2017年7月28日金曜日

高校生友好訪問団 ベラルーシの子ども保養施設を視察

 高校生16人で編成された「ベラルーシ友好訪問団」は24日日本を出発し、26日午前(日本時間26日午後)、ゴメリ州の国立子ども保養施設「プラレスカ」を視察しました。
 主催者であるNPO法人ハッピーロードネット理事長の西本由美子氏が団長を務め、8月4日帰着の予定です。
     (関係記事)
6月19日 ベラルーシ高校生訪問団結団式 7月24日出発
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子ども保養施設を視察 利用者らと交流深める
福島民報 2017年7月27日
【ベラルーシ・ゴメリ州で伊東一浩双葉北支局長】チェルノブイリ原発事故で被災したベラルーシの現状を学ぶ「ベラルーシ友好訪問団」は26日午前(日本時間26日午後)、同原発事故に伴う汚染地域の子どもが利用するゴメリ州の国立子ども保養施設「プラレスカ」を視察した。NPO法人ハッピーロードネット(事務局・広野町)の主催。

 プラレスカは同原発事故直後に整備された。3歳から18歳ぐらいまでの子どもたちが利用し、年間で約6700人が訪れる。17ヘクタールの敷地内に宿泊、医療、娯楽施設などを備えており、保養しながら勉強もできる。ニーナ・スクリーニコワ施設長は「ここは子どもたちが健康になるための施設。今ではチェルノブイリ原発事故当時子どもだった人の子どもが保養に来ている」と説明した。
 訪問団はスクリーニコワ施設長の案内で施設内を見学。保養中の子どもたちと一緒にダンスをしたり、子どもたちによるコンサートなどで歓迎を受け、交流を深めた。
 訪問団の鈴木恕(ひろむ)さん(磐城高2年)は「医療態勢などが充実していて、素晴らしい施設。子どもたちの笑顔が印象的だった。浜通りにもこういった施設があってもいいと感じる」と語った。

■大型テレビ寄贈
 訪問団はプラレスカに大型テレビを寄贈した。西本由美子団長がスクリーニコワ施設長にテレビを渡した。お礼に施設の子どもたちから訪問団にチョコレートなどがプレゼントされた

プラレスカを利用する子どもたちと一緒に施設を視察する訪問団

「原発の新増設や建て替えを」原発推進議連 経済産業大臣に要請)

 自民党の原発推進議連が、原発の新増設建て替えについて国が前面に立って取り組むことを要望する決議書を世耕経産に提出しました。
 原発を推進することが政治的に見てどんなメリットがあるのかよく分かりませんが、そうした活動を行うことで原子力ムラから多大な支援が得られているものと思われます。
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「原発の新増設や建て替えを」経済産業大臣に要請)
テレビ朝日 2017年7月27日
 自民党の原発推進を掲げる議員連盟が、世耕経済産業大臣に新たな原発設置などを求める決議書を提出しました。

 電力安定供給推進議員連盟・高木毅事務局長:「リプレイス、新増設、エネ基(エネルギー基本計画)の見直しの時期でもありますけれども、そうしたもののなかに盛り込んでくれるとありがたいなと」
 現在のエネルギー基本計画は、2030年に電力の20~22%を原発で賄うとしていて、原則40年とされる原発の運転期間を延長するなど特別な対応が必要になります。このため議員連盟は、決議書で「原発の『新増設』や『建て替え』について国が前面に立って取り組む」ことを要望しました。国のエネルギー政策の見直し議論は来月にも始まる見通しですが、自民党議員からは「原発が動かないために立地自治体のなかにも原子力事業から離れたいというところが出てきている。経産省の尻をたたくことも重要」という声が上がっています。

