2016年10月27日木曜日

福島の甲状腺検査 評価部会長が辞表

 福島児童の甲状腺がんは、甲状腺がん確定が135人、がんの疑いが39人で合計174人という驚くべき数値に達しています。しかし同県の県民健康調査検討委員会は、これまで一貫して「放射能の影響とは考えにくい」といういわば『大本営発表』を繰り返してきました。
 
 そんな中、甲状腺の内視鏡手術の第一人者甲状腺検査を評価する部会長を務めている清水一雄氏が検討委に辞表を提出していたことが分かりました。
 清水氏は検討委が3月にまとめた「放射線の影響とは考えにくい」との中間報告に疑問を感じ、「部会長の立場では自分の意見が言えない」と辞任を決めたということです
 メンバーの中にも良心を持った人たちがいることを知らされた思いがします。
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「放射線の影響は考えにくい」に疑問 
福島の甲状腺検査 評価部会長が辞表
北海道新聞  2016年10月21日 
「部会長の立場では自分の意見が言えない」
 東京電力福島第1原発事故後に福島県が設置した県民健康調査検討委員会の委員で、子供の甲状腺検査を評価する部会の清水一雄部会長(日本甲状腺外科学会前理事長)が、検討委に辞表を提出していたことが分かった。清水氏は検討委が3月にまとめた「放射線の影響とは考えにくい」との中間報告に疑問を感じ、「部会長の立場では自分の意見が言えない」と辞任を決めたという。
  清水氏は医師で、甲状腺の内視鏡手術の第一人者。原発事故当時に18歳以下だった福島県の子供たち約38万人を対象にした検討委の甲状腺検査では、これまでに174人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されている。
 
「多発は事実。臨床経験から考えると不自然な点も」
 清水氏は「多発は事実であり、これまでの臨床経験から考えると不自然な点もある。『放射線の影響とは考えにくい』とは言い切れない」と説明している。
  次回、開かれる部会で清水氏の辞任が決まる見通し。今後は部会員、委員として議論に関わる考えという。
 
福島県の甲状腺検査とは
 2011年3月の東京電力福島第1原発事故当時、18歳以下だった約37万人を対象に同年秋から福島県が行う検査。14年春からの2巡目は事故後1年間に生まれた子供を加えた約38万人が対象。超音波で甲状腺のしこりの大きさや形を調べ、異常があれば細胞などを詳しく調べる。今年9月に報告された6月末時点の結果によると、1、2巡目を合わせて甲状腺がんと確定したのが135人、がんの疑いが39人。1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故では放射性物質ヨウ素131の影響で周辺の子供たちに甲状腺がんが多発した。