2015年12月7日月曜日

07- もんじゅへ厳しい指摘 福井で原子力の専門家が対談

中日新聞  2015年12月6日
◆廃炉へ全国集会
 高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉を求める全国集会は五日、福井市春山二の市文化会館で開かれた。長崎大核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎センター長と原子力資料情報室の伴英幸共同代表が対談した。
 
 鈴木センター長は国の原子力委員会の委員長代理も務めた。「もんじゅが生き残る前提では改革は難しい。これまでの評価は推進ありきだった」と指摘。「国策だからと推進するのでなく、社会のニーズに合わせるべきだ」と抜本的見直しを求めた。原子力規制委員会が出した運営主体の変更を求める勧告は「高速炉や核燃料サイクルをゼロから見直す好機」と位置付けた。
 
 伴共同代表は日本原子力研究開発機構が機器の重要度の分類を間違ったことに「熟知している人がいないのでは。二十年間ほとんど動かなかったことで技術が引き継げなかった」と分析。勧告について「一番よく知っている組織が失格では、どこもやりきれない。もうやめなさいと言っているのと同じ」と述べた。
 集会は七百五十人が参加した。
 
◆市民団体「福島切り捨てと一緒」
 五日、福井市西公園で開かれた関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)の再稼働阻止を訴えた集会。全国から集まった各団体の代表者らが参加者ともに気勢を上げた。
 
 被災者支援に取り組む「ふくしま復興共同センター」(福島市)の斎藤富春さんは「福島第二原発の廃炉はオール福島の声。再稼働は福島切り捨てと一緒だ」と主張。脱原発を目指す市民団体「たんぽぽ舎」(東京都千代田区)の柳田真さんは「来年四月から電力自由化となり、原発電力を買わずに済む。原発を進める電力会社にとってそれが痛手になる」と述べた。
 最後に「福井地裁の運転差し止め仮処分決定を順守し、本気で止めるよう強く訴える」とのアピール文を採決した。 (塚田真裕)