2017年1月30日月曜日

30- 原発避難解除の5市町村、帰還13%止まり

 避難指示が2014年4月以降に解除された福島県田村市、川内村、楢葉町、葛尾村、南相馬市の5市町村で、解除された地域への住民の帰還率が全体で約13%に留まることが分かりました
 生活インフラが十分にある避難先での定住が進んだことや、子供を持つ親が放射線の影響による健康への不安を考慮した結果、帰還が進んでいないもの見られます
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原発避難解除の5市町村、帰還13%止まり 他地域へ定住進む  
日経新聞 2017年1月29日
 東京電力福島第1原発事故の避難指示が2014年4月以降に解除された福島県田村市、川内村、楢葉町、葛尾村、南相馬市の5市町村で、解除された地域への住民の帰還率が全体で約13%にとどまることが28日、各自治体への取材で分かった。
 生活インフラが十分にある避難先での定住が進んだことや、子供を持つ親が放射線の影響による健康への不安を考慮した結果、帰還が進んでいないとみられる。
 
 5市町村に出ていた避難指示は14年4月から16年7月にかけて順次解除された。5市町村で解除された地域に住民票がある計1万9460人のうち、昨年末から今年1月の時点で、実際に住んでいるのは計2561人で13.1%だった。
 
 解除時期が早いほど帰還率も高い傾向にある。市町村別に見ると、最も早い14年4月に解除された田村市都路地区では316人のうち、72.1%に当たる228人が戻った。川内村の避難指示は14年10月と16年6月に段階的に解除され、311人のうち64人が居住。帰還率は20.5%。
 楢葉町は15年9月に解除され、7282人中767人が、16年6月に一部が解除された葛尾村は1333人中107人が帰還した。
 最も遅い16年7月に一部解除となった南相馬市では、半年の間に1万218人中1395人が戻り、13.6%と比較的順調に帰還が進む。街の規模がもともと大きく、周辺の生活インフラが整っていることなどが要因とみられる。
 
 福島県内では放射線量が高い帰還困難区域を含む8市町村に現在も避難指示が出ている。〔共同〕