2014年4月15日火曜日

福島原発 高濃度汚染水203トンを移送先でない建物に誤送水

 福島原発で、使う予定でないポンプ4台が動き、高濃度の汚染水200トン余りが移送先ではない建物に流れ込んでいたことが分かりました。
 送水された汚染水には、1リットル当たり3700万ベクレルという高濃度の放射性セシウムが含まれていますが、東電は外部への漏えいはないとしています
 14日に汚染水を元の建物に戻す作業を始めました。
 
 本来動かすべきでないポンプが4台も動いたので、東電は原因を究明するということですが、人為的にスイッチが入れられたと考えるのが普通でしょう。
 また犯人探しを始めるのかも知れませんが、そもそも誰でもスイッチが操作できるようになっていること自体が問題で、犯人探しをするよりもそのシステムの改善が先決で、それが改善策となる筈です。
 
 朝日新聞によれば、水を送り出しているはずの建屋の水位が上がるなどの異常に作業員が気付いたのが10日なのに、12日になってから原因を調査をして逆方向に送るポンプや緊急時の移送先へ送るためのポンプ計4台が動いていることを見つけたのに、4台のポンプを止め終えたのは13日午後5時ごろだったということです。
 異常事態(=極めて単純な原因によって生じた)を認識してから解決するまでに丸4日(近く)も要したわけで、この相変わらずの悠長さこそが大問題です。
 
 それとは別に、昨年8月、タンクから汚染水300トンが漏れた事故で、東電は11日、汚染水に含まれていた放射性物質の量(1Lあたりの全ベータ)は、当初発表した8000万ベクレルではなくて、2億8000万ベクレルだったと発表しました。
 
 300トン中の総量は実に84兆ベクレルに達します。
 原子力規制委は昨年、この漏水事故について、原子力事故に関する国際基準で上から5番目にあたる「レベル3」と暫定評価しましたが、最終的な評価が変わる可能性もあります
 
 なお、2月に別の場所で漏れた汚染水110トンは2億3000万ベクレルでした
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高濃度汚染水200トン余 移送先でない建物に誤送
NHK NEWS WEB 2014年4月14日 05時16分
東京電力福島第一原子力発電所で、使う予定がないポンプ4台が動いて、高濃度の汚染水200トン余りが移送先ではない建物に流れ込んでいたことが分かり、東京電力はポンプが動いた原因を調べています。
 
福島第一原発では、1号機から3号機の溶け落ちた核燃料を冷やした水が、高濃度の汚染水となって原子炉建屋の地下に流出し続けているため、ポンプでくみ上げ、近くの複数の建物にためたうえで処理設備に送っています。
東京電力によりますと、13日までの4日間に水位が上がるはずの建物で反対に下がるなどの異常が見つかり、調査の結果、使う予定がないポンプ4台が動いて、汚染水およそ203トンが、本来の移送先ではない「焼却工作建屋」と呼ばれる建物の地下に流れ込んでいたことが分かりました。
流れ込んだ汚染水には、1リットル当たり3700万ベクレルという高濃度の放射性セシウムが含まれていました。
東京電力は、建物の地下に外部とつながる貫通部はなく、汚染水の漏えいはないとしていますが、水位の変動を監視するとともに、汚染水をくみ上げて元の建物に戻す準備を進めています。
東京電力は、法律に基づいて原子力規制委員会に報告するとともに、使う予定がないポンプ4台が動いた原因を調べています。
福島第一原発では、ことし2月、山側にあるタンクで、汚染水を送る配管の閉まっていた弁が開き、タンクから100トン余りが漏れ出すトラブルが起きましたが、弁が開けられた原因は今も分かっていません。
 
 
東電、濃度2億8千万ベクレルに大幅修正 昨年8月の汚染水漏れ 
共同通信 2014年4月11日
 東京電力は11日、福島第1原子力発電所の汚染水測定でストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質の濃度を過小評価していた問題で、修正した測定値を発表した。昨年8月にタンクからの漏洩が発覚し、当時1リットル当たり8千万ベクレルと発表した汚染水は、2億8千万ベクレルと大幅に上方修正した。
 
 この時の漏洩量は約300トンで、一部が外洋に流出、国際的な事故評価尺度(INES)で8段階の下から4番目に当たる「レベル3」とされた。
 当時の試料は残っていなかったが、理論式に当てはめて濃度を算出。東電はこの結果を11日に開かれた原子力規制委員会の作業部会に提出した。同部会は今後、修正値が適正かどうか検討する。