2017年5月29日月曜日

東電の新計画は「絵に描いた餅」か 原発再編への冷たい視線

 J-CASTニュース 2017年5月29日
 東京電力ホールディングス(HD)の新しい再建計画がまとまった。2017年5月11日、筆頭株主である原子力損害賠償・廃炉等支援機構と連名で「新々・総合特別事業計画」を、経済産業相に認定申請した。福島第1原発事故の対策費用を安定的に確保するため、収益の大幅アップを図り、そのために原発事業の再編などを進める、というものだ。ただ、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働一つとっても、計画通りに進めるのは容易でなく、机上の空論に終わりかねない。
 
 福島第1原発事故対応の費用が、3年前に再建計画を策定した時点の11兆円から一気に約2倍に膨らみ、従来計画では賄えなくなったことから、練り直しを迫られていた。対応費の総額21兆5000億円のうち東電は15兆9000億円を負担することになり、今後30年にわたって年間5000億円(廃炉3000億円、賠償2000億円)を払う必要がある。
 
想定と実際の再稼働は「まったく別」」
 そのための柱の第1が柏崎刈羽の再稼働で、2019年度以降に順次、再稼働する複数のケースを想定。7基のうち、原子力規制委員会が審査中の6、7号機をまず動かし、残りも段階的に稼働させ、10年間、毎年平均1600億~2150億円の経常利益を生み出すと弾く。
 
 第2の柱が送配電や原発部門の他電力との事業再編や統合。大手電力は2020年に発電部門と送配電部門を切り離す「発送電分離」を義務づけられていることを踏まえ、送配電部門は20年代初頭に他社と「共同事業体」を設立するとした。原子力事業の再編は20年度をめどに、原子炉の技術面など「協力の基本的枠組みを整えていく」。具体的には、まず建設が中断している東通原発(青森県)で提携相手を募るが、「隣接地に原発を持つ東北電力が有力候補」(経産省筋)。
 このほか、送配電事業の合理化の徹底などで2000億円の資金を安定的に確保することを目指す。
 
 だが、計画実現は容易ではない。柏崎刈羽の再稼働について、米山隆一・新潟県知事は「再稼働の議論を始めるのに3、4年はかかる」と厳しい姿勢を示し、地元の同意を得られる見通しは立っていない。東電の広瀬直己社長も「いつ動くのかは不確実性が残る」として、今回の計画が描く想定と実際の再稼働は「まったく別」と認めている。
 
 「再編を考えるニーズもない」(関西電力)など、他電力は再編に否定的だ。東電に飲み込まれかねないほか、福島の事故の負担を押し付けられるとの懸念が根強いのは、当然だ。火力について、東電と中部電力の事業統合に進んでいるが、原発事故とは明確に切り離すことで、やっと実現した話。とりわけ、原発部門の再編となるとさらにハードルは高く、東通原発で再編相手と目される東北電力は「全く念頭にない」(原田宏哉社長)と、取り付く島もない。
 
日経は「危い二兎追い」と指摘
 事故対応費のうち4兆円の除染費は、再編などを通じた企業価値の向上、つまり株価の上昇で、国が持つ東電などの株式売却益で賄うことになっているが、「絵に描いた餅に終わりかねない」。
 
 東電問題の新聞報道は、各紙の原発へのスタンスを色濃く映す。脱原発の「毎日」は5月12日朝刊解説記事に「原発事故処理 提携に壁」「柏崎再稼働も見通せず」の見出しが躍り、同じく「朝日」も「多難の再建計画」「見通せぬ再稼働」「再編に他電力反発」と書く。
 一方、原発推進の「読売」は「原発で連携強化」「柏崎刈羽メドたたず」とは報じるが、東電の計画の内容解説中心で、計画通りに進まなければ、「新たな国民負担につながる可能性もある」と指摘した程度。また、同じ原発必要論でも「日経」は「収益力向上と賠償・廃炉 危い二兎追い」「『机上の案』続く難路」と、計画の実効性に大きな疑問符をつける解説記事を掲載した。
 
 社説(「産経」は主張)で直接取り上げたのは「産経」(13日)と「朝日」(14日)。「産経」は電力料引き下げの視点の必要を主眼とし、「高止まりする電気料金の引き下げに努めることを忘れてはならない。それは、電力の安定供給と並び、同社に課せられた使命だ。その実現には、運転が長期にわたって停止している柏崎刈羽原発の早期再稼働が欠かせない」として、「政府は再稼働を東電任せにせず、新潟県への働きかけを強めるべきだ」と、政府にも発破をかける。
 
