2016年11月22日火曜日

22- 柏崎市長選 条件付き再稼働容認の桜井氏が当選

 新潟県柏崎市長選は20日に行われ、条件付きで柏崎刈羽原発の再稼働を容認する立場をとる元市議会議員の桜井雅浩氏が再稼働に反対する元柏崎市職員の竹内英子氏を破って当選しました。
 
 開票結果は下記のとおりです投票率64・06
▽桜井雅浩(無所属・新)当選  3万220票
▽竹内英子(無所属・新)     1万6459票
 
 「市民の命と暮らしを守るためには再稼働を認めてはならない」と反対を強く訴えた竹内候補は、従来再稼働反対派に投じられた票数を大幅に伸ばしましたが、残念ながら及びませんでした。メディアの出口調査によると再稼働反対派の30%が桜井候補に投票したいということです。
 なお、刈羽村村長選は前村長の品田宏夫氏が無投票で当選しました。
 
 田中龍作ジャーナルと産経新聞の記事を紹介します。
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田中龍作ジャーナル 2016年11月21日
 東電・柏崎刈羽原発を抱える柏崎市の市長選挙は20日、投開票が行われ、再稼働容認の桜井まさひろ候補(54歳)が3万220票を獲得して当選した。
 「再稼働は認めない」とする政策を掲げていた市民派候補の竹内えいこ氏(47歳)は及ばなかった。
 新潟3連敗(参院選、県知事選、柏崎市長選)を何としてでも阻止しようとした与党の組織選挙が効を奏した。
 竹内さんは保健師として福島県で原発事故避難者のケアに当たった経験を持つ。選挙期間中は「原発は事故を起こす。市民の手に政治を取り戻そう」と訴えた。選挙運動は政党に頼らず、市民ボランティアが支えた。
 東電が多額の広告を出している地元テレビ局は、投票が締め切られる午後8時をわずかに過ぎた時点で、桜井候補の「当選確実」を速報した。柏崎市内に設けられた竹内陣営の開票センターには支持者が集まっていた。重苦しい雰囲気が垂れ込めた。
 
ショッピングセンター内にある経産省・資源エネルギー庁の事務所。広報活動などを担う。柏崎刈羽原発を市民生活に溶け込ませようと国が出先機関をわざわざ設けているのだ。撮影した19日は土曜日のため閉まっていた。=柏崎市内 撮影:筆者=
 午後10時過ぎに選挙管理委員会が桜井候補の過半数獲得を発表した。竹内候補の敗北が確定すると新聞社やテレビ局の記者は選対幹部を囲んでインタビューを始めた。
 すると支持者の男性が「マスコミは外でやってくれよ。桜井んとこ行けよ、お前ら」と怒鳴りつけた。
 立地自治体の有権者が、原発広告にすがるマスコミに強い不信感を抱いていることをうかがわせた。
 柏崎の市長選挙で脱原発候補は、これまで原発容認派の3分の1しか得票できなかった。竹内さんは2分の1以上の票を獲得した。善戦である。
 支持者が見守るなか、竹内候補は記者会見で敗戦の弁を述べた ―
 「1万6千人の市民の原発再稼働させたくないという思いを頂いた。皆さんから託された思いは決して無駄にはしません。『立候補してくれて有難う』と何度も言われた。意志表示したかったんですね」。
~終わり~
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柏崎市長選、原発再稼働容認の桜井氏が初当選 地元首長間の「ねじれ」継続に
産経新聞 2016年11月20日
 任期満了に伴い、立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働への対応を最大の争点に無所属新人2人が争った新潟県柏崎市長選は20日投開票され、再稼働容認派の元市議、桜井雅浩氏(54)が反対派の元市職員、竹内英子氏(47)=共産、社民推薦=を破り、初当選した。
 
 柏崎刈羽原発をめぐり、選挙戦で桜井氏は「市民の生活や地域経済の向上」といった条件付きで再稼働を容認する考えを表明。一方、竹内氏は「市民の命と暮らしを守るためには再稼働を認めてはならない」と反対を強く訴えていた。
 
 10月の県知事選では再稼働に否定的な米山隆一氏が当選。今月15日には立地自治体の一つ、刈羽村の村長選で容認派の現職が無投票で5選を果たしており、泉田裕彦前知事時代と同様に県と地元首長の間で原発をめぐる方針の「ねじれ」が続くことになった。