2015年12月2日水曜日

福島の児童2巡目検査で15人ががん

 東電福島原発事故を受け、当時18歳以下だった県民(児童)を対象に実施している甲状腺2巡目の検査で9月末現在甲状腺がんと確定した人数が15人になり、6月末時点から9人増えました。
 1巡目検査で「問題ない」と判断されていたものが、2年以下の経過でがんに移行したわけですがん患者の確定数は1巡目と合わせると115名になります。
 
 2巡目は、事故当時の胎児も対象に加え、昨年4月に開始し、対象となる約38万人のうち、約18万人が受診しました。
 有識者検討委員会の星北斗座長は記者会見で「放射線の影響で発生したとは考えにくい」と述べましたが、いわゆる政府の公式見解に過ぎず、岡山大学の津田敏秀教授は明らかに異常な発生率であるとしています。
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福島県:甲状腺がん9人増 2巡目で計15人…18歳以下
毎日新聞 2015年11月30日   
 東京電力福島第1原発事故後、福島県が当時18歳以下の子供らを対象に行っている県民健康調査で、県は30日、1巡目の甲状腺検査で「がん」や「がんの疑い」と診断されなかった子供のうち、9月末時点の2巡目の検査で新たに9人ががんと診断されたことを明らかにした。2巡目でがんと確定したのはこれで計15人となった。がんの疑いも5人増えて24人となった。
   
 有識者でつくる県の検討委員会で報告された。検討委の星北斗座長は「チェルノブイリの原発事故に比べ被ばく線量が少なく、事故当時5歳以下の発症がないことなどから、これまでと同じく放射線の影響は考えにくい」と評価した。2巡目の検査は昨年4月から始まり、対象者約38万人のうち今年9月末までに約18万人分の検査結果が確定している。
 
 1巡目の検査は今年4月末までに対象者約37万人のうち約30万人が受けた。前回発表の6月末時点で甲状腺がんと診断されたのは98人だったが、9月末時点で2人増えて100人になり、13人ががんの疑いがあるという。【岡田英】
 
 
福島の子2巡目検査 15人がん
東京新聞 2015年12月1日
 東京電力福島第一原発事故による健康影響を調べる福島県の「県民健康調査」の検討委員会が三十日、福島市で開かれた。
 
 県内の全ての子どもが対象の甲状腺検査について、昨年四月からの二巡目の検査でがんと確定した子どもが、今年八月に開かれた前回会議での報告から九人増え十五人となった。がんの疑いは十九人から二十四人となった。確定と疑いの計三十九人は、事故から三年までの一巡目検査でほとんどが「問題ない」と判断されていた。
 委員会後の記者会見で星北斗座長(福島県医師会副会長)は「放射線の影響で起きたがんとは考えにくい」と、従来の見解をあらためて示した。