2015年11月26日木曜日

26- 九電の核燃料乾式貯蔵施設計画に佐賀県が抗議

 九州電力が検討している使用済み核燃料の「乾式貯蔵施設」はそれ自体は安全性の高いものですが、使用済み核燃料の保管設備については九電が佐賀県、玄海町と結んでいる安全協定の規定で事前了解が必要とされているものでした。
 九電が県や町に詳しい説明をして事前了解を取ることなく、20日、経産省などに設置計画を公表したことに県が抗議し、九電側は佐賀県と玄海町に陳謝しました。
 
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11月24日 九電、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を検討
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核燃料乾式貯蔵施設 県が抗議 知事ら「理解得ず問題」
河北新報 2015年11月25日
 九州電力が検討している玄海原発(東松浦郡玄海町)敷地内への使用済み核燃料の「乾式貯蔵施設」建設について、佐賀県は24日、九電の山元春義取締役を県庁に呼び、詳しい説明や理解を得ない形で公表したことに口頭で抗議した。山元氏は陳謝した。山口祥義知事は定例会見で「非常に当惑している。信頼関係が何より大事で、善処してもらいたい」と改善を求めた。
 
 九電は20日に経産省で開かれた会議で、原発敷地内での設置を検討していることを明らかにした。県によると九電から初めて説明を受けたのは16日で、その際、「敷地内という表現が一人歩きして誤解を招く」として再考を求めていたという。しかし、九電はそのまま公表した。
 この日は県くらし環境本部の伊藤正本部長が「具体的説明もなく、理解を得ない中で公表したことは問題だ」と抗議した。山元氏は「社内での検討ということだが、公表したことは申し訳ないと思う。二度とこのようなことがないようにしたい」と応じたという。
 山元氏は玄海町も訪れ、同様の説明をした。
 
 また、唐津市の坂井俊之市長は24日の会見で「九電から事前の連絡は何もなかった。今は再稼働の問題もあり、信頼関係が大事なとき。唐突な発表に驚きと同時に不快にも思った」と憤りを見せた。「再稼働に理解を示している市民からも戸惑いの声が多く寄せられた」と語り、「乾式貯蔵の安全性に関する議論もまだ十分ではない。九電の方針は段階を踏まえたものではない」と批判した。
 乾式貯蔵施設は、使用済み燃料をプールではなく、特殊金属製の容器に入れて、外気で冷却しながら保管する。設置には九電が県、玄海町と結んでいる安全協定の規定で事前了解が必要になる。