2014年5月2日金曜日

相馬市玉野の住民ら、原発ADRに仲介を申し立てへ

 福島原発事故で避難指示を受けなかった相馬市の玉野地区の住民が東電に賠償を求め、原発ADRに集団で仲介を申し立てます。「特定避難勧奨地点と同等の高い放射線量にさらされた」として、放射線量に見合う精神的慰謝料を求めるものです
 
 160世帯余り、約480人が暮らしていた玉野地区は、3年前の原発爆発直後は空間線量が毎時4マイクロシーベルト(=35ミリシーベルト/年)を超えていました。
 しかしその後の国による測定で「各住宅の線量は下がっている」とされたほか、「高齢者にとっては避難するリスクのほうが高い」などの市の判断もあり、避難指示は出なかったというものです
 
 それにしても年間35ミリシーベルトとは恐るべき被曝量です。
 それに公称20ミリシーベルト/年までは安全だとして定めた「特定避難勧奨地点」の定め方自体が、チェルノブイリ原発事故から25年を経ていて、当時のソ連邦の人たちの深刻な後遺症が知られていた時期の決定として理解に苦しむものでした。
 せめて放射線量に見合う精神的慰謝料だけでも支払われるのは極めて当然のことです。
 
  (関係記事)
 2012年12月24日特定避難勧奨地点の判定基準 日本の恐ろしい現実
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福島県)相馬市玉野の住民ら、原発ADRに仲介申し立てへ
朝日新聞 2014年5月2日
 東京電力福島第一原発事故で避難指示を受けなかった相馬市の玉野地区の住民が東電に賠償を求め、国の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に集団で仲介を申し立てることが分かった。「特定避難勧奨地点と同等の高い放射線量にさらされた」として、放射線量に見合う精神的慰謝料を求める。
 
 玉野地区は第一原発の北西約50キロに位置し、160世帯余り、約480人が暮らしていた山村。3年前の原発爆発直後は空間線量が毎時4マイクロシーベルトを超えており、年換算で局所的に20ミリシーベルトを超えるおそれがあるとして「特定避難勧奨地点」に指定された近隣の伊達市霊山町の一部と、同程度の線量に達していたことが分かっている。
 
 だがその後の国による測定で「各住宅の線量は下がっている」とされたほか、「高齢者にとっては避難するリスクのほうが高い」などの市の判断もあり、避難指示は出なかった。