 これに対し、「朝日」は「安全対策の徹底が先決であり、再稼働に頼らず必要な資金を稼ぎ出す方策を考えるべきだ」と主張し、「東電がその責任を果たせないなら、国がさらに前に出るしかない。(略)東電と政府は、国民の厳しい目を忘れてはならない」とくぎを刺している。
 両紙は同じ国の責任を論じるのでも、方向は正反対だ。

29- 韓国、老朽原発が緊急停止 放射性物質漏れなしと発表

産経新聞 2017年5月29日 
 韓国南東部、慶州の月城原発1号機が28日午後、機器故障で緊急停止した。1号機は30年の設計寿命を2012年に迎えた老朽炉。運営会社の「韓国水力原子力(韓水原)」は、放射性物質漏れはないと発表している。
 
 韓水原によると、1号機は点検目的で稼働を停止させるために出力を下げる作業をしていた。その途中で原子炉に冷却材を送り込むポンプ2台が停止したため原子炉も自動停止した。聯合ニュースによると、ポンプは全部で4台あるという。
 
 1号機は1983年に商業運転を始めた韓国で2番目に古い原発。設計寿命が尽きた12年に稼働を止めたが、韓国原子力安全委員会が15年に、22年までの再稼働許可を出し、運転が再開された。(共同)

2017年5月28日日曜日

小出裕章氏の「反原発」講演会に450人 長野県佐久市で

 長野県佐久地方の市民有志が企画した元京大原子炉実験所助教の小出裕章氏による「反原発」の講演会が27日、佐久市で開かれ定員を上回る450人が集まりました
 この講演では佐久市が「政治目的に該当する」との理由で後援取り消しましたが、小諸市と御代田町は後援しました。
 会場では、「安保関連法に反対するママの会信州」市民団体が作成した「共謀罪ってなあに?」リーフレットを配布し、壁にチラシには「We love 原発のない世界」スローガンが掲示されまし
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長野県小諸市、御代田町が後援の「反原発」講演会で政治活動
産経新聞 2017年5月27日
 長野県佐久地方の市民有志が企画した元京大原子炉実験所助教の小出裕章氏による「反原発」の講演会が27日、佐久市で開かれた。
 講演をめぐっては、佐久市が「政治目的に該当する」との理由で後援の取り消しを決定していたが、小諸市と御代田町は後援の方針を改めていなかった。
 
 一方、会場では、参加者に対し「安保関連法に反対するママの会信州」という市民団体が作成した「共謀罪ってなあに?」と題した、講演の趣旨と関係のないリーフレットを配布。壁に掲示されたチラシには「We love 原発のない世界」と「反原発」を訴えるスローガンが掲げられ、「政治活動」と受け取れかねない状況だった。
 
 会場は定員450人を上回り、別室ではビデオ上映が行われた。小出氏は講演で、原子力政策の歴史や東京電力・福島第一原発事故の経過などを紹介した。なお、会場の使用時間が限られているとして、参加者による質問の機会は与えられなかった。
 
 自治体の後援がありながら政治的主張のあるリーフレットの配布や掲示をしたことについて、主催者代表の桑田温美さんは「講演は原発について学ぶのが目的。中身の判断は各自がすることだ」と説明した。
 また、配布物について、小諸市と御代田町からは事前のチェックがなかったとし「行政のバックアップに感謝している」と述べた。
 
 産経新聞の事前の取材に対し、佐久市教委は「政治的主張が明確な催しに行政が関与するのは適当でない」と指摘。施設の利用は容認しているとして「『表現の自由』を侵してはいない」と説明した。一方、小諸市と御代田町の両教委は「特定の政党名もなく政治的活動に当たらない」として、催しに政治性はないとしていた。

大飯原発3、4号機の再稼働 福井県知事 慎重に判断

日経新聞 2017年5月27日
 福井県の西川一誠知事は26日の記者会見で、原子力規制委員会の安全審査に合格した関西電力大飯原子力発電所3、4号機(おおい町)の再稼働について、慎重に判断する考えを明らかにした。原子力に対する国民の理解、関電が福井県外で設置する中間貯蔵施設の進捗状況などを確認する。判断時期について「今の時点で判断するのでなく、やや先」と話した。
 
 同貯蔵施設は他の原発を含めた再稼働で使用済み核燃料が増えることに対応する。2020年ごろに県外で設置場所の決定を県に約束したが、難航している。同施設が困難になった場合、外気で冷やす「乾式貯蔵施設」の県内設置の可能性について、西川知事は強く否定した。
 
 同日、資源エネルギー庁の幹部が県庁を訪ね、大飯3、4号の再稼働について理解を求めた。藤田穣副知事は(1)原子力への国民理解(2)関電の中間貯蔵施設実現への対策――などを求めた。

