2014年9月11日木曜日

原発事故から3年半 県境格差消えず 

 福島原発事故による放射能被害への適切な対応を求めるため、栃木県北の住民らによるADRセンターへの集団申し立て準備が進んでいますその背景には、福島県県境を越えると汚染は一律に低いとみなされて、福島県内とあらゆる面で格差をつけられている住民の不安と不満があります。
 
 関東地方のホットスポット(放射能レベルが特異的に高い地点)はよく知られていますが、放射能は少なくとも東日本全体に振りまかれたもので、福島からは西端にあたる新潟市でも、2011年当時は雨どいの落ち口から高い放射能が検出されました。
 現在でも、茨城県、栃木県は言うに及ばず、長野県や新潟県でも野生動物やキノコなどから高濃度の放射能が検出されています。
 したがって放射能汚染が福島県内に収まっているというような認識はありえないことで、あえてその態度を貫いているのは政治的な欺瞞と冷淡さに他なりません。 
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原発事故から3年半、「県境格差」消えず 栃木県北住民ら、集団申し立てへ
下野新聞 2014年9月10日
 東京電力福島第1原発事故による放射能被害への適切な対応を求めるため、県北の住民らによる国の「原子力損害賠償紛争解決センター」(ADRセンター)への集団申し立て準備が着々と進んでいる。原発事故からまもなく3年半。空間や土壌の放射線量は低下傾向にあるものの、福島県内とあらゆる面で「県境格差」の不遇にさらされている県北住民の間で、東電や国などへの不信感が拭えない現状が背景にある。
 
 「何となく3年半がたってしまったが、これは大問題」「線量がそれほど高くないとされているから、不安があっても叫べない。精神的な苦痛が続いている」
 6日午後、大田原市の東地区公民館で「栃木県北ADRを考える会」(西川峰城代表)が開いた集団申し立ての説明会。集まった約40人の住民からは、低線量被ばくにさらされ続けた不安やいらだちが相次いだ。那須塩原市や那須町に比べ線量が低いとみられる大田原市だが、趣旨に賛同する意見が多数を占めた。
 同会は、那須地区で放射能の計測や除染などを行ってきた住民らで組織。「できるだけ多くの集団で申し立てることが大きなアピールとなる」と考え、6月から那須塩原、那須、大田原の3市町の住民を対象に公民館9カ所などで説明会を重ねてきた。参加者は330人を超えた。
 
 説明会に出られない人もいるとみて、弁護団は集団申し立ての趣旨や仕組みを解説した関係資料を作成。申込用紙とともに、月内にも地区公民館などに置いて配布する。
 同会による集団申し立て受け付けは今月から始まった。年内に第1次を締め切り、来春にも申し立てる方針。3市町で1万人の参加を目指す。
 問い合わせは同会の西川さん、電話090・7013・0330(携帯)。