2014年3月16日日曜日

韓国 ソウル市教育庁、偏向放射能教育 と

 
 韓国の記者が、ソウル教育庁が放射能について、偏向した教育をしているのではないかという記事を発表しました。
 
 ソウル市教育庁は、小中高校生たちを対象に「放射線体験学習(=生徒たちが自然放射線測定器と放射線測定キットを持って学校周辺で直接放射能を測定する)」のプログラムを進めています。
 その中で用いられる「放射線警報、あわてないで下さい」という小冊子、自然に存在する自然放射能は無害だという内容を繰り返し強調していることに対して、それだと「自然放射能よりはるかに危険性が高い原発の放射能に学生が無感覚になりかねず、中途半端放射能教育」になりかねないいう指摘です
 
 極めて細心を尽くした考察ですが、冒頭で「福島原発事故から3年目を迎え、日本では脱核・脱放射能運動が広がっている」と高く評価しているのには、面映い感じになります。
 
 確かに日本では、全体としては脱原発運動が盛り上がっていますが、肝心の福島県近辺では食品の「地産地消」が強調され、そういう内容の給食が強制されています。また福島県内では勿論、その周辺でも、住民が放射線の心配を表明することが許されない雰囲気があることが、繰り返し指摘されています。
 
 日本の国及び地方自治体の行政側の態度には、極めて大きな問題があります。
 韓国記者による自国への批判は、もって「他山の石」とすべきです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「脱原発 そんなものは知らない」ソウル教育庁、偏向放射能教育
放射線体験学習、「自然放射能は安全だ」人工放射能の危険を看過
イ・チャンヨル記者 レイバーネット 2014年3月14日
韓国の小中高校生が「中途半端」な放射能教育を受けているという指摘がある。 福島原発事故から3年目をむかえ、日本では脱核・脱放射能運動が広がっているのに、韓国ではそのような雰囲気に逆行しているのだ。
 
3月12日、全教組ソウル支部によれば、ソウル市教育庁は小中高校生たちが放射線の体験学習ができるように、 6月までに申込書を提出しろという内容の文書を最近学校に送った。
 
放射線体験学習は、学生たちが自然放射線測定器と放射線測定キットを持って学校周辺で直接放射能を測定するプログラムだ。 放射線体験学習に必要な装備は、韓国原子力安全アカデミーが無償で貸与する。 また、機器の扱い方は放射能測定専門講師が学校を訪問し、直接指導する。
 
市教育庁は放射線体験学習プログラムの案内文と共に教材も製作し、共に提供した。 「放射線警報、あわてないで下さい!」という題名の小冊子は、自然に存在する自然放射能は無害だという内容を繰り返し強調している。
 
これにより、自然に存在する放射能よりはるかに危険性が高い原発の放射能に学生が無感覚になりかねず、 「中途半端放射能教育」になりかねないと指摘されている
 
「環境と生命のための教師の会」のキム・ドリム教師(ウォルチョン小学校)は 「自然に存在する放射能は均衡がとれていて人々がすでにそこに適応して生きているので問題ない」とし 「自然放射能の安全性だけを強調して、人工放射能の危険を見過ごすのは間違い」と指摘した。
 
これに関してソウル市教育庁の関係者は 「今回の放射線体験学習は、原子力安全アカデミーの委託教育の形で進められる」とし 「装備を活用する体験学習だと考えている。もし原子力広報の内容なら悩んだだろう」と説明した。