2015年6月1日月曜日

海洋学者の湯浅氏が海の放射能汚染に警鐘

 東電は、福島原発からどんなに高濃度の放射性排水を海に流しても、希釈されるから大丈夫の一点張りです。
 しかしそんな論法は電力会社に対して口出しのできない日本のメディア界だから許容されているのであって、海外では絶対に通用しません。そもそも放射能を希釈すること自体が違法なこととして禁止されています。
 
 海洋学者の湯浅一郎氏が四万十市で講演し、海の放射能汚染に警鐘を鳴らしました。
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海の放射能汚染に警鐘 高知県四万十市で湯浅さんが講演  
高知新聞 2015年05月31日  
 東京電力福島第1原発事故による海への影響を調べている、NPO法人「ピースデポ」副代表で海洋学者の湯浅一郎さん(65)=東京都小金井市=が30日、高知県四万十市の四万十市社会福祉センターで講演した。「いまだに福島県沿岸の漁業者は操業を自粛している」という現状を紹介するとともに「なぜ魚から放射性物質が検出されるか、国や東京電力は一切説明しない」と批判した。 
 
 湯浅さんは1975~2009年、産業技術総合研究所中国センターに研究員として勤務。原発事故以降は、国や東京電力が出したデータを基に、海の放射能汚染について分析してきた。 
 
 講演では、東京電力による2013年3月の発表を紹介。それによると、福島第1原発がある湾内で捕獲したアイナメから、1キロ当たり74万ベクレルの放射性セシウムが検出された。国が定める一般食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)の7400倍に相当した。 
 
 また、水産庁のデータからは、宮城県や千葉県の沖でも、スズキから基準を超えるセシウムが検出されたことが分かったという。 
 
 湯浅さんは「おととしの参院選が終わるまで、東電は汚染水の海への流出を認めなかった。それ以前の調査結果から、汚染に気付きつつも隠していたことは明らかだ」と指摘した。 
 
 原発再稼働にも触れ「川内(せんだい)原発や伊方原発で事故が起きれば、放射性物質が黒潮に乗って土佐湾を通り、神奈川県沖まで1カ月で流出する。海の放射能汚染は一人一人が当事者となって考えなければいけない」と訴えた。 
 
 講演会は「脱原発四万十行動」と「グリーン市民ネットワーク高知」の主催。31日午後2時からは、高知市本町4丁目の高知県人権啓発センターでも同様の講演会がある。