28- 原子力規制委員長 柏崎刈羽原発の現地調査を開始

NHK NEWS WEB 2017年7月27日
再稼働の前提となる国の審査が終盤を迎えている、新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原子力発電所について、原子力規制委員会の田中委員長は27日から現地調査を始めました。
田中委員長は、原発を安全に運転できる確信が得られない場合は合格させないとしていて、現場の安全に対する考え方をどう評価するか注目されます。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は27日から、6号機と7号機の国の審査が終盤を迎えている東京電力の柏崎刈羽原発を訪れ、安全に対する考え方などを聞き取る調査を始めました
初日の27日は設楽親所長と面会し、田中委員長は「事故を起こした事業者として、東京電力はほかの電力会社とは違う。柏崎刈羽原発の判断は今までの審査とは違った納得感がないとできない。かなり率直な質問をするかもしれないが、容赦してほしい」とあいさつしました。
これに対し設楽所長は、「われわれが事故を経験してからどういう思いで取り組んでいるか話をしたい」と述べました。

現地調査では、28日まで発電所の幹部や作業員などから聞き取りが行われる予定で、原発を安全に運転できるか確信が得られない場合は、合格させないとする田中委員長が、現場の安全に対する考え方をどう評価するか注目されます

2017年7月27日木曜日

27- 柏崎刈羽原発 規制委員長 確信なくば合格させずと

 東電に原発を運転管理する資格はあるのかということはこれまでも繰り返し言われてきました。「もんじゅ」の運転管理主体の日本原研開発機構も絶えずそう批判され、そちらについては様々な経緯を経て廃炉に決まりました。
 柏崎刈羽原発6・7号機の審査の一環として、27日から2日間の日程で行われる現地調査に先立って田中規制委員長は26日の記者会見で、「安全上の観点からいろんな考え方や実力などを確認する。東京電力は、ほかの電力会社とは違う。私としては、それなりの確信が得られないとなかなか判断できない」と述べ、原発を安全に運転できるか確信が得られない場合は、合格させない考えを示しました。
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柏崎刈羽原発 規制委員長「確信なくば合格させず」
NHK NEWS WEB 2017年7月26日
再稼働の前提となる国の審査が終盤を迎えている新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所について、原子力規制委員会の田中委員長は、27日から現地調査を行うのを前に「東京電力は、ほかの電力会社と違い、それなりの確信が得られないと判断ができない」と述べ、原発を安全に運転できるか確信が得られない場合は、合格させない考えを示しました。

国の審査が終盤を迎えている東京電力の柏崎刈羽原発6号機と7号機について、原子力規制委員会の田中俊一委員長は審査の一環としては、初めて現地調査を行うことにしています。
調査は、27日から2日間の日程で行われ、発電所の所長らに安全に対する考え方や事故が起きたときの対応などを聞き取ることにしています。
これについて田中委員長は、26日の記者会見で「安全上の観点からいろんな考え方や実力などを確認する。東京電力は、ほかの電力会社とは違う。私としては、それなりの確信が得られないとなかなか判断できない」と述べ、原発を安全に運転できるか確信が得られない場合は、合格させない考えを示しました。

柏崎刈羽原発をめぐっては、原子力規制委員会の審査で「免震重要棟」という緊急時の対応拠点の耐震性について、東京電力が誤った説明を続けていたことが明らかになるなど、地元からも不信の声が上がっていました。

2017年7月26日水曜日

柏崎市長 柏崎刈羽原発の一部廃炉を東電に要請

 柏崎市の桜井雅浩市長が、25日東電の小早川智明社長と面会し、6号機と7号機の再稼働の条件として、1号機から5号機のいずれかの具体的な廃炉計画を2年以内に示すよう正式に申し入れました。一部の原発の廃炉を求める背景には、7基の原発が集中するリスクを軽減することに加えて、原発施設の解体や除染などの作業に地元企業の参入を促し、地域経済を活性化したいという狙いがあります。

 しかし地域経済の活性化を図ることと原発の安全性(再稼働)は別の問題なので、一部の廃炉を再稼働の条件するという考え方には納得がいきません。
 米山隆一新潟県知事も「原発の安全の議論と廃炉ビジネスという経済の議論は別だ」と述べています。
       (参考記事)
7月6日 柏崎市長 原発再稼働について知事との応酬が続く
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柏崎市長 柏崎刈羽原発の一部廃炉を東電に要請
NHK NEWS WEB 2017年7月25日
柏崎刈羽原子力発電所の地元、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長が、25日東京電力の小早川智明社長と面会し、6号機と7号機の再稼働の条件として、1号機から5号機のいずれかの具体的な廃炉計画を2年以内に示すよう正式に申し入れました

