2014年4月11日金曜日

福島原発事故の検証 新潟県技術委が報告書

 年度替りに当たり、10日、福島原発事故を検証する(新潟)県技術委員会の中島健座長(京都大教授)は泉田知事に昨年度の検証状況の報告書を提出ました。
 中島座長は「検証は簡単ではない作業。反省や教訓を抽出して柏崎刈羽原発の安全につなげたい」と述べるとともに、「規制委は県技術委員会にぜひ出てきてほしい」と出席を求めました。
 泉田知事は検証作業に期限を区切らない考えです。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   
福島原発事故の検証 終わり見えず
毎日新聞 2014年4月11日
 東京電力福島第一原子力発電所事故を検証する(新潟)県技術委員会の中島健座長(京都大教授)は10日、昨年度の検証状況を泉田知事に報告した。課題が山積し、検証は終了するめどはたっていない。柏崎刈羽原発のフィルター付き排気(ベント)設備の検証でも、想定するシナリオが詰められず、全体的に作業が遅れている。
 
 この日、県庁を訪れた中島座長は、知事に昨年10月から進めている「シビアアクシデント(過酷事故)対策」など、六つの課題ごとに整理した検証状況を説明した。
 
 2人はその後約40分間、非公開で意見交換した。中島座長らによると、福島第一原発2号機のベントが失敗した理由や東電の事故対応の問題について話し合った。県側が同原発の事故を基に、同設備の使用開始を事故から6~8時間半にするシナリオの策定を求めていることについては、ほとんど話題に出なかったという。
 技術委は今年度も残った課題の検証を進める。中島座長は「簡単ではない作業。やるべきことがたくさん残っている。反省や教訓を抽出して柏崎刈羽原発の安全につなげたい」と述べた。
 
 一方で技術委の会合に原子力規制委員会や規制庁の職員が昨年9月以来、出席していないことに触れ、「規制委は原発の安全の輪の一つ。ぜひ出てきてほしい」と出席を求めた。
 
 泉田知事は「なぜ大事故になったのか、引き続き検証をお願いしたい」と述べ、検証を終える見通しについては期限を区切らない考えを改めて説明した。