2015年7月24日金曜日

大熊町は建設に着工、浪江町は計画を断念 復興のメガソーラー

 福島第一原発直近の大熊町は21日、出力約2000キロワット大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設に向けて起工式を行いました。
 大川原地区の農地3.2ヘクタールに、約7700枚の太陽光パネルを設置します
 
 それに対して同じく直近の浪江町は22日、予定していた大規模太陽光発電施設の建設を断念しました。
 町は14年3月に太陽光発電事業の推進を津波被災地の復興の柱に位置付けて計画を進めてきましたが、予定地の地盤が軟弱なこと判明した他、変電所の増強工事に20億円超の負担金が発生し、採算が取れなくなったためです。
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福島発電、現地で起工式 大熊にメガソーラー
河北新報 2015年07月22日
 東京電力福島第1原発事故の影響で全町避難が続く福島県大熊町で、初の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設されることになり、起工式が21日、現地であった。運転開始は12月の予定。
 出力約2000キロワットで、福島県設立の福島発電(福島市)が建設。大熊町が復興拠点地域と位置付けている大川原地区の農地3.2ヘクタールに、約7700枚の太陽光パネルを設置する。
 年間発電量は一般家庭約600世帯分の消費量に相当する。東北電力に売電し、町が同地区に建設を計画する植物工場の運営に収益の一部を充てる。総事業費は約5億円。
 起工式で渡辺利綱町長は「施設は古里を取り戻す歩みが進んでいることを示し、町づくりのシンボルになる。地域には廃炉関連企業の進出や東電職員の宿舎建設も計画され、復興拠点の整備が加速される」と述べた。
 
 
メガソーラー 浪江町断念 採算取れず
 河北新報 2015年7月23日  
 福島県浪江町は22日、東日本大震災の津波浸水地域で予定していた大規模太陽光発電施設(メガソーラー)建設を断念したと明らかにした。変電所の増強工事に20億円超の負担金が発生し、採算が取れなくなったことが主な理由。二本松市の仮役場で開いた町議会全員協議会で説明した。
 事業は民間事業者と共同で実施し、津波被害があった請戸、棚塩両地区の農地150ヘクタールに出力70メガワットの太陽光パネルを設置。2017年に着工し、19年に稼働する計画だった。
 売電を予定した東北電力との全量連係には変電所の増強工事が必要で負担金が生じるほか、予定地の地盤が軟弱なことも判明。収支が合わないため、事業を取りやめた。
 町は14年3月に策定した復興まちづくり計画で、太陽光発電事業の推進を津波被災地の復興の柱に位置付けていた。