柏崎市の桜井市長は、25日市役所を訪れた東京電力の小早川社長と面会し、「柏崎刈羽原発の1号機から5号機の廃炉計画を明確にしていただくことが柏崎市にとって大事なことだ」と述べて、東京電力が目指している6号機と7号機の再稼働の条件として、1号機から5号機のいずれかの具体的な廃炉計画を2年以内に示すよう正式に申し入れました。
桜井市長が再稼働の条件として一部の原発の廃炉を求める背景には、7基の原発が集中するリスクを軽減することに加えて、原発施設の解体や除染などの作業に地元企業の参入を促し、地域経済を活性化したいという狙いがあります。

これに対し、小早川社長は「一方的に提示するのではなく意見交換を重ねていきたい」と答えるにとどまりました。
東京電力は原発の再稼働に向けて地元の理解を求める姿勢を示していますが、廃炉を迫る地元の意見にどう向き合うのか注目されます。


柏崎市長 原発再稼働の条件として一部の廃炉要請へ
7月24日 20時18分
新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所6号機と7号機の再稼働をめぐり、柏崎市の桜井雅浩市長は25日、東京電力の社長に対し、再稼働の条件として1号機から5号機のいずれかを廃炉にする計画を策定するよう求めることになりました。
東京電力が再稼働を目指している柏崎刈羽原子力発電所の6号機と7号機をめぐっては、地元、柏崎市の桜井雅浩市長が1号機から5号機のいずれかを廃炉にするという条件付きで再稼働を容認する考えを示しています。

桜井市長は、こうした考えを直接、東京電力に伝えるため、25日、小早川智明社長と市役所で面会し、1号機から5号機のいずれかを廃炉にする計画を今後2年以内に策定するよう求める方針です。東京電力は、原発の再稼働に向けて地元の理解を得たいとしていますが、今回の申し入れにどう対応していくのかが注目されます。

一方、桜井市長が一部の原発の廃炉を求める背景には、解体や設備の除染などの作業に地元企業の参入を促し、地域経済を活性化したいという狙いがあるものと見られます。

26- 燃料デブリ取り出し方針9月に決定

 世耕経産は、福島第一原発1~3号機内の核燃料デブリの取出し方針を9月に決める考えを示しました。
 毎日新聞によると、燃料デブリの取り出し技術を検討している原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、3基とも原子炉格納容器を水で満たさない「気中工法」を柱に、原子炉格納容器の横に開けた穴から取り出すなど有力な方法の概要を今月内にも示すということで、それを踏まえ、国と東電は取り出し方針を決めるということです。
 
 しかし、特に気中では強烈な放射線で電子部品(特にカメラ機能など)の寿命が数時間程度しか持たない以上、ロボットによる取り出し作業が現実化するのはまだまだ先のことと思われます。
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燃料デブリの可能性が高い塊「9月めどに取り出しの方針」
NHK NEWS WEB 2017年7月25日
東京電力福島第一原子力発電所3号機で、事故で破損した格納容器の中に核燃料が溶けて構造物と混じりあった「燃料デブリ」の可能性が高い塊が見つかったことについて、世耕経済産業大臣は25日の閣議のあとの記者会見で、ことし9月をめどに取り出しの方針を決定したいという考えを明らかにしました。

東京電力福島第一原発3号機では、今月22日まで行われたロボットによる調査で原子炉の真下や格納容器の底に、核燃料が溶けて構造物と混じりあった「燃料デブリ」の可能性が高い塊が見つかり、これを取り出すにはロボットなどで遠隔操作が必要なため、廃炉の工程のなかでも最大の難関とされています。
これについて、世耕経済産業大臣は、25日の閣議のあとの記者会見で、「燃料デブリの可能性のある溶融物が確認でき、数多くの貴重な情報が得られた。この調査の分析評価も踏まえ、ことし9月をめどに取り出し方針を決定したい」と述べました。