28- 知って原発のいま 日立で7月 東海の主婦ら映画やライブ 

東京新聞 2017年5月27日
 ミュージシャンらと一緒に原発について考えてもらおうと、東海村の主婦たちがトークライブ「響き合うこころ」(東海村、日立市など後援)を七月十二日、日立市の日立シビックセンターで開く。
 
 東京電力福島第一原発事故後、子供たちを被ばくから守ろうとする福島の母親たちの闘いを追った鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー「小さき声のカノン-選択する人々」を上映する。
 上映後、鎌仲さん、ロックバンドブラフマンのTOSHI-LOWさん、ミュージシャンの渡辺俊美さんが登壇する。それぞれの目で見た現地の様子を語りながら、東海村の日本原子力発電東海第二原発のこれからについて考える。この後、スペシャルライブがある。
 主催者の一人、津幡美香さん(46)は、来年、営業運転開始から四十年が経過し、法律上の寿命を迎える東海第二原発について「多くの人が現状を知らない」と訴える。「再稼働か廃炉か、住民が決断する前に、まず原発について知るきっかけになれば」と話している。
 
 昼夜二部制で定員各二百人。全席自由で前売り大人二千八百円、高校・大学生二千三百円、小中学生千三百円。シビックセンターやプレイガイドなどで二十七日からチケットを販売する。
 
 問い合わせはメール hibikiau0712@gmail.com で。 (山下葉月)

2017年5月27日土曜日

規制委に柏崎刈羽原発断層の独自調査をと 共産党藤野議員が要求

 柏崎刈羽原発敷地内の断層が地元の専門家の火山灰分析で、12~13万年前以降に生成した活断層の可能性が疑われている問題について、産党の藤野保史議員が25日、衆院原子力問題調査特別委員会で東電任せにせず「原子力規制委が独自調査に乗り出すべきだ」と述べました。
※  5月24日 柏崎刈羽原発 敷地内断層の審査見直し要請
 
 それに対して規制委の田中俊一委員長は「審査中なので最終的な結論は出していない」と述べました。
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規制委、断層の独自調査を  柏崎刈羽原発 藤野議員が要求
しんぶん赤旗 2017年5月26日
 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の敷地内の断層が地元の専門家の火山灰分析で活断層の可能性が疑われている問題について、日本共産党の藤野保史議員は25日、衆院原子力問題調査特別委員会で質問しました。活断層隠しの過去を持つ東電任せにせず、「原子力規制委員会が独自調査に乗り出すべきだ」と述べ、規制委の審査のあり方をただしました。
 
 6、7号機を審査中の規制委は昨年2月、原子炉建屋直下を含む敷地内断層は「活動性はない」とする東電の評価を了承しています。
 藤野氏は、新潟県内の地質学者らでつくる「柏崎刈羽原発活断層問題研究会」が先月、敷地などに分布する火山灰分析の結果を公表し、活断層の定義にあたる12万~13万年前に堆積した可能性があると指摘したとして、指摘通りなら「再稼働どころか立地不適だ」と強調。東電が20万年前に堆積したとして活断層を否定する根拠にしている火山灰「刈羽テフラ」について、同原発から約10キロ地点の12万~13万年の地層に含まれた火山灰と同じだったことが研究会や東電自身の分析で明らかになっていることを示して、東電の説明は「不自然だ」と指摘し、規制委に対し、公正中立の立場での独自調査を求めました
 
 規制委の田中俊一委員長は「審査中なので最終的な結論は出していない」と発言。
 藤野氏は、2007年の中越沖地震の原因となった海底断層が、活断層の可能性があると4年前に東電が評価しながら公表しなかったことは隠ぺいにほかならないとして、「規制委が乗り出すべきだ。そうでないと県民は納得できない」と強調しました。

退任の東電新潟本社代表 柏崎原発再稼働への理解の後退を認める

柏崎原発再稼働への理解「後退」 退任の東電新潟本社代表
新潟日報 2017年5月26日
 6月23日に退任する東京電力ホールディングス(HD)新潟本社の木村公一代表(57)が25日、新潟市中央区の同社で任期最後の定例会見を開いた。約2年間の在任中に相次いだ不祥事を踏まえ、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた地元理解について「後退したと考えざるを得ない」と述べた。
 
 木村氏は2015年4月の新潟本社発足と同時に代表に就任。16年2月に東電福島第1原発事故時に炉心溶融(メルトダウン)を隠した問題、17年2月には柏崎刈羽原発の免震重要棟の耐震性不足問題などが相次いで発覚した。
 
 会見で木村氏は、不祥事が相次いで「県民の信頼を得られなかった」と振り返り、約2年での退任には「道半ばという思い」と述べた。
 新潟本社の今後については「(信頼構築の)スタートラインに戻れるように(問題の)対策を実施し、信を得たい」と強調した。
 
