2014年12月22日月曜日

福島4号機核燃料取り出し終了 しかし1~3号機は困難 

 福島原発4号機は、昨年11月から1年あまりの71回に及ぶ作業で1535体の全ての核燃料が撤去されました。
 東電は20日、核燃料の取り出し作業の終了に当たりその作業を報道陣に公開しました。
 
 しかし1~3号機には、炉内に溶け落ちた核燃料の他に、プールには計1573っています
 炉内に溶け落ちた核燃料についてはいまだにその所在も明らかでなく、取り出し方法は何も決まっていない状況であると思われます。
 プールにある核燃料の取り出しについても、その作業できるようどう放射線量を下げどう取り出すのか検討課題は山積してい正念場はこれからです
 
 因みに最も早く取り出しに入そうなのが3号機ですが、プールのある階の線量はいまだ高く、床のコンクリートを削り、高圧洗浄しても放射性物質は当初の見込みの100分の1ではなくて5分の程度までしか下がらなかったので、鉛による遮蔽が必要になるということです
 
 建屋が健全だった2号機は汚染蒸気が充満したため、汚染度は高いところでは毎時880ミリシーベルトもあります。
 いずれも取り出しに入ること自体がまだ不可能なので、全部が終了するのはまだまだ先のことになります。
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1~3号機、阻む高線量 福島4号機、核燃料取り出し終了
東京新聞 2014年12月21日
 東京電力は20日、福島第一原発4号機のプールに残っていた核燃料4体(未使用)の取り出し作業を報道陣に公開した。事故当時、大量の使用済み核燃料が残り国内外を震撼(しんかん)させた4号機。昨年11月から71回に及ぶ作業が続き、プールは空になった。これで課題の一つは解決されたが、建屋内の放射線量が高い1~3号機を含めた全体の廃炉に向けた作業は続く。 
 
 前日まで二十六体が残っていたが、別の輸送容器で二十二体が運び出され、最後の四体がプール内で容器に詰められていた。
 この日公開されたのは、建屋に併設された取り出し用骨組みのクレーンで、四体の入った容器をプールから引き上げる作業。
 クレーンはプール上に移動し、容器をつかんでゆっくりと上げた。作業員十数人が容器を拭いたり、シートを広げて水滴が落ちないよう保護したりし、容器は三十メートルほど南の除染場に到着。作業は約四十五分で終わった。
 今後、容器は除染し、ふたを閉めた後、別のクレーンで地上に下ろされ、6号機プールに移される。これが済めば、千五百三十五体あった核燃料はなくなり、4号機のリスクは実質的になくなる。福島第一の小野明所長は「作業員の努力のたまもの。気を緩めず、廃炉を進めたい」と話した。
 
◆残る難題 除染に限界
 4号機の危険性は取り除かれたが、1~3号機には、炉内に溶け落ちた核燃料、プールには計千五百七十三体が残る。作業できるようどう放射線量を下げ、どう取り出すのか。検討課題は山積している。正念場はこれからだ
 
 比較的早く取り出しに入りそうなのが3号機。建屋上部に積み上がっていたがれきはほぼ除去された。二〇一五年度中の取り出し開始を目指す。
 しかし、プールのある五階の線量はいまだ高い。床のコンクリートを削り、高圧洗浄し汚染は減ったが、放射性物質は深く床に染みこんだ。東電は百分の一に汚染が減ると期待したが、五分の一程度までしか下がっていない。除染には限界があり、鉛による遮蔽(しゃへい)など追加策が必要になる。
 1号機は一七年度から取り出す計画だったが、建屋カバーの解体が遅れたこともあり、二年ほど延びることになった。
 建屋が健全だった2号機は汚染蒸気が充満し高濃度に汚染が残る。高い所だと毎時八八〇ミリシーベルトもある。建屋上部を解体する方向だが、具体策の検討は二年後という。 (荒井六貴)

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