そのうえで世耕大臣は、来年度前半にデブリの取り出しの具体的な方法を決め、4年後の平成33年までに開始するとした現在の工程表を改定する考えがあるかという質問に対し「現時点では工程表のとおりに進めていくことになろうかと思う」と述べ、工程表に沿って予定どおり作業を進めたいという方針を示しました。


燃料デブリ取り出し方針「9月に決定」
毎日新聞 2017年7月25日
 東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し方針について、世耕弘成経済産業相は25日の記者会見で「9月をめどに決定したい」と述べた。

 炉心溶融を起こした1~3号機の燃料デブリの取り出し技術を検討している原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、3基とも原子炉格納容器を水で満たさない「気中工法」を柱に、原子炉格納容器の横に開けた穴から取り出すなど有力な方法の概要を今月内にも示す。これを踏まえ、国と東電は取り出し方針を決める。

 現行の廃炉工程表では、今年6月をめどに取り出し方針を決めるとしていた。【岡田英】

2017年7月25日火曜日

40年超原発に計27億円加算 老朽8基の5市町に

 40年超の老朽原発を抱える自治体に、電源立地地域対策交付金の加算分として1基当たり年1億円が交付され、廃炉となった5基については2016年度までに計27億円が交付されたことが分かりました。
 美浜3号機と高浜12号機は原子力規制委によって20年間の運転延長が認められている(一体どんな根拠でそんなに延長できるのでしょうか)ので、3基が期限まで存続すれば加算額は累計で60億円となります。
 これは老朽原発の存続を事実上後押しする仕組みで、専門家からは、「廃炉を促すべきなのに逆行している」と批判が出ています。
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40年超原発、計27億円加算 老朽8基の5市町に交付金、原則に「逆行」
時事通信 2017年7月24日
 運転開始から40年超の老朽原発を抱える福井県美浜町など5市町に、電源立地地域対策交付金の加算分として2016年度までに計27億円が交付されたことが23日、立地自治体などへの取材で分かった。交付金は40年を超えた原発の立地市町村に年1億円上乗せされるが、老朽原発の存続を事実上後押しする仕組みに専門家からは、「廃炉を促すべきなのに逆行している」と批判が出ている。

 原子炉等規制法は、原発の運転期間を原則40年に制限している。
 これまでに国内で40年を超えたのは東京電力福島第1原発1号機(福島県大熊町)、日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県敦賀市)、関西電力美浜原発1〜3号機(同県美浜町)、同高浜原発1、2号機(同県高浜町)、中国電力島根原発1号機(松江市)の計8基このうち美浜3号機と高浜1、2号機を除いた5基は廃炉となった

 5基は40年を超えてから廃炉となるまで、交付金が年1億円加算された。福島第1原発1号機が立地する大熊町は計2億円▽敦賀1号機がある敦賀市は計6億円▽美浜原発がある美浜町は廃炉の1、2号機と存続する3号機で計11億円▽高浜1、2号機がある高浜町には計5億円▽島根1号機がある松江市は計3億円―が上乗せされた。
 美浜3号機と高浜1、2号機は、原子力規制委員会の審査で20年間の運転延長が認められている。3基が期限まで存続すれば加算額は累計で60億円となる。

 40年超の原発について交付金が加算される仕組みは10年度から始まった。経済産業省資源エネルギー庁は「なぜ、このような制度になったか把握はしていない」としている。

 原発と自治体の関係に詳しい朴勝俊・関西学院大教授は「原発は古くなるほど危険なのに、交付金を加算するのはいやらしい。廃炉が地元のメリットになる制度に変えるべきだ」と話している。

