2015年2月24日火曜日

浜岡3号機の再稼働申請、4月以降に先送り

 中部電力は、浜岡原発3号機の新規制基準への適合審査の申請を、4月以降に先送りする方針を固めました。必要なデータが3月末までには準備できないことと、安全対策の工事完了が2017年9月にずれ込むので申請を急ぐ必要もないためです。
 
 浜岡原発は1、2号機は廃炉が決定し、5号機は以前に原子炉圧力容器内に海水が入る事故があって使用できないため、再稼動の対象は3号機と4号機だけです。
 4号機は昨年2月に適合審査申請し、つい先日規制委が初の現地調査を行ったばかりです
※ 2015年2月15日 浜岡4号機を規制委が初の調査 

 浜岡原発は、将来必ず起こるとされている東海大地震の震源域の中央付近に立地しているため、世界的に最も危ない原発であるとされています(英国フィナンシャル・タイムズなど)。
 島崎邦彦委員長代理が在籍していたときには、「巨大地震の発生確率がほかの原発に比べてはるかに高い。震源域で何が起こるか知見も限られている」として、審査では地震の想定が妥当かどうかなどを慎重に確認する方針を示しましたが、厳格だった同氏は電力会社に忌避されて真っ先に交代させられました。
 
 その後の審査の様子については殆ど報じられていませんが、どのように進められているのでしょうか。
 国内では勿論ですが海外からも注目されているなかで、耐震性の向上を満足に行いまま安易に合格させるなどは絶対に避けなければなりません。
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浜岡3号機の再稼働申請、4月以降に先送り 中部電力
朝日新聞 2015年2月23日
 中部電力は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3号機の再稼働に向けた新規制基準への適合審査の申請を、4月以降に先送りする方針を固めた。申請済みの4号機や他の原発の審査状況から、安全対策などで3号機でも提出が必要と見込まれる項目が増え、データ解析などに時間がかかるため、目指してきた3月末までの申請を断念する。
 
 中部電は昨年2月、浜岡4号機の適合審査を原子力規制委員会に申請。これまでの審査で、竜巻や外部からの火災への対応などについても安全性を自社で評価した結果の提出を求められている。3号機の審査でも同様の項目が必要になると見込まれるため、3月末までの申請をあきらめ、事故発生の確率分析などのデータをそろえたうえで4月以降の早期申請を目指す。
 
 中部電は昨年10月、再稼働に向けた浜岡原発の安全対策工事の完了を1年延期すると発表。申請先送りの背景には、3号機について2017年9月の工事完了前の再稼働は見込めないため、申請を先送りしても再稼働までの日程に大きな影響がないこともあるとみられる。4号機の審査も他の原発より遅れており、地元の反発も根強いことから、再稼働の時期が見通せない状況が続いている。
 
 中部電は東日本大震災後の11年5月、当時の菅直人首相の要請で、廃炉作業中の1、2号機を除く3~5号機の運転停止を決めた。停止の長期化で代わりに動かしている火力発電所用の燃料費がかさんで14年3月期まで3年連続で最終赤字が続き、浜岡原発の再稼働の必要性を訴えている。5号機は海水が流入する事故があり、当面は再稼働申請を予定していない。(井上亮)