2014年7月16日水曜日

川内村 旧警戒区域対象の住民説明会(続報)

 川内村の避難指示解除準備区域の解除と居住制限区域の区域変更に向けての説明会が13日の村内と郡山市に続いて、14日にはいわき市で開かれました。
 
 「戻っても買い物、病院などで余計な時間と経費がかかる」、「屋内の放射線量が心配」などと、14日の説明会でも避難解除に対する懸念の声が相次ぎました
 区域内の仮置き場にある除染廃棄物も課題の一つで、「仮置き場があるうちは帰る環境にはない」というのが、多くの住民の声でした。
 
 当初予定していた今月26日の解除は延期し、今後は解除時期をいつにするかについて、国と村で本格的な協議に入ります。
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解除時期妥協点見えず 川内の旧警戒区域対象の住民説明会
 村民の不安解消に至らず
福島民報 2014年7月15日
 川内村の避難指示解除準備区域の解除と居住制限区域の区域変更の説明会が14日、いわき市で開かれ、2日間の日程を終了した。政府が26日の解除、区域変更を断念したことで、村と政府は解除時期の本格的な協議に入る。遠藤雄幸村長は、避難指示解除準備区域内の村道整備が終了する9月以降を解除時期の一つとして想定しているとみられる。ただ、住民からは、より充実した生活環境の整備を求める声が根強く、解除時期の妥協点は見えない。
 
■村長の思い
 遠藤村長は3カ所で開かれた村民との説明会を終え、「さまざまな意見を聞き、あらためて26日の解除は国に再考を求めた。今後、しっかり協議したい」と述べた。
 ただ、仮設住宅での生活が与える精神的、肉体的ストレスを考えれば、「そんなに遠くないタイミングで考えたい」とも語った。
 準備区域内の二つの村道は、8月と9月にそれぞれ舗装改修工事が完了する。村が設置した第三者の検証委員会からは今月下旬に中間答申が示される。こうした判断材料を総合的に勘案し、解除時期を検討する考えだ。
 住民の生活圏が富岡、大熊町にあることを認めつつ、「100パーセントではないが、(村内で)代替えできるのではないか」と語った。13日の説明会でも「解除を一日千秋の思いで待っている人もいる。その声にも応えたい」と難しい胸中を語った。
 
■村民の要求
 「戻っても買い物、病院などで余計な時間と経費がかかる」「屋内の放射線量が心配」。14日の説明会でも解除に対する懸念の声が相次いだ。
 区域内の仮置き場にある除染廃棄物も課題の一つ。政府は保管期間の3年を過ぎた廃棄物を順次、村外へ運び出す計画だが、中間貯蔵施設の設置が前提だ。「仮置き場があるうちは帰る環境にはない」と話す住民も多い。
 村の新たな商業施設、災害公営住宅は来年3月までに完成する。住民の一人は「少なくとも来年3月以降の解除を」と話す。
 また、農業、林業の再開見通しも立たない。生活の糧が絶たれている現状での解除に難色を示し、生活再建に向けた精神的賠償の継続を望む声も多い。
 
■政府の姿勢
 政府の担当者は説明会で、「解除は、復興につながる規制緩和」と強調した。避難指示は強制的な措置で、長期間にわたり不便な生活を強いているのが現状とする。
 帰還のための準備宿泊(長期宿泊)は25日で3カ月間の期限を迎える。復興庁の熊谷敬統括官は取材に対し、「延長はしなければならないと考えている。できるだけ早急に決めたい」と語った。延長する期間は解除時期となる可能性があるため、村と慎重に協議した上で、あらためて住民説明会を開く方針も示した。