2013年12月24日火曜日

国の除染に3年の遅れ

 福島原発事故を受け、福島県内で汚染が深刻な避難区域の11市町村で国が直轄で進める除染の終了時期について、環境省最大3年間延長する方針を固めたということです。当初は13年度中に終わる予定でした。
 
 本来であれば、まず「1.除染実証モデル事業」で、警戒区域等の高線量かつ長期間無人の地域における、①新技術も含めた有効な除染方法、②作業員の安全管理の進め方、③モニタリング方法、等の知見を集めることを目的として、警戒区域等において除染実証モデル事業を実施し、それと平行する形で「2.先行除染事業」として、本格的な除染事業を開始するにあたり、除染作業に必要な資機材の保管や作業員の休憩場所等として活用する役場やインフラ設備等の先行的除染事業を実施し、その結果を「3.本格除染事業」につなげて、準備が整い次第11市町村において本格的な除染事業を順次開始し、除染を終了させる筈でした。 
 
 それがなんと環境省の文書(発行日付は不明)によれば、「1.除染実証モデル事業」の開始が今年の11月28日、2.先行除染事業」の開始が同じく12月7日という有様です。
 何よりも先ず汚染地域の除染がなければ住民の帰還などありえません。この先行直轄事業で除染のノウハウを得て実際の除染を行うとともに、その他の全地区の除染の見通しもつける筈だったにもかかわらず、事故以来まもなく3年になろうとしているのに、この滅茶苦茶な遅れは一体何なのでしょうか。
 16万人の避難民を放置したままの安倍内閣は、肝心な復興には注力しないで近くは「特定秘密保護法」に、年が明ければ「集団的自衛権の行使」に向けての立法、そしてその先には・・・・などなど、きな臭い自分の趣味にだけのめりこんでいます。
 一体この不始末をどう考えているのでしょうか。
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福島第1原発事故:国の除染工程表を変更 最大3年間延長
毎日新聞 2013年12月22日
 東電福島第1原発事故を受け、福島県内で汚染が深刻な避難区域の11市町村で国が直轄で進めている除染の終了時期について、環境省が最大3年間延長する方針を固めたことが22日、分かった。当初は13年度中に終わる計画だったが大幅に遅れており、16年度になる。同省は新たな工程表を近く発表する。
 第1原発周辺の避難区域は、放射線量に応じて「帰還困難区域」「居住制限区域」などに指定されているが、政府は17年度をめどに区域を見直す方針。それまでに除染を終えて各自治体が復興や帰還の計画を立てやすくする狙いがある。(共同)