25- 福島原発3号機 格納容器底に燃料デブリ

 21日に引き続き22日に「マンボウ型」ロボットで福島原発3号機格納容器底部を調査した結果、格納容器の底には「燃料デブリ」の可能性が高い塊や、上から落ちてきた構造物が堆積していることがわかりました。それらの厚みは場所によっておよそ1メートルから2メートルに上ると見られます。
 今回の調査はこれで終わり、今後格納容器の中の状況を詳しく分析し、燃料デブリの取り出し方法の検討に反映させることにしています。
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福島第一原発3号機 格納容器底に「燃料デブリ」か
NHK NEWS WEB 2017年7月22日
福島第一原子力発電所の3号機で22日行われた調査で、格納容器の底には「燃料デブリ」の可能性が高い塊や、上から落ちてきた構造物が堆積していることがわかりました。それらの厚みは場所によっておよそ1メートルから2メートルに上ると見られ、国と東京電力は今回得られた情報から、格納容器の中の状況を詳しく分析することにしています。
福島第一原発3号機の水中を進むロボットによる調査は21日の原子炉の真下に続き、22日は、多くの燃料デブリが残されていると見られる格納容器の底を対象に行われました。

その結果、格納容器の底には核燃料が溶けて構造物と混じりあった「燃料デブリ」の可能性が高い塊や、上から落ちてきた構造物そのものが堆積し、その厚みは場所によっておよそ1メートルから2メートルに上ると見られることがわかりました。
今夜、公開された写真には黒っぽい岩のような塊のほか、小石や砂のようなものが積もっている様子が写っています。また、脱落した作業用の足場や、壊れた配管のような構造物なども写っています。

22日の調査結果について、東京電力は「3号機の格納容器の中はかなりの損傷が見られ、原子炉内の構造物と思われるものなどが折り重なっている状況が確認できた」と話しています。
22日で今回の3号機の格納容器の中の調査は終わり、今後、国と東京電力は得られた情報から、格納容器の中の状況を詳しく分析し、今後の燃料デブリの取り出し方法の検討に反映させることにしています。

3号機の調査と今後の課題は
今回の3号機の格納容器の中の調査では、初めて燃料デブリの可能性が高い複数の塊が確認されましたが、こうした塊が機器に付着したり、格納容器の底に広がったりしていることも明らかになり、廃炉作業の最大の難関とされる燃料デブリの取り出しに向けた作業の難しさを改めて浮き彫りにしています。

今月19日から3日間にわたって進められた3号機の格納容器の中の調査では21日、原子炉の下にある装置に付着した黒っぽい塊や、原子炉を支える構造物の壁際に岩のような塊があるのが確認されました。
22日の格納容器の底の調査でも、原子炉の下の中央部に岩のような塊があったほか、別の場所には、小石や砂のような堆積物があったのが確認されています。
東京電力は、これらが燃料デブリの可能性が高いとしていて、1号機から3号機までの調査で初めて見つかったことになります。

また、原子炉の下にある制御棒を動かす装置を支える格子状の金具や、作業用の足場などが壊れて一部が格納容器の底に沈んでいることも明らかになりました。
東京電力は、燃料デブリと見られる塊とともにこうした構造物も原子炉の下の広い範囲に散らばっていて場所によっては1メートルから2メートルほどの厚みで堆積していると見ています。今後は、燃料デブリの取り出しだけでなく、こうした構造物をどのように除去するかも大きな課題になります。

2017年7月23日日曜日

23- 福島 にぎわいは簡単には戻らない

 もしも日用品すら入手できない地域であれば住民の帰還が進む筈はないし、商店の経営者にすれば定住人口が伸びなければそこに店舗を構えても採算が取れません。両すくみの関係にあるわけです。
 先に帰還が解除された地域は殆どが帰還率が1割やそこらで、それでは商店などが採算が取れないのは明らかです。
 そこにはどんな現実があるのか、河北新報が「福島 遠いにぎわい」と題した3部作の記事で取りあげました。
 この状況がこのまま放置されていては帰還率が上がることはありせん。この現実が継続され地域は衰微するだけです。

お知らせ 都合により24日は記事の更新ができません。それを含めて今週は外出が重なるため
        記事の更新が不安定になります。どうぞご了承ください。)
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<原発被災地の行方> 生鮮品購入 車が頼り
河北新報 2017年7月22日
 東京電力福島第1原発事故の被災地で、暮らしに欠かせない買い物環境の整備が重い課題となっている。帰還した住民は利便性の低下に不安を募らせ、商店主は避難による顧客喪失に立ちすくむ。にぎわいは取り戻せるのか。福島の現状を探った。(福島第1原発事故取材班)

