2015年12月2日水曜日

02- 酪農家自殺 東電と和解 福島原発事故 数千万円支払い

東京新聞 2015年12月1日 
 東京電力福島第一原発事故で将来を悲観して自殺した福島県相馬市の酪農家菅野重清さん=当時(54)=の妻バネッサ・アボルドさん(37)ら遺族が、東電に約一億二千八百万円の損害賠償を求めた訴訟は一日、東京地裁(中吉徹郎裁判長)で和解が成立した。
 
 弁護団によると、東電が遺族に和解金を支払うとの内容。詳しい額は開示しないことになっているが、数千万円とみられる。
 訴状によると、菅野さんは乳牛約四十頭を飼育していたが、事故で原乳が出荷停止になり、大半を手放した。二〇一一年六月に牧場の小屋で自殺し、壁に「原発さえなければ」「仕事をする気力をなくしました」と書き残していた。
 
 東電は訴訟について「菅野さんが亡くなられたことについて心よりご冥福をお祈りします」とコメントした。