2015年7月7日火曜日

富山県の主婦らが放射線についての副読本を発行

 富山県内の主婦らでつくる市民団体「とやま原子力教育を考える会」が、放射線の危険性や事故の歴史を盛り込んだ中高生向けの冊子「私たちの放射線副読本」をまとめました。
 2011月、文部科学省が発行した副読本の内容が、「福島原発事故についての記載がなく、責任や原因にも触れていない」ことに不満を抱いたメンバーらが集まって放射線の恐ろしさを正しく伝え独自の副読本の作製を企画してそれが完成したものです
 A4判全91ページカラー印刷版で、1冊500円です。
 
 戦争や空襲の体験記などとは違い、こうした副読本を発行するのは極めて珍しいことです。
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放射線の真実記す 県内主婦ら 中高生向け冊子作製 (富山)
中日新聞  2015年7月6日
危険性、原発事故の歴史…
 東京電力福島第一原発事故を機に、県内の主婦らでつくる市民団体「とやま原子力教育を考える会」が、放射線の危険性や事故の歴史を盛り込んだ中高生向けの冊子「私たちの放射線副読本」をまとめた。県内の全教育施設に無償配布する予定で、代表の道永麻由美さん(62)は「同じ過ちを犯さないよう、真実を正しく伝える手助けになれば」と話す。(広田和也)
 
 副読本は、A4判全九十一ページカラー刷り。米国・スリーマイル島やウクライナ・チェルノブイリなど、世界で起きた原発事故の年表や放射線による人体への影響、身の守り方を図や表、写真で紹介している。
 福島原発事故後の二〇一一年九月、文部科学省が発行した副読本の内容が、「福島原発事故についての記載がなく、責任や原因にも触れていない」(道永さん)として、不満を抱いたメンバーらが集まって独自の副読本作製を企画。放射線の恐ろしさを正しく伝えようと、市民からの協力金など五十万円を集め、一二年四月から三年がかりで今年五月に二千部を完成させた。
 五日は富山市新富町のCiCビルで、メンバー六人が県内の教育施設五百六十九カ所や図書館六十八カ所への発送作業に追われた。
 副読本は、一冊五百円(税込み)と郵送料で購入できる。問い合わせは道永さん=電090(7083)8190=へ。
 
写真
放射線に関する事故の年表や原因をまとめ
た副読本を手にする道永麻由美さん