺の地下水では過去最高値で、この井戸のトリチウム濃度の上昇傾向に歯止めがかからない状況だ。
  水は10日に採取した。6日採取分で1リットル当たり23万ベクレルを検出して以降、8日採取分は同26万ベクレル、9日採取分は同28万ベクレルと上昇し続けている。原因について、東電は依然として「不明」とし、周辺の井戸を含め監視を続け原因を特定したい意向。井戸は漏えいタンクから北に約20メートルの場所にある。
  また、同原発港湾口で11日に採取した海水から1リットル当たりセシウム134が2.7ベクレル、セシウム137が7.3ベクレルそれぞれ検出された。いずれも6月以降で最も高い値。

福島除染・帰還目安線量 算出精度に疑問 (東京新聞)
 東京電力福島第一原発事故で汚染された地域で、家が放射線を遮る効果を、国がまるで環境の異なる場所の調査で計測した値を基に、算出していたことが分かった。放射線量は除染や住民帰還の目安になるが、この算出方法ではデータのばらつきが大きく、専門家も精度を疑問視している。 (大野孝志)
 国は、住民が避難先から帰る目安として、当面の被ばく線量を年二〇ミリシーベルト以下とし、長期的には年一ミリシーベルト以下としている。これらの目安は、除染を進めるかどうかの判断にも使われている。
 問題なのは、被ばく線量を推定する際に重要となる家屋の遮へい効果の数字だ。国際原子力機関(IAEA)は、鉄筋コンクリートなら屋外の放射線を九割、木造家屋なら六割カットするとしているが、国は日本でも当てはまるかどうかを、独立行政法人日本原子力研究開発機構に調査を委託。機構は調査で、この値の正しさを確かめたという。
 
東京電力:風評被害の賠償打ち切り突然通知…事業主ら困惑 (毎日新聞)
 東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の賠償を、東電が打ち切り始めている。東電は「全都道府県が対象」といい、茨城・栃木両県で十数社の個人事業主が既に打ち切られた。東電からの通知文書は、事故後2年が過ぎ新規事業などもできるはずで、今春以降の損害は「因果関係がない」と説明。業者側は「突然で、廃業に追い込まれる」「一方的に判断し通知するのは問題」と反発している。
◇東電「期間過ぎた」
 打ち切りに遭ったのは少なくとも茨城県の食品加工業者など11社、栃木県の製麺業者など2社で、いずれも個人事業主。今年の「3〜5月分」や「6〜8月分」の賠償を請求したところ、8〜9月に賠償打ち切りの文書が郵送された。
 
 10.12

トリチウム、法定基準の5倍超へ 福島第1、観測用井戸で検出 (東京新聞)
 東京電力は12日、福島第1原発で高濃度汚染水約300トンが漏れた地上タンクの観測用井戸で、地下水から放射性物質のトリチウムが1リットル当たり32万ベクレル(法定基準は6万ベクレル)の濃度で検出されたと発表した。
 水は10日に採取した。漏えいがあった「H4」タンク群周辺では過去最高値。この井戸では6日採取分で23万ベクレルを検出して以降、トリチウム濃度が上昇している。
 また第1原発港湾口で11日に採取した海水から1リットル当たりセシウム134を2・7ベクレル、セシウム137を7・3ベクレルそれぞれ検出。いずれも6月以降で最も高い値。(共同)

内部被曝2割過小評価か 事故直後の作業員 国連委指摘
 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の直後に働いていた作業員の内部被曝(ひばく)について、国連科学委員会は、日本政府や東電は2割過小評価している可能性があると結論づけた。過小評価されていれば、事故直後に原発で作業していた数千人の一部には健康管理の検査対象から漏れている人もいるとみられ、東電は線量の評価の見直しが必要になる可能性がある。 
 科学委員会は日本時間12日未明、国連総会第4委員会にこの結論を盛り込んだ報告書の概要を報告した。 
 科学委員会は、日本政府や東電などからデータ提供を受けて、事故で放出された放射性物質の推計量や、2012年10月まで働いていた作業員約2万5千人の被曝線量などを分析した。 

