2014年6月30日月曜日

「サヨナラ原発1000万人アクション」 28日 明治公園  詳報

 28日、都内・明治公園で行われた反原発集会「サヨナラ原発1000万人アクション」については、28日付の東京新聞の第一報を載せましたが、その後29日に、日仏共同テレビ局と東京新聞が集会の詳細を報道しました。
 以下に詳報ということで紹介します。
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内橋克人さん、鎌田慧さんらが「サヨナラ原発1000万人アクション」にて訴え
日仏共同テレビ局 2014年6月29日 
原発ゼロを目指し再稼働に反対する市民が2014年6月28日、雨が降りしきる中、「サヨナラ原発1000万人アクション」を都内・明治公園にて催した。集会後、参加者は雨の中、デモ行進(manifestation)を行い、川内原発再稼働・反対を訴えた。
 
川内原発再稼働を今秋実行を企む九州電力
呼びかけ人の一人でルポライターの鎌田慧さんは
「日本が大きく変わろうとする歴史的転換期に集会を開いている。なんとしても食い止めていく……という気持ちでいます。たとえば集団的自衛権。7月1日(火)に解釈改憲による容認を閣議決定で決めようとしている。九州の川内原発の再稼働を秋には実行したいと九州電力はいっている。しかし、もっとも電力が消費される7月、8月といった夏は原発ゼロでやっていく」「原発ゼロを維持し、集団的自衛権を認めないように闘っていこう」
旨、訴えた。
 
一人一人が当事者性を持つことが重要
首都圏反原発連合のミサオ=レッドウルフさんは
「大飯原発を差し止める判決は希望の星になった。反原発運動は民主党政権のときには、原発ゼロの方向にもっていくことが出来た。自民党に政権が戻ってから、運動が行き詰まってしまった。そういう中で出た大飯原発をめぐる判決は、全国で運動を続けてきた人たちの(努力の)結晶です。運動が裁判の勝利を押し上げた。原告団・弁護団のご尽力は勿論ありますが、これは多くの人の運動で勝ち取ったものです」
「フクシマの事故によって原発をとめようとする流れが出来た。ただ、常日頃思うのは、福島、福島……と括っていいのかということです。県の境や国の境というものは、放射能には関係がありません。福島にも色々な地域がある。福島にも関東にも汚染されている地域もあるし、汚染されていない地域もある。こういうことを取っ払って、私たち一人一人が当事者性を強く以て、これからも運動に取り組んでいくことが重要」
と訴えた。
 
核燃料サイクル固執は核武装のため
呼びかけ人の経済評論家である内橋克人さんは
「いまこの場に立ちまして思い出すのは、サヨナラ原発集会の第一回集会です。震災が起きた2011年の9月19日のことでした。会場を埋めるたくさんの人々を前に、ワタシは二つのことを申し上げました。一つは『いつか必ず原発再稼働が検討される。この国の支配者たちは原発を捨てることはない、あきらめることはない』と申し上げました。なぜ原発にそれほどこだわるのか。地上がダメなら洞窟を掘って、地下に原発を作って、核燃料サイクルを維持するという超党派の『地下式原子力発電所政策推進議員連盟』が出来た。なぜそこまでやるのかというと、日本が核武装し、核兵器を保有したいからです」
と述べ、核燃料サイクルに為政者が拘る理由は、核兵器保有のためだと喝破した。
 
 
川内再稼働食い止めろ 「経済より命が大事」
東京新聞 2014年6月29日
 今秋以降に第一号となる可能性がある九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働に反対しようと、大規模な抗議活動が二十八日、東京都新宿区の明治公園などであった。毎週金曜日に首相官邸前で脱原発を訴えている首都圏反原発連合など三団体が主催。時折強い雨が降る中、約五千五百人(主催者発表)が「再稼働を食い止めたい」と声を上げた。 (安藤恭子)
 
 デモに先立ち開かれた集会では、「川内原発増設反対鹿児島県共闘会議」の野呂正和事務局長が「全国で初めて再稼働されようとしている川内で闘っている。お年寄りら要援護者の避難計画もずさんだ。皆さんも一緒に闘ってほしい」と呼び掛けた。最後に「命よっか大事なものがあって、よかとですかー」と方言で叫ぶと、公園を埋めた参加者から拍手が上がった。
 川内原発がある薩摩川内市に隣接するいちき串木野市で再稼働に反対する署名を行い、市人口の半数超を集めた。集会後、野呂さんは「本音では賛成の人なんていない。川内のために東京で多くの人が集まってくれた。これからの力にしたい」と語った。
 
 福島県郡山市の人見やよいさん(53)は「国も東京電力も本当のことを言わず、私たちを見殺しにしようとした。『さようなら原発』という当たり前の結論に、日本がいまだにたどり着いていないことが不思議だ」と憤った。「原発被害は、風評や福島差別の問題に置き換えられている。避難支援や子どもの保養に重点を置いてほしい」と訴えた。
 
 経済評論家の内橋克人さんは「原発再稼働の行き着くところは、戦争の抑止力としての核武装」と、集団的自衛権の行使容認問題とも絡めて反対を訴えた。川内原発は現在、原子力規制委員会の優先審査が進んでおり、審査終了は九月以降の可能性が高い。再稼働を阻止しようと、鹿児島地裁で住民らによる運転差し止め訴訟が審理中だ。
 集会後、参加者は代々木公園(渋谷区)まで約二・五キロを行進。小学二年の長女を連れた埼玉県宮代町の農業斉藤康光さん(46)は「これほど多くの人が反対しているのに再稼働の流れはなぜ止まらないのか。川内は首都圏から遠く、やりやすい所を意図的に選んでいるのでは」といぶかった。
 神奈川県秦野市の後藤正子さん(77)は「私は旧満州で銃殺される人を見た。大事なのは人の命。政治や経済を優先させて良いはずがない。集団的自衛権も原発も根っこは同じに見える」と話した。