◎福島 遠いにぎわい(上) 「戻らぬ日常
<いわきへ30分>
 買い物は週1回。気軽に買い足しはできない。先々の献立を考えながら売り場を巡る。
 福島県楢葉町の松本信子さん(67)は4月、いわき市の避難先から自宅に戻った。生活拠点は取り戻したが、食卓を守るのは容易ではない。いわき市まで、車で30分のスーパー通いが欠かせなくなった。
 原発事故前は地元スーパーが2店舗を展開していた。仮設商店街で営業を再開したが、客層は復興事業に携わる人たちが中心。決して広くない売り場を総菜など加工品が占め、生鮮品の品ぞろえは限られる。
 「以前は調理中に足りない食材に気付いても、3分あれば買いに行けたのに」。松本さんが嘆く。
 福島県内の避難指示は今春までに、第1原発が立地する大熊、双葉両町と帰還困難区域を除いて解除された。だが、9月で解除から2年となる楢葉町を含め、地域の小売店再開の動きは鈍い。
 復興庁などが帰還希望者を対象に昨年実施したアンケート(複数回答)では、商業施設の再開・新設や買い物支援を求める声が富岡町で68.7%、浪江町で51.7%に達した。買い物対策は急務だ。
 現状では60代以上が帰還者の多くを占める。車が運転できなくなれば生活が成り立たない現実を前に、住民は危機感を募らせる。

<近所の店休業>
 南相馬市小高区の山間部で暮らす黒木栄子さん(82)は昨年7月、避難指示解除に合わせて帰還した。徒歩圏内にあった商店は休業が続き、周囲では食材を調達できない。軽トラックで隣接する同市原町区のスーパーに出掛けている。
 黒木さんは元トラック運転手。それでも最近は注意力の衰えを実感する。相次ぐ高齢ドライバーの暴走事故が人ごととは思えない。運転免許の有効期限はあと2年。次回更新前に自主返納を考えている。
 家族の好みや献立を考えて食材を選ぶ。買い物は大事な暮らしの一部だった。「いざとなったら同居する長男にお願いするしかないかな」。黒木さんが寂しそうにつぶやく。

<足確保に苦心>
 避難をきっかけに家族が分散し、高齢者だけとなった世帯は少なくない。マイカーに頼る生活も、いずれは限界が訪れる
 このため、県内の被災地は公共交通機関の整備と活用に知恵を絞る。
 南相馬市は大型タクシーで自宅と商業施設などを結ぶサービスを始めた。川内村では今春から無料巡回バスが運行されている。
 「帰還者の多くはまだ運転が可能な世代だが、将来はサ-ビスの需要が出てくるだろう」。南相馬市の担当者は買い物支援がより切迫すると予測する。


<原発被災地の行方> 商店再開も先見えず
河北新報 2017年7月22日
◎福島 遠いにぎわい(中) 「消えた顧客

<売り上げ5台>
 自転車3台とバイクが2台。この半年ほどの売り上げだ。東京電力福島第1原発事故前には自転車だけで30~40台さばけていた。
 「売れたといっても定価の半額。在庫処分みたいなもんだよ」。福島県浪江町で自転車店を営む田河一良さん(78)が淡々と語る。
 全域が避難地域となった町は今春、帰還困難区域を除いて避難指示が解除された。田河さんは一足早く自宅に戻り、昨年11月に再び看板を掲げた。
 商売の厳しさは覚悟していた。帰還住民は一部に限られ、多くを高齢世帯が占める。通勤通学の足を求める若年世代は避難先への定住が進む。
 「町内の同業者も廃業するようだ。俺も80歳になったら店を畳むよ」