原発集団訴訟 「津波の予見、不可能」第3回口頭弁論 (東京新聞)
 東京電力福島第一原発事故で被災した福島県民らが国と東電に損害賠償などを求めた集団訴訟で、県内に避難している八世帯二十人が原告となった訴訟の第三回口頭弁論が十一日午前、千葉地裁(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。国側は初めて具体的な反論を提示し、「津波到来の知見はなく、予見はできなかった」と主張した。
 原告らは訴状で、国は二〇〇〇年ごろから津波想定の見直しを始め、危険性を認識していたと指摘。津波による全電源喪失の可能性も遅くとも〇六年までに把握していたのに、電気事業法に基づく東電への改善・停止命令を怠ったなどと主張している。
 
港湾外、また検出 放射性物質、福島県調査 (河北新報)
 福島県は11日、福島第1原発の港湾出口の取水口付近の海水から1リットル当たり2.9ベクレルの放射性ストロンチウム90が検出されたと発表した。同地点での最高値で、外洋汚染が進んでいることを裏付けている。
 県によると、採水は8月で、7月の前回採取(0.015ベクレル)の200倍近い。法定基準(30ベクレル)は下回っている。この地点の海底土からも0.89ベクレルが出た。
 原発の南東5キロ先の沖からは放射性セシウム137が初めて検出された。濃度は0.06ベクレルで法定基準(90ベクレル)を下回っている。

10.11

被災者支援法:NGO、首相官邸前で抗議 (毎日新聞)
 1012日「被災者支援法閣議決定 NGO 首相官邸前で抗議」 本文記事参照)

東電、淡水化装置を再起動 漏えい11トンと訂正 (東京新聞)
 福島第1原発の淡水化装置で作業員が誤って配管を外し6人が高濃度汚染水を浴びた問題で、東京電力は11日、水漏れがあった配管の復旧を終え、淡水化装置を再起動した。また当初7トンとしていた漏えい量を11トンと訂正した。
 配管から漏れた水は全て装置周辺のせき内にたまっていた。装置のある施設外部への流出はなかった。
 第1原発には、原子炉冷却後の水から塩分を取り除く淡水化装置が3台あり、漏えいがあった1台が止まっている間、ほかの2台で汚染水処理をしていた。(共同)

汚染水問題、県警が捜査へ=市民団体の告発受理-福島第1 (時事通信)
 東京電力福島第1原発の放射能汚染水漏れ問題で、福島県の市民団体は11日、「県警に公害罪法違反容疑で提出した東電に対する告発状が受理された」と発表した。
 団体代表の武藤類子さんは、県警で受理の報告を受けた後に記者会見し、「汚染水問題は日々、深刻化している。一刻も早く、東電本社への強制捜査をしてほしい」と述べた。県警の捜査については、「警察は本当に勉強している。前向きな姿勢に期待している」と話した。

放射性物質検査 鳴沢のキノコ基準超 (山梨)県、出荷停止解除見送り(山梨日日新聞) 
 富士北麓の3市町村で昨秋に採取した野生キノコから、国の基準値を超える放射性セシウムが検出された問題で、山梨県は10日、出荷停止の解除に向けた放射性物質検査で、新たに鳴沢村産の野生キノコから基準値を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。
 今シーズンの検査で、再び基準値を超えたエリアは富士吉田市を含め2市村に拡大。富士河口湖町産は基準値以下が続いているが、県は「地域的なつながりが強い」として、今シーズンは3市町村とも国への出荷停止の解除申請を見送る方針。

トリチウム検出最高値26万ベクレルに 漏えいタンク地下水 (河北新報)
 福島第1原発の地上タンクから約300トンの放射能汚染水が漏れた問題で、東京電力は10日、タンク近くの観測用井戸の地下水から放射性トリチウムが1リットル当たり26万ベクレル(法定基準値6万ベクレル)検出されたと発表した。この井戸の水の最高値に当たる。採取日は8日で3日連続の更新となった。
 水からは6日に23万ベクレル、7日に25万ベクレルが測定された。東電は「監視を続ける」と話している。