2014年8月8日金曜日

福島市HP「放射線に負けない体を作りましょう」 ん?

 週刊誌「アサヒ芸能」の記事を紹介している「アサ芸+(プラス)」のコーナーに、「福島市HPが公開した“ズッコケ放射能対策”の一部始終」が掲載されました。
 
 福島市ホームページ「放射能への取り組み」の欄に、7月8日、「放射線に負けない体を作りましょう」という記事が載ったところ、批判のコメントが集中し「炎上」したために、10日後にタイトルを「放射線の影響を受けにくい生活をしましょうに変更し、おわび掲載するに至った顛末を、揶揄的に記したものです。
 
 「放射線に負けない体を作りましょう」とはあまりにもナンセンスで、逆に目くじらを立てて批判する意欲も湧かないほどです。
 市の担当者にはそれほどの悪意はなかったのでしょうが、「放射能は大したことはない」という世界に安住し切っていたことは確かでしょう。市役所員の大勢もきっとそういう雰囲気で、それがそのまま反映されたのでしょう。
 そうだとすれば、市役所が市民本位の立ち位置をとるのではなくて、上部機関の意向に迎合している・・そこにこそ大きな問題があります。
 
 「アサヒ芸能」も言うように市は何よりもまず「除染に力を入れるべきでしょう
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福島市HPが公開した“ズッコケ放射能対策”の一部始終
アサ芸+(プラス) 2014年8月7日
 忌まわしい原発事故から3年以上が経過してもなお福島県民が受けた被害はいまだ完全には回復されていない。そんな中、福島市がHPに何とも“アホバカ”な放射能対策をアップした。こんなんで「放射線に負けない」のだろうか‥‥。
 福島市が公式HP内の「放射能への取り組み」の欄に新情報をアップしたのが7月8日だった。そして、この新情報がジワジワと“炎上”していったのだ。
 その大きな要因となったのはタイトルである。
 「放射線に負けない体を作りましょう」
 ネット上では〈タイトルがミスマッチ〉とか〈現状とかけ離れた文言だ〉などの批判が渦巻いた。
 
 このページを作った福島市の放射線健康管理室の企画管理係の担当者が話す。
 「市民の方々からも多くのご批判のメール、電話をいただきました。まことに申し訳ありません。18日にタイトルを『放射線の影響を受けにくい生活をしましょう』に変更し、おわびも掲載させていただきました」
 そのおわびには〈『放射線に負けない』という表記は市民の皆さまに力強く生活していただきたいという思いを表現した〉とある。
 
 しかし、このページの主内容であるチラシには「放射線に負けない」という文言は残っている。しかも、その内容のほうも‥‥。
〈早寝・早起き・良質な睡眠をとれるような生活リズムをつけましょう〉
〈朝ごはんをしっかり食べましょう〉
 まるで夏休みの小学生に向けたメッセージのようなのである。さらに、放射線に負けない「食生活のポイント」というチラシにも、
〈よく噛む。唾液の分泌を良くし消化を助け‥‥〉
〈速やかに排泄する〉
 という疑問符が付く記述だらけなのである。
 
 福島市の南に位置する本宮市の放射線管理アドバイザーを務める日大歯学部准教授(放射線防護学)の野口邦和氏に、このチラシの内容について聞いてみた。
「個人的には『放射線に負けないからだをつくろう』という文言も目くじらを立てるような表現とは思いません。内容も、基本的には放射線の影響以前に、健康にいいことばかりが書かれているだけという印象ですね。ただ、気になるのはカリウムを多く含まれている食物をとろうと書いてあることですかね」
 放射性物質のセシウムはカリウムとよく似た物質である。カリウムを体内に取り込むことで、セシウムが体内に入ってこないという理屈なのだが‥‥。
「カリウムを多く含む食物は、事故でまき散らされたセシウムを吸収している可能性もあるので、必要以上に食べないほうがいいです。現在、県内の内部被曝の調査結果を見るかぎり、大きな問題ではありません。重要な被曝量を減らすという観点からいえば、外部被曝のほうが問題です。現在も年間1ミリシーベルトの被曝を受ける地域に住んでいる方もいるわけですから‥‥」(野口氏)
 
 福島市は11年秋から改訂を続けてきたチラシだというが、まずは除染に力を入れるべきだろう。