2014年8月23日土曜日

原発の電気価格は国が保証 高コストでも自由化後も優遇

 経済産業省は21日、18年~20年に気料金が完全自由化された後も、原発を持つ電力会社に損失が出ないように、原発の発電コストが一般の発電コスト(市場価格)を上回った分を、電気料金または税金で補填する制度を検討していることを明らかにしました。
 
 具体的にどういう制度になるのかは不明ですが、世界一高いといわれている日本の電気料金は完全自由化後も、原発が占める高コスト分だけは事実上高止まりすることになります。
 
 原発にはこれまでも手厚い優遇策が取られてきましたが、この非道理ぶりは問題です。
 しかし、国や電力会社が繰り返してきた原発は安い電源いう主張が誤りであったことは、これで完全に証明されました。
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原発の電気価格、国が保証? 自由化後も優遇策
東京新聞 2014年8月22日 
 経済産業省は二十一日、電力の完全自由化後も、原発を持つ電力会社に損失が出ないよう支援する制度を検討していることを明らかにした。電力会社をつぶさないための現在の総括原価方式は自由化で撤廃されるが、新制度案は原発を特別扱いした「第二の総括原価」となりかねない。 (岸本拓也、吉田通夫)
 
 家庭用の電気料金は現状では、国の認可制度の下、電力会社が原発などの発電費用をすべて回収できるように設定できる総括原価方式で決まっている。だが、二〇一六年四月に始まる電力の完全自由化策の一環として、総括原価方式は一八~二〇年をめどに廃止され、料金は電力会社が自由に決められるようになり、競争による企業努力で消費者にとっては安くなることが期待されている。
 しかし、経産省がこの日の有識者会議で示した案では、原発で発電した電気の基準価格については、完全自由化後も国と電力会社が決定し、市場価格が基準価格を下回った場合は、差額を電気料金などで穴埋めする。基準価格は総括原価方式と同様に、原発の建設費や使用済み核燃料の処分費用などの投資額を基に決めるため、大手電力は損をしない。
 原発にはこれまでも手厚い優遇策が取られており、会議では九州大の吉岡斉教授が「原発は極端な優遇策を講ずるに値しない」とする意見書を提出。原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「国や電力会社が繰り返してきた『原発は安い電源』との主張に矛盾する」と批判した。