2014年11月15日土曜日

Cs濃度最高値に|大間原発21年稼働と|プルサーマル延期と電事連

 13日、福島原発1、2号機東側の井戸で、同日採取した地下水に含まれるセシウム(Cs)などの濃度が過去最高値になりました。東電は「工事でくみ上げ量を減らしたことが関係している可能性がある」と説明しています
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 電源開発は13日、大間原発青森県の運転開始時期について2021年度中を目指すと初めて表明しました。建設差し止めを求めて係争中の函館市は「従来の基準はでたらめだった」と強く反発しています
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 電気事業連合会会長は14日プルサーマル計画について「実施時期について再検討する必要がある」と延期する方向で検討することを明らかにしました。2015年度までに全国の原発16〜18基で実施する計画でしたが、原発の再稼働が進んでおらず、MOX燃料工場の建設遅れもあり実施が難しくなっていたものです
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セシウム濃度最高値に=改良工事の井戸-福島第1
時事通信 2014年11月13日
 東京電力は13日、福島第1原発1、2号機東側にあるくみ上げ用の井戸で、同日採取した地下水に含まれるセシウムなどの濃度が過去最高値になったと発表した。東電は「工事でくみ上げ量を減らしたことが関係している可能性がある」と説明している。
 東電によると、10日に採取した地下水と比べ、セシウム137が333倍の1リットル当たり約3000ベクレル、ガンマ線を出すマンガン54が2倍の同110ベクレル、検出限界値未満だったセシウム134が同920ベクレル検出された。
 この井戸は、改良工事の過程で6日からくみ上げ量を10分の1程度に減らしていたという。
 
 
大間原発:函館市が反発 「21年度稼働」Jパワー表明
毎日新聞 2014年11月13日 
 Jパワー(電源開発)は13日、青森県大間町で建設している大間原発の運転開始時期について、同町や津軽海峡を挟んだ30キロ圏の北海道函館市などに2021年度中を目指すと初めて表明した。同社は地震・津波対策を強化すると説明したが、建設差し止めを求めて係争中の函館市は「従来の基準はでたらめだったことが分かった」と強く反発した。
 
 大間町と青森県には同社の北村雅良社長が訪問。函館市には浦島彰人常務らが説明に訪れた。
 同社によると、耐震設計で想定する最大の揺れ「基準地震動」を現在の450ガルから650ガルに引き上げ、最大の津波の高さ「基準津波」も4.4メートルから6.3メートルに見直す。これまで「未定」としていた原発の完成時期は「20年12月」とし、年内にも原子力規制委員会に安全審査を申請する。
 函館市の工藤寿樹市長は、同社の説明後に記者会見し「今の基準に合うよう変えたというが、何を今更と言うほかない」と述べた。また津軽海峡は国際海峡のため外国船が頻繁に通過すると指摘。「テロ対策として占拠される場合を想定していない。あんな場所に(原発を)造る国はほかにない。クレージー」と激しい表現で批判した。
 同原発は、使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う世界初の「フルMOX」商業炉。08年に着工し、東日本大震災後に工事を一時中断したが、12年10月に再開した。【鈴木勝一、森健太郎】
 
 
プルサーマル計画:延期の方向で検討 電気事業連合会会長
毎日新聞 2014年11月14日  
 電気事業連合会の八木誠会長(関電社長)は14日の定例記者会見で、使用済み核燃料を再利用するプルサーマル計画について「実施時期について再検討する必要がある」と述べ、延期する方向で検討することを明らかにした。2015年度までに全国の原発16〜18基で実施する計画だったが、原発の再稼働が進んでおらず、実施が難しくなっていた。
 
 プルサーマル計画は、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を原発の燃料として使う計画。建設中の使用済み核燃料再処理工場(青森県)で使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、MOX燃料加工工場(同県)で核燃料に加工し、全国の原発で使う計画だった。1997年に電事連は10年度までに実施する計画を立てたが、MOX燃料工場の建設遅れなどのため、実施予定を15年度に延期した。
 両施設を運営する日本原燃は、今年4月にMOX燃料工場の完成延期を発表。10月には再処理工場の完成延期を発表した。いずれも原子力規制委員会の安全審査が長引いていることなどが理由だ。また、MOX燃料を利用予定の全国の原発も、再稼働の見通しが立たず、計画実施は困難な状況になっていた。
 八木会長は「資源の有効活用の観点から、プルサーマルを含む核燃料サイクルの重要性は、いささかも変わらない」と従来の見解を繰り返した。新計画については「再処理工場で新たなプルトニウムが回収されるまでの間に検討し、お知らせしたい」と明言を避けた。【安藤大介】