2016年7月13日水曜日

13- 鹿児島に脱原発派知事登場 川内と玄海原発はどうなる?

 鹿児島県知事「脱原発」を掲げる元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏が登場しました。
 鹿児島には全国で唯一稼働している川内原発のほかに玄海原発もあります。知事には原発を止める権限はないので直ちに原発が停止することはありませんが、10月以降の定期検査で川内原発が一旦運転を停止すれば、地元同意が再稼働の前提とされるので、運転再開は難航することになります。
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鹿児島知事「脱原発」公約 九電、川内安全性説明へ
佐賀新聞 2016年07月12日
 鹿児島県知事選で「脱原発」を掲げる元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏(58)が初当選した。熊本地震を受け、全国で唯一稼働している九州電力川内原発(同県薩摩川内市)の一時停止を公約にする。九電は三反園氏の知事就任後、原発の安全性を説明し再稼働に理解を求める方針だ。原発を重要電源と位置づける政府も三反園氏の動向を警戒している。
 
 三反園氏は10日、記者団に「安全性が確保されていない原発は動かすわけにはいかない」と述べ、一時停止の必要性を強調。周辺の活断層の調査や、避難計画の見直しを進めるべきだとの考えを改めて示した。
 知事には原発を止める権限はなく、直ちに原発が停止することはない見通しだ。しかし、地元同意が再稼働の前提とされる。10月以降の定期検査で川内原発がいったん運転を停止し、三反園氏が安全性に疑問符をつければ運転再開は難航する可能性がある。
 川内原発の再稼働で九電は2016年3月期決算で5年ぶりに黒字回復した。そのため、「原発の稼働は経営安定に不可欠で、株主への説明責任もある。簡単に停止するわけにはいかない」(幹部)としている。三反園氏の理解取り付けに全力を挙げる構えだ。
 
 三反園氏は今月28日に知事に就任する予定。県庁内に「原子力問題検討委員会(仮称)」を設置し、専門家らを交えて原発の必要性などを話し合うという。【共同】
 
 
鹿児島県に「脱原発」知事 玄海への影響注視
佐賀新聞 2016年07月12日
 10日投開票の鹿児島県知事選で初当選を果たした新人の三反園訓(みたぞのさとし)氏(58)が九州電力に対し全国で唯一再稼働している川内原発(同県)を一時停止し、点検するよう求める考えを表明した。一夜明けた11日、玄海原発(東松浦郡玄海町)の早期再稼働を望む佐賀県内の関係者は今後の動きを注視し、再稼働反対派は「脱原発」の機運の高まりを期待した。
 
 九電本店は「(停止の)具体的な要請が来ているわけではない。原発の重要性は変わらないので、安全確保の状況を説明していきたい」とし、玄海3、4号機の年度内再稼働を目指す。
 玄海町の岸本英雄町長は「あくまで新知事が国や電力会社と相談すること」と静観、「どういうことになるか想像がつきにくいが、玄海への影響はないのではないか」。佐賀商工会議所の井田出海会頭も「知事が替わっただけで判断が変わってしまうのはどうなのか」と警戒感を示しつつ、影響は否定した。
 一方、再稼働に反対する伊万里市の塚部芳和市長は「脱原発の動きも多少出てくるのではないか」と期待。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「原発を不安に思う市民の心に寄り添っている」と評価し、佐賀県知事に「(原発を止める)権限がないからではなく、県民を守るために同じように立ちはだかってほしい」と注文した。
 副島良彦副知事は記者団に「特に佐賀県としてのスタンスは変わることはない」と安全性が厳格に確認された上で、玄海の再稼働を容認する考えを改めて示した。(取材班)