2014年5月16日金曜日

「もんじゅ」また保安規定違反 4回連続

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)は、四半期ごとの保安検査で14日、また保安規定違反と判断されました。昨年月に事実上の運転禁止命令を受けてから回連続の違反になります
 こんな無様なことは一般の民間会社では考えられないことで、原子力規制委の田中俊一委員長は「もんじゅの問題は根が深い」と指摘し、更田豊志委員も「とても許容できるレベルに達していない」と批判しました。
 
 「もんじゅ」は現在停止したままですが、それでも維持費に日額5,500万円という、信じられないような高額な費用が掛かっています(年間で200億円超)。
 これまで1兆1千億円の国費を投じてきたのに、技術が完成する見込みは全くありません。
 この無用の長物である装置の維持に年間200億円を投じ続けるということも、民間会社ではあり得ないことです。
 
 東電に負けず劣らず、日本原子力研究開発機構(原子力機構)もまた不可解な組織です。
 原子炉と核燃料の研究を本業にして、3,800人の陣容を擁してこれまで年間1,900億円の予算(今後は除染事業が加わったので更に増大)を使ってきましたが、目下の急務である福島原発の収束に向けて、何か役に立っているという話しは一切聞こえてきません。
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もんじゅ、遠のく運転禁止命令解除
中日新聞 2014年5月15日
 敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」の四半期ごとの保安検査で十四日、保安規定違反と判断された日本原子力研究開発機構(原子力機構)。昨年五月に事実上の運転禁止命令を受けてから四回連続の違反。安全上重要な一次主冷却系配管の支持具の再点検も余儀なくされ、命令解除の見通しはさらに不透明になった。
 
 原子力機構は昨年九月に未点検機器の点検を完了、十一月に保守管理体制と品質保証体制を再構築し、保全計画を見直したと原子力規制委員会に報告した。十二月にはもんじゅを保守する“憲法”と言える保安規定の変更を申請した。
 しかし、その後、保全計画の入力ミス約八百件や点検漏れが発覚し、保安規定の変更申請も「四月までに認可は難しい」と自ら取り下げた。
 
 さらに今回の保安検査で、最重要機器「クラス1」を含む一次主冷却系の配管支持具の点検などが不十分と判断された。運転禁止命令に関する対応の不備に加え、新たな不備も出た格好だ。
 
 同機構は「指摘を重く受け止めている。今後、保全計画の徹底した確認・見直しを進める」と談話を出した。(増井のぞみ)
 
 
もんじゅ 保安規定違反 新たな点検漏れで規制委
東京新聞 2014年5月14日
 原子力規制委員会は十四日、定例会合を開き、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県)で三月に実施された保安検査で新たに見つかった点検漏れや点検記録の不適切処理は、原子炉等規制法に基づく保安規定違反と判断した。
 
 田中俊一委員長は「もんじゅの問題は根が深い」と指摘。更田豊志(ふけたとよし)委員も「とても許容できるレベルに達していない」と批判した。
 もんじゅの点検漏れは二〇一二年十一月に発覚。規制委は昨年五月、原子力機構に、安全管理体制が再構築できるまでもんじゅの運転再開準備を行わないよう事実上の運転禁止命令を出している。その後も点検漏れなどが発覚しており、これらについても既に保安規定違反と判断している。
 
 今年三月に保安検査を実施した原子力規制庁の報告によると、もんじゅでは定められた手続きを取らずに点検記録を訂正し、所長が承認していた。同じ機器の点検を担当している二つのチームのうち、片方のチームの点検は六カ月ごとに実施する計画だったのに、一年十カ月間点検していなかったほか、一部の安全上重要な設備の点検を、見える部分しか実施していなかったことも判明した。
 
 規制庁は「原子力機構の改善策は途上で、これまでの作業の問題点を抽出する必要がある」と指摘した。三月の検査では原子力機構が点検漏れはなかったとする約四万機器のうち、七百機器を調べる予定だった。しかし発覚した問題への対応のため七十八機器しか検査できなかった。