2013年10月7日月曜日

なぜか小泉元首相が「脱原発」 小沢一郎氏がそれを評価

 小泉純一郎氏は首相在任中はプルサーマルを推進した原発推進派でしたが、8月に財界人らと5人で、脱原発を決めたドイツと廃核燃料の永久保管基地であるフィンランドのオンカロ(洞窟)を視察したのちは、財界人の諫止?も振り切って「脱原発」を叫び出して話題を呼んでいます。
 かつてワンフレーズ・ポリティクスで鳴らした人だけあって、今では講演でも雑談でも「脱原発」に徹しているということなので、たとえ動機が何であっても「脱原発派」であることには間違いないようです。

 脱原発を旗印にする生活の党の小沢一郎氏も、昨年ドイツを訪問し同国の脱原発への取り組みを視察してきました。
 そして東京新聞記者から小泉元首相の宗旨替えについて聞かれ、要旨 次のように答えています。
 「冷静に日本の現状と将来を考える人であれば、たいてい行き着く結論だろうと思います。
 特に事故の対応では全く放射能の封じ込めができていない。いい加減な話をして事実を必死に隠しておりますけども、段々と隠し切れなくなってくるのではないか。そのことを現実の政治の場を離れて、冷静に見た場合にそういう思いに至ったのではないかと思います」。
 
 小泉氏のような奇抜な言い回しはなにもありませんが、いつものきまじめそのものの説明で、十分に納得の出来るものです。
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小泉純一郎元首相の「脱原発」発言を小沢一郎氏が評価 
「冷静に日本を考える人であれば、たいてい行き着く」 
 ハフィントポスト 2013年10月6日
 小泉純一郎元首相の「脱原発」発言に、かつての仇敵が賛意を示した。「生活の党」を率いる小沢一郎代表が、10月2日の会見で「冷静に日本を考える人であれば、たいてい行き着く結論だろう」と評価したのだ。1993年に小沢氏が自民党を離党して以降、立場は与野党で真逆ながら日本の政界をリードしてきた2人が奇しくも同じ結論に達した。

 小泉元首相は現役時代には原発を推進していたが、今年に入ってから「脱原発」発言を繰り返している。9月27日に、みんなの党の渡辺喜美代表と会談した席で「安倍首相は脱原発のリーダーシップを取るべき」と発言。10月1日には、名古屋市内での講演「核のゴミの処分場のあてもないのに原発を進める方がよほど無責任」と述べて、脱原発への政策転換を訴えた。

 これに対し、2006年当時は民主党代表として小泉政権に対峙していた小沢一郎氏。2009年では念願の政権交代を成し遂げたものの、消費税増税をめぐって離党。現在は所属する国会議員わずか9人の「生活の党」で「原発ゼロで経済成長を実現する」と脱原発を訴えている。9月21日には、「もう一度、自民党に対抗できる政権の受け皿をつくりたい」と、再度の政権交代に夢をつなぐ。

 果たして「脱原発」というキーワードが、小泉氏と小沢氏というかつての仇敵を結びつけ、新たなる政界再編のきっかけとなるのかどうか。生活の党が、ニコニコ動画にアップしている記者会見の動画によると、会見での東京新聞の記者との詳しいやり取りは以下の通りだ。

−−最近、小泉元総理が脱原発について「政治が決断すれば一気に進むものだ」と発言していますが、生活の党の政策とも近いと思うのですが、この点についてどうお感じですか?

 「小泉氏とは別に話し合うわけではないので、どういう心境の変化か私には分かりませんけども、彼も総理大臣を経験して、大きな、あるいは高い立場から冷静に考えた場合に、この福島の原発事故を契機にして、『原子力はやめることにした方がいい』という思いに至ったんだと思います。
 冷静に日本の現状と将来を考える人であれば、たいてい行き着く結論だろうと思います。特に事故の対応については、私どももずっと機会のあるたびに言っておりますが、全く放射能の封じ込めができていない。
 一生懸命、いい加減な話をして事実を隠しておりますけども、段々と隠し切れなくなってくるのではないか。そのときは、かなり福島県そして日本にとって悲劇だと思いますけども、そのことを現実の政治の場を離れて、冷静に見た場合にそういう思いに至ったのではないかと思います」
 

 なお、民主党の仙谷由人元官房長官は、小沢氏とは対照的に小泉発言を批判している。10月5日放送のTBSの番組の中で、次のように言葉を荒げた。
「自民党が東京電力を中心としたお粗末な原発推進体制を作ってきたことへの反
     省がない限り、結論だけを言ってウケを取るのは唐突で、いかがなものか」