2017年4月30日日曜日

「原発は社会に対立を持ち込む」と島薗 上智大教授 宇都宮で講演

 上智大の島薗進教授(宗教学)が宇都宮市の栃木県弁護士会館で講演し「原発は社会に対立を持ち込む。原子力の平和利用などというが、そもそも軍事的なことから始まっている科学技術。将来世代にも大きな負荷をかける。止めるべきだ」と主張しました。
 
 採算性のない原発に経済的メリットがあるかの如く装って再稼働に固執するのは、使用済み核燃料を再処理することで核兵器の原料になるプルトニウムを得るためとしか考えられません。
 そもそも使用済みの核燃料を万年単位の地層埋設にすることほど、後世の世代に無用な負担を掛けるものはありません。原子力ムラという利益目的の集団に牛耳られて物事の根本を誤るべきではありません。
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「原発は社会に対立を持ち込む」 宇都宮 島薗・上智大教授が講演
東京新聞 2017年4月29日
「なぜ原発から脱却しなければならないか」をテーマに、上智大の島薗(しまぞの)進教授(宗教学)が、宇都宮市の県弁護士会館で講演した。
 
 市民団体「原発いらない栃木の会」が主催。島薗教授は「原発は社会に対立を持ち込む。原子力の平和利用などというが、そもそも軍事的なことから始まっている科学技術。将来世代にも大きな負荷をかける。止めるべきだ」と主張した。
 
 東京電力福島第一原発の事故以降、日本社会の変化についても、持論を交えて指摘。「原発事故で科学への信用が崩れ、『力』や『量』による支配が理屈を壊し、法治をも壊しはじめている」と強調し、「支持率が50%を超えているから正しいなどという社会になりつつある。科学技術や安全をめぐる議論にも(同じ傾向が)見られる」と警鐘を鳴らした。 (北浜修)