2016年10月4日火曜日

04- 公開質問に米山隆一氏は「原発は不要」と 森民夫氏は個別回答避ける

 柏崎刈羽原発の再稼働が大きな争点となっている新潟県知事選挙で、市民と5野党共同候補の米山隆一氏は市民団体の公開質問状に、「エネルギー政策上、原発は必要でない」などと回答しています。
 それに対して自公推薦の森民夫候補は個別の回答を避け、再稼働への態度を示さないまま抽象的に「県民の安全と安心の確保を最優先」などと回答しています。
 地元紙の新潟日報は、3日、「柏崎原発再稼働問題 議論どうなる 知事選」と題する記事を出しましたが、米山隆一候補と森民夫候補の違いが分からない内容になっています。これでは選挙民は何も判断できません。
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米山氏「原発は不要」公開質問状 自公候補は個別回答避ける
新潟県知事選 16日投票
しんぶん赤旗 2016年10月3日
 柏崎刈羽原発の再稼働が大きな争点となっている新潟県知事選挙(16日投票)で、市民と5野党共同候補の米山隆一氏は市民団体の公開質問状に、「エネルギー政策上、原発は必要でない」などと回答(先月27日)しました。
 
 質問状は先月、原発からいのちとふるさとを守る新潟県民の会が各予定候補者に出していたもの。15項目にわたり原発への態度、国や東京電力の対応について質問しています。
 米山氏は「必要でない」根拠として、稼働してないことで電力不足が起こらず、支障がないことを挙げ、再生可能エネルギーなどを確保しながら、原発からの離脱をと主張しています。
 
 「柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働に同意しますか」の問いに、同氏は「同意できない」にマルをつけ、福島第1原発事故などの検証がなされない限り、再稼働の議論はできないという、泉田(現知事)路線を継承しますと補足説明しています。
 
 自民、公明推薦の森民夫候補は個別の回答を避け、再稼働への態度を示さないまま、抽象的に「県民の安全と安心の確保を最優先」などと回答しています。
 
 
柏崎原発再稼働問題 議論どうなる 知事選
新潟日報 2016年10月3日
 東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会の取り組みが、知事の交代によってどう変わるか住民から不安の声が上がっている。知事は技術委の議論の進め方に大きな影響力を発揮する立場にあるからだ。9月29日に告示された知事選では原発再稼働問題が大きな争点とされており、候補の技術委への考え方も問われている。
 「知事の交代によって技術委員会の方針が変わっていけば、私たちの安全はかなり不安定なものになる」
 9月上旬、柏崎市で開かれた、柏崎刈羽原発の安全性について地域住民が議論する「原発の透明性を確保する地域の会」会合。委員の一人、刈羽村の高桑千恵さん(70)は県担当者に懸念を訴えた。
 約1週間前、再稼働に慎重な姿勢を示す泉田裕彦知事が出馬を撤回していた。
 地域の会委員で、柏崎市の会社員、高橋優一さん(65)も県技術委の会合をたびたび傍聴し、東電福島第1原発事故の検証などの取り組みを評価する一人だ。取材に対し「福島事故の検証はまだまだ時間が掛かる。知事が代わって検証が終わってしまうことを危惧している」と話した。
 県技術委は、福島事故の翌2012年7月から事故の検証を始め、地震の影響の有無など政府の事故調査委員会でも十分解明されなかった問題について議論してきた。4年間で全体会合が22回、課題別会合が6テーマで計35回開かれた。
 事故当初、炉心溶融(メルトダウン)について東電の公表が遅れた問題では、委員たちは東電の説明に納得せず、再調査を求めた。その結果、今年6月に東電から炉心溶融の隠蔽を認める回答を引き出した。
 知事交代は技術委の取り組みに影響するのか。
 県によると、技術委は県、柏崎市、刈羽村の3者が東電と結ぶ「安全協定」で位置付けられた組織のため、知事の一存で廃止されることはない。福島事故の検証作業も、県から技術委に対して公式に依頼したもののため、知事が交代しても継続される見通しという。
 知事選の主要2候補、森民夫さん(67)、米山隆一さん(49)はいずれも技術委による検証を重視する考えを示している。
 ただ、当事者の委員には知事交代の影響は避けられないとの見方が根強い。技術委の議論に、泉田知事の考えが色濃く反映されてきたと感じているからだ。
 メルトダウンの公表遅れの解明に取り組んできた山内康英委員(多摩大教授)は県の方針転換を懸念し、くぎを刺す。「事故の検証は県民にとって非常に重要だ。新しい知事になっても重要性は変わらない」
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柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会 
2002年に発覚した東電トラブル隠しを機に、平山征夫前知事時代の県が03年、原発の安全性を確認する際に技術面の指導・助言を受けるために設置した。原子力工学や地質学などの専門家16人が委員を務める。議論するのは県から要請があった事項。07年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災した際は、設備に地震の影響がなかったかなどを検討した。現在は福島事故の検証と、柏崎刈羽原発の重大事故に備えた排気設備「フィルター付きベント」の性能などの確認を行っている。