2014年6月6日金曜日

また汚染水を堰外に流出 山側地下水からトリチウム1600ベクレル

◇福島原発でまたストロンチウムを1リットル当たり72,000ベクレル含む雨水をタンク2基の堰の外に漏らしました。
 本来はタンクの周囲堰の排水弁は閉めておかなくてはいけないのですが、雨水は対象外であるとして開いていたためです。しかし雨水とはいっても、地面に付着した放射性物質を取り込んで汚染水になっているので、前記のとおり極めて高い濃度になります。
 この問題でも東電の説明は実態を離れています。なお、漏らした水の量は不明です。(河北新報、時事通信)
 
◇山側の地下水をポンプで海に直接放流する井戸の1本から、放射性トリチウム(三重水素)1リットル当たり1600ベクレル検出されました。この井戸からの取水は既に中止されています。(福島民友ニュース)
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雨水タンク7万2000ベクレル 福島第1水漏れ
 河北新報 2014年6月4日 
 東京電力は3日、福島第1原発の直接排水基準値超の雨水を保管する仮設タンク群から水が漏れたトラブルで、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)が基準の7200倍に当たる1リットル当たり7万2000ベクレル含まれていたと発表した。
 東電が2日、水漏れがあったタンクの水を分析した。国の基準値はストロンチウム90が10ベクレル未満。タンク周囲のせき内の水は全ベータで9800ベクレルだった。雨水と混ざり、薄まったとみられる。
 東電は同日夜、漏えいした2基のタンク内の水を別の雨水タンクに移送し、漏えいを止めた。せき内の水も回収する。
 
 
汚染雨水、せき外に漏出か=東電、説明一転-福島第1
時事通信 2014年6月4日
 東京電力は4日、福島第1原発で放射性物質を含む雨水をためるタンク群で水が漏れるトラブルがあり、タンク群を囲うせきの外に流出した可能性があると発表した。せき外に漏れていれば、地中に染み込んだとみられる。東電は当初、タンク群のせき内にとどまっていると話していたが、せきの排水弁が開いていたことが判明し、説明を一転させた。
 福島第1では、昨夏にタンクから300トンの高濃度汚染水漏出が発覚した際、囲っているせきの排水弁が開いており、漏れた汚染水がせき外に流出した。東電はその反省から、弁を閉じた状態で運用するルールを定めていたが、今回のタンク群はためていたのが雨水だったため、ルールの対象外になっていた。
 
 
第三者機関分析で1600ベクレル 地下水バイパス・井戸水
福島民友ニュース 2014年6月4日
 東京電力福島第1原発の汚染水対策「地下水バイパス計画」で、東電は3日、第三者機関の日本分析センターが専用井戸1本の地下水を初めて分析した結果、放射性トリチウム(三重水素)を1リットル当たり1600ベクレル検出したと発表した。東電の分析に続き、第三者機関の分析でも東電の排水基準値(1リットル当たり1500ベクレル)を上回った。
 東電によると、第三者機関は水を5月29日に採取した。東電が同日採取した水からもトリチウムが1リットル当たり1700ベクレル検出されている。この井戸は、南北に12本並ぶうちの南端にあり、基準値超えを受けて既にくみ上げを停止している。