2015年4月4日土曜日

追加告訴の東電社員ら9人を不起訴 東京地検

 福島原発事故を巡り今年1月に、住民グループから告訴・告発されていた当時の東京電力の津波対策の担当者や原子力安全・保安院の元幹部ら9人について東京地方検察庁は3日、全員を不起訴にしました。
 
 去年12月、政府の事故調査・検証委員会が関係者の証言記録を新たに公開したことに伴って、原発が津波に襲われる可能性を事故前に認識していたことが分かり、福島県の住民グループなどが当時の東京電力の津波対策の担当者や原子力安全・保安院の元審議官ら9人について業務上過失致死傷の疑いがあるとして告訴・告発していたものです。
 
 なお、同地検がすでに不起訴にした勝俣恒久元会長ら東電旧経営陣3人については現在、検察審査会が2回目の審査をしており、「起訴」を議決した場合は、3人は強制的に起訴されることになります
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追加告訴の東電社員ら9人を不起訴 東京地検
産経新聞 2015年4月3日
 東京電力福島第1原発事故で、東京地検は3日、東電旧経営陣らの刑事処分を求めている「福島原発告訴団」から今年1月に提出された業務上過失致死傷罪での追加告訴について、不起訴処分にしたと発表した。
 
 告訴されていたのは、東電社員3人▽原子力安全・保安院(廃止)職員4人▽原子力安全委員会職員(同)1人▽電気事業連合会職員1人-の計9人。告訴状によると、9人は津波による原発事故を防ぐ義務があったのに、必要な対策を行わず、被曝(ひばく)などで住民らを死傷させたとしていた。
 
 同地検は、東電社員3人のうち、津波対策に携わっていた2人を嫌疑不十分、携わっていなかった1人を嫌疑なしと認定。保安院職員4人は同様の理由で3人を嫌疑不十分、1人を嫌疑なし。安全委と電事連の職員は嫌疑なしとした。
 同地検は「津波の予見や事故の回避は困難で、刑事責任は問えない」とした。
 
 一方、告訴団が告訴し、同地検がすでに不起訴にした勝俣恒久元会長(75)ら東電旧経営陣3人については現在、検察審査会(検審)が2回目の審査をしており、検審が「起訴」を議決した場合は、3人は強制的に起訴される。