2015年11月11日水曜日

東電が新潟限定でCM再開 柏崎刈羽原発のPR

 福島原発事故の後テレビコマーシャル(CM)を控えていた東電が、新潟県限定で月からCMを再開しました。30秒もので事故時のバックアップ電源を起動するシーンが映し出され「教訓をふまえて。東京電力」の字幕で終わるものです。そのほかに時からのローカル番組のスポンサーなっています。
 
 新潟県限定ということは柏崎刈羽原発の再稼動を目指しているからに他なりません。
 新潟県内には、福島県から避難中の人が三千六百人(全国で3番目)もいますが、「お金をCMに使うぐらいなら、避難している人たちへの支援に使ってほしい」という声が出ています
 東電の今年の中間決算は空前の黒字だと言うことです。CMなどに金を使うのではなく、何よりも先ず避難者たちに十分な賠償をして欲しいものです。
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東電、新潟限定でCM再開 柏崎刈羽原発PR 再稼働へ布石?
東京新聞 2015年11月10日
 東京電力福島第一原発事故の後、テレビコマーシャル(CM)を控えていた東電が、柏崎刈羽原発のある新潟県限定でCMを再開した。教訓を踏まえ安全対策に全力を挙げていると強調する内容だが、福島から新潟に避難中の住民からは「柏崎刈羽を再稼働させようという狙いがありあり」といった反発の声も出ている。 (大野孝志)
 
 三十秒のCMは「柏崎刈羽原発では 福島第一の事故をふまえ 対策・対応を進めております」の字幕で始まる。外部電源を失った場合に備えて配備したガスタービン発電機搭載のトラックが登場。手際よく発電機を起動させる様子が映し出される。柏崎刈羽の夕暮れをバックに「教訓をふまえて。東京電力」の字幕で終わる企業イメージの回復を狙ったCMだ。
 
 東電によると、福島の事故後は計画停電の告知と事故のおわびを除いては、CMを中断してきたが、今年六月から新潟限定で民放各局で始めた。東電が新潟本社を設立したことを宣伝する内容のCMもある。放映料を払うスポットCMのほか、夜七時からのローカル番組のスポンサーにも入っている
 
 柏崎刈羽6、7号機は現在、再稼働の前提となる新規制基準による審査が進んでいる。直下の活断層の問題が残っているが、防潮堤や防水扉などの津波対策やベント(排気)フィルターの設置も進み、福島第一原発と同じ系統の沸騰水型原子炉では、優先的に審査されている。
 
 二年前の審査申請時は、「審査は再稼働のためではなく、現時点で原発の安全性がどの程度なのかチェックいただくため」(広瀬直己(なおみ)社長)と強調していた。しかし最近では、広瀬社長は「柏崎刈羽が再稼働すれば、黒字を続ける道が開ける」(先月二十九日の決算会見)と、公然と再稼働への願いを口にしている。
 
 新潟県内には、福島県から避難中の人が三千六百人もいる。東京都、埼玉県に次いで三番目に多い。
 
 CMを見た柏崎市に避難中の女性(56)は「新潟でだけ流しているのは、(新基準への適合審査を申請している)柏崎刈羽を再稼働させる気でいるからだ。東電はお金の使い方を間違えているのではないか。CMに使うぐらいなら、避難している人たちへの支援に使ってほしい」と話した。
 
 東電の広報担当者は「私企業の契約」として費用を明かさず、CMの内容については「柏崎刈羽の安全のためにしっかり取り組んでいることを新潟県民に説明するのが狙い。事故の反省を踏まえていると説明することは、避難している人たちに対しても重要と考える」と強調した。