2015年10月28日水曜日

28- 塩谷町長「冠水で処分場候補地あり得ぬ」 環境省へ

 高濃度放射性物質指定廃棄物の処分場をめぐって26日、環境省を訪れて抗議文を提出した栃木県塩谷町の見形和久町長は、今月14日に行われた水害の調査、環境省職員が「少し水がかぶったから、ただちに全部が駄目というような短絡的な考え方ではない」述べたことに対して、国が候補地を選定した際、自然災害の恐れがある地域は、あらかじめ対象から除外するはずだったと指摘しました。
 そして「矛盾だらけの候補地選びは、国民が納得できるものではない」と批判し、国への不信感をあらわにしました。
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国への不信あらわ 塩谷町長「冠水で候補地あり得ぬ」栃木
東京新聞 2015年10月27日
 高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の処分場(長期管理施設)をめぐって二十六日、環境省を訪れて抗議文を提出した塩谷町の見形和久町長は、国への不信感をあらわにした。九月の関東・東北水害の被害状況を調べるためと念押しして国の調査を受け入れたのに、有識者や環境省職員から「建設ありき」ともとれる発言があったことを問題視。処分場受け入れ反対の態度をさらに硬化させた。
 
 塩谷町が提出した抗議文によると、処分場の候補地周辺で今月十四日に行われた水害の調査後、環境省職員が「少し水がかぶったから、ただちに全部が駄目というような短絡的な考え方ではなく、敷地の中でどう施設を配置するかなどを詰めないといけない」と持論を展開したと批判した。
 
 また、国が候補地を選定した際、自然災害の恐れがある地域は、あらかじめ対象から除外するはずだったとも指摘。「理にかなわない選定項目の設定や、矛盾だらけの候補地選びは、国民が納得できるものではなく、ただいたずらに負担を増やすばかり」とした。
 
 抗議文を受け取った井上信治環境副大臣は「誤解が生じるような発言があった」と陳謝した一方、災害を心配する町民がいることに触れ、調査結果を報告する説明会の開催を求めた。しかし、見形町長は「冠水したことで、そもそも候補地ではあり得なくなった。今さらそれは問題ではない」と拒否した。
 
 見形町長は面談後、今回の調査結果も含め「(町から)町民に説明して、しかるべき対応を取りたい」と語った。(藤原哲也)