2014年5月17日土曜日

原発作業員の被曝について生涯追跡調査

 厚生労働省の専門家会議は、16日、福島第一原発事故以降およそ3万3000人が作業に当たってきたうち、政府が冷温停止状態を宣言した平成23年12月までの緊急時に作業したおよそ1万9000人を対象とし、がんなどの症状と被曝との関係を調べるために生涯にわたって追跡調査すべきだとする報告書の案をまとめました
 
 調査の結果は世界的な知見となるとともに、福島県の住民にとっても重要な指針になります。報告書は今月中にまとまるので、厚生労働省はこれを基に、今年の秋以降に試験的な調査を始めたいとしています。
 
 高レベルの被曝をした人たちへのこうした対応は勿論必要なことですが、相対的に低レベルとは言え、確実に被曝し今も被曝を続けている住民たちの健康調査も同様に必要です。
 「鼻血問題」で明らかにされた「低被曝では何も影響はない」、「被害を口にするのは風評被害のもとだ」というような行政側の態度は即刻あらためて、住民が納得のできる健康管理を行うべきです。
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原発作業員の被ばく 生涯追跡調査を
NHK NEWS WEB 2014年5月16日
東京電力福島第一原子力発電所の作業員に対する被ばくの影響を本格的に調べるため、その方法などについて検討を進めてきた厚生労働省の専門家会議は、緊急時に作業したおよそ2万人の作業員を生涯にわたって追跡調査すべきだとする報告書の案をまとめました。
 
福島第一原発では、事故以降、およそ3万3000人が作業に当たってきましたが、作業員に対する被ばくの影響を本格的に調べるため、厚生労働省の専門家会議は調査の方法などについて検討を進め16日、報告書の案をまとめました。
 
それによりますと、調査は、作業員のうち政府が冷温停止状態を宣言した平成23年12月までの緊急時に作業したおよそ1万9000人を対象とし、がんなどの症状と被ばくとの関係を調べるために生涯にわたって追跡調査すべきだと指摘しています。
また、国が定めた限度を超える被ばくをした作業員については、血液を採取して被ばく線量を詳しく分析する検査を新たに行う必要があるということです。
 
会議で座長を務めた放射線影響研究所の大久保利晃理事長は「今回の調査の成果は、世界的な知見となるだけでなく、健康不安を抱える福島県の住民にとっても重要な指針になる。国が責任を持って調査すべきだ」と話していました。報告書は今月中にまとまる予定で、厚生労働省は、これを基に、ことしの秋以降に試験的な調査を始めたいとしています。