<定住者は1割>
 解除地域の小売業は苦戦を強いられている。福島県商工会連合会によると、被災12市町村の地元で再開したのは約2割の124事業者(今年6月20日時点)にとどまる。
 地元での事業再開を後押ししようと、県は2016年から店舗改修費などの4分の3を補助している。だが、初期投資を軽減できたとしても、地域住民を失った痛手は大きい。
 避難指示が昨年6月に解除された福島県葛尾村。松本久芳さん(67)は今春、「マルイチ商店」をオープンさせた。生鮮品や日用品を扱う村内唯一の小売店だ。以前の店舗を取り壊し、規模を3分の1に縮小して再起を図った。
 店内を訪れる買い物客は朝夕に5人程度。日中の来店はほとんどない。村の定住者は約150人と、原発事故前の1割程度に落ち込んだのが響いている
 村に戻るまでは隣接自治体に置かれた仮設住宅で仮店舗を運営していた。松本さんは「なじみの客も顔を出してくれていた。当時の方がにぎやかだった」とため息交じりに話す。

<大胆な施策を>
 福島県内で今年、被災7市町村が割り増し商品券の発行を計画している。消費を域内で完結させる試みだが、使用店舗の選択肢が狭ければ需要の創出効果は限られてしまう。
 日用品すら入手できない地域のままでは、住民の帰還は進まない。一方、定住人口が伸びなければ商業者は再投資に踏み切れない。両すくみの中で、商業関係者の焦りは募るばかりだ。
 浪江町商工会の原田雄一会長は「被災地にとって小売業は福祉サービスのようなもの。公費で赤字を穴埋めするなど大胆な施策がなければ、商業再生と住民帰還はおぼつかない」と力を込める。


<原発被災地の行方> 大手誘致人材難の壁
河北新報 2017年7月22日
◎福島 遠いにぎわい(下) 「活路求めて
<好条件を提示>
 手をこまねいているだけでは地域の商業再生は望めない。東京電力福島第1原発事故の被災地で、自治体が先頭に立って大手誘致に活路を求める。
 福島県富岡町が町内に整備した大型商業施設「さくらモールとみおか」。6000平方メートルの店舗面積は域内最大規模を誇る。大手スーパーやホームセンター、ドラッグストアがテナントとして入る。今春、全面開業にこぎ着けた。
 町内の避難指示は今春、一部を除いて解除されたばかり。周囲に帰還困難区域が残る。町は30億円近くかけて施設を整え、3年間の賃料免除といった好条件を提示。出店のハードルを下げた。
 生鮮品から日用品まで買いそろえられるとあって住民の反応は上々だ。近隣自治体からも来客は絶えない。広野町の主婦根本菜穂子さん(49)は「車で25分程度。総菜も充実していて助かる」と笑顔を見せる。
 客足や売り上げは想定を上回るが、人材不足は大きな課題となった。帰還した住民が少ないことなどから、各テナントはパート従業員の確保に苦戦した。

<時給を15倍に>
 スーパーのヨークベニマル(郡山市)は、パートの時給を1250円という高水準に設定している。他地域の店舗の1.5倍程度に引き上げた。従業員の多くはいわき市などやや遠方から通っている。
 初期投資を抑えられたとはいえ、いずれは賃料などの経費が発生する。地元で安定雇用できなければ、採算悪化は避けられない。住民帰還の成否は小売り経営にとっても死活問題だ。
 ヨークベニマル新富岡店の渡辺利彦店長は「地元に戻りたいと思ってもらえる店にならなければ」と表情を引き締める。

<「二兎を追う」>
 被災地に商機を探る流通業者の動きも出ている。今春、一部地域の避難指示が解除されたのを機に、福島県浪江町には大手を含む複数の事業者から物件照会などが舞い込んでいる。
 地元の期待は当然、膨らむ。本間茂行副町長は「買い物環境の整備は帰還策そのもの。地元に戻った人の暮らしを支えたい」と誘致に意欲を示す。
 ただ、大手の進出は再起を目指す地元商業者を消沈させかねない。自治体には、足元のなりわい再生をにらんだかじ取りも求められる。
 町はこれまで、光熱費の補助などで地元業者の再開を後押ししてきた。「大手誘致との両立は困難。それでも町再生のため二兎(にと)を追うしかない」。本間副町長が決意をにじませる。