2016年2月17日水曜日

2巡目で発現した甲状腺がん患者(がん疑いを含む)は51人に

 福島県の原発事故発生時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査2巡目の本格検査新たに1人が甲状腺がんと診断され、がんと診断されたのは累計16人になりました。
 2巡目検査を受けた約23万人のうち、がんや「がんの疑い」と診断されたのは前回報告(同9月末時点)から12人増えて51人となり、このうち47人は1巡目の先行検査で問題ないと診断されていました。
 
 これについて検討委の星北斗座長は「これまでの知見で判断すれば、現時点で放射線影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示しましが、「これまでの知見」といわれても、これまでは常に頭ごなしに「放射能との関係は考えられない」の一点張りで、最も考慮されるべき要因である「放射能」が、いつも無条件で真っ先に切り捨てらるというのが、福島県県民健康調査検討委員会の見解表明のパターンでした。
 
 それでは第1巡目からわずか1~2年で新たに51人ものがん(またはがん疑い)の患者が発生したのはどう説明するのでしょうか。もしもそれらが放射能以外の要因によるものであるとすると、この大過剰の発生は何なのか説明がつくのでしょうか。
 
 それについての検討委員会の説明は、何と「1巡目検査では見つからなかったがんが2巡目で見つかった」というものでした。要するにこの1~2年間に発現した症状ではなくて、第1巡目に見落としていたのが見つかったという訳です。 そういう論理であれば、この先も延々と見落としの患者が見つかる可能性があります。きっとそれでもしばらくの間はそれでしのげると考えているのでしょう。
 いつもながら一体何を信用してい良いのか分からない検討委員会の発表です。
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甲状腺がん」累計16人に 福島県民健康調査・2巡目検査
福島民友 2016年02月16日
 (福島)県と福島医大は15日、福島市で県民健康調査検討委員会を開き、東京電力福島第1原発事故発生時18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査2巡目の本格検査(昨年12月末現在)で新たに1人が甲状腺がんと診断され、がんと診断されたのは累計16人になったと報告した。2巡目検査を受けた約23万人のうち、がんや「がんの疑い」と診断されたのは前回報告(同9月末時点)から12人増えて51人となり、このうち47人は1巡目の先行検査で問題ないと診断されていた。検討委の星北斗座長(県医師会副会長)は「これまでの知見で判断すれば、現時点で放射線影響は考えにくい」と従来と同様の見解を示した。
  
 検査では、事故直後から3年目までの1巡目検査と、2014(平成26)年4月から始まった2巡目検査の結果を比べて放射線影響などを調べる。いずれも1次検査で超音波を使って甲状腺のしこりの大きさなどを調べ、程度の軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定、BとCが血液や細胞を詳しく調べる2次検査に進む。
 2巡目検査は昨年度25市町村、本年度34市町村を対象に実施。がんや「がんの疑い」と診断された51人のうち47人は1巡目でA1、A2と診断され、残る4人はB判定を受けていた。検討委では、1巡目検査では見つからなかったがんが2巡目で見つかった可能性が指摘された。
 
 福島医大によると、51人は事故当時6~18歳で男性21人、女性30人。腫瘍の大きさは5.3~30.1ミリ。このうち29人は、原発事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、最大は2.1ミリシーベルトだった。
 また、福島医大は1巡目の検査を受けた約30万人のうち、がんや「がんの疑い」と診断されたのは116人(手術で良性と確認された1人を除く)で、このうち100人ががんと診断されたと説明した。