2016年11月2日水曜日

横浜に自主避難の生徒が 転校先でいじめに

 福島原発事故で横浜市に小学2年生のときに自主避難(現在中学2年生)した男子生徒について、
学校でいじめが行われ、「ばい菌」呼ばわりされたり、5年生の時に5~10万円を10回ほど巻き上げられるなどしたことが分かりました。
 生徒は一昨年学校に相談しましたが学校と教育委員会適切に対応しませんでした。
 生徒が去年12月、教育委員会に調査を求めたことから、教育委員会はようやく第三者委員会を設置し、今月その報告書が提出されました。
 報告書では、おととしに生徒側から相談を受けていたのに学校と教育委員会適切に対応しなかったのは、「教育の放棄に等しい」と厳しく非難しています。
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原発事故で横浜に自主避難の生徒 転校先でいじめ
NHK NEWS WEB 2016年11月9日
東京電力福島第一原子力発電所の事故で横浜市内に自主避難した現在、中学1年生の男子生徒について、横浜市教育委員会の第三者委員会は、転校した小学校で名前にばい菌の「菌」を付けて呼ばれるなど、学校内でいじめがあったと認定する報告書をまとめました。
 
横浜市教育委員会によりますと、5年前、福島県内から横浜市内に自主避難してきた現在、中学1年生の男子生徒が、転校先の小学校でいじめを受けていたとして、去年12月、教育委員会に調査を求めました。
教育委員会は第三者委員会を設置し、学校関係者などから聞き取りを行い、今月、報告書をまとめました。
それによりますと、男子生徒は転校した直後の小学2年生のときに名前にばい菌の「菌」を付けて呼ばれるなど、学校内でいじめがあったと認定しています。また、男子生徒は5年生のときには「原発事故の賠償金をもらっているだろう」などと言われ、遊ぶ金として5万円から10万円を合わせて10回ほど払わされたと証言したということです。
さらに、報告書では、学校と教育委員会の対応について、おととしに生徒側から相談を受けていたのに、適切に対応しなかったとして「教育の放棄に等しい」と厳しく非難しています。
横浜市教育委員会は「学校や教育委員会で組織的な対応を取らなかったことを反省したい。今回の対応を検証して改善を進めたい」と話しています。
 
市長「大変残念」
横浜市の林文子市長は定例記者会見で、「いじめがあったことは大変残念で、男子生徒が原発事故に関することを言われたということであれば、情けないし、はずかしく申し訳ないと思う。もう一度、学校や教育委員会でいじめを見逃さない仕組みができているか確認する必要がある」と述べました。