 東電HD常務でもある木村氏は6月23日の株主総会と取締役会を経て、東電HDフェロー・社長補佐に就く。木村氏の後任は、東電HD新潟本部の橘田昌哉副本部長(53)が昇任する。

27- 原電社長、東海第二原発の運転延長申請へ意欲

東京新聞 2017年5月26日
 原電の村松衛社長は二十五日、経団連会館(東京都千代田区)で開いた二〇一六年度決算発表会見で、東海第二原発(東海村)の運転延長申請について「したいという思いは大変ある」と意欲を見せた。新役員が決まる六月末の株主総会以降、取締役会に諮って原電として意思決定したい考えを示した。
 村松社長は三月の経営計画発表で、延長申請の可能性に言及したが、さらに態度を明確にした形だ。再稼働については「延長申請とは別の問題。地元の理解を十分に得ながらステップバイステップで必要な手続きを進める」と述べるにとどめた。
 
 老朽原発の東海第二原発は、来年十一月に営業運転開始から四十年となる。最大二十年、延長運転するには、今年八月二十八日から十一月二十八日の間に原子力規制委員会に延長申請する必要があり、原電は五月十九日、申請に必要な特別点検に着手した。 (越田普之)

2017年5月26日金曜日

原発事故避難生活の実態調査へ 新潟県

 新潟県は、柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り今後の県の検証に生かすために、福島原発事故福島県から全国に避難した人たちの避難生活の実態調査を委託する事業者の公募を始めました。
 調査は避難生活の全体像を明らかにする総合的調査とテーマ別調査の2種類を実施し、総合的調査は避難者数の推移、住宅や家族、収入・支出といった避難者の身辺に起きた変化を調べます
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原発事故避難生活の実態調査へ 県、委託事業者を公募
新潟日報 2017年5月26日
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り、新潟県は24日、東電福島第1原発事故による避難生活の実態調査を委託する事業者の公募を始めた。調査は、柏崎刈羽原発の現状での再稼働を否定している米山隆一知事が主導する取り組み。福島県から全国に避難した人たちの実情を把握し、今後の県の検証に生かす。
 
 避難生活の全体像を明らかにする総合的調査と、テーマ別調査の2種類を実施。総合的調査は避難者数の推移、住宅や家族、収入・支出といった避難者の身辺に起きた変化を調べる。シンクタンクなどの応募を想定し、委託費用1千万円以内で1者を募る。
 
 テーマ別調査は、事業者自身が選んだ個別の課題について調べてもらう。研究者や避難者支援団体など3者以内を募り、委託料は1者当たり100万円以内。
 
 米山知事は(1)東電福島第1原発事故の原因(2)事故が健康と生活に及ぼす影響(3)安全な避難方法-の3点の検証がなされない限り、「再稼働議論はできない」としている。
 
 事業者がまとめた報告書は、県が6月にも立ち上げるとする(2)と(3)に関する検証委員会のうち、(2)の「健康・生活委員会」に提出される予定だ。委員は県が選定を進めている。
 
 募集要項は県ホームページで公開している。6月26日に企画提案を締め切り、7月中に審査・契約する。来年1月に最終報告書の提出を受ける見通し。県震災復興支援課は「総合的、テーマ別に調査することで、避難生活のさまざまな側面が浮き彫りになると考えている」としている。
 
 震災復興支援課によると、福島県から同県内外に避難した人の数は、2012年5月の16万4865人がピーク。ことし4月13日現在では6万8974人となっている。福島県から本県に避難してきた人は、ピークの11年3月は8436人だったが、ことし4月末現在では2825人となった。

大飯原発3・4号炉の設置変更許可に抗議声明

 24日、関電大飯原発3・4号機の規制基準審査の実質的合格を意味する審査書を確定し、3・4号炉設置変更を許可したことを受けて、市民14団体共同で設置変更許可に抗議する声明を発表しました。
 声明では規制委が、前規制委員長代理島﨑邦彦氏が、「入倉・三宅式による基準地震動は過小評価であると証言したことを無視し、過小評価の基準地震動のままで許可したこと、大飯原発近くにある活断層で地震が起これば福島原発事故が再現され数時間で大阪・神戸にも到達し、琵琶湖にも降り注げば関西一円の飲料水が汚染されること避難計画は自然災害との複合災害は想定せず、要援護者の具体的な避難方法も決まっていないことなどを指摘し、変更の許可に抗議しています。
 
 再稼働審査合格のNHKニュースも併せて紹介します。
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大飯原発3・4号炉の設置変更許可に抗議する!
原子力規制を監視する市民の会 2017年5月24日 
本日5月24日の原子力規制委員会会合において、関電大飯原発3・4号炉の設置変更申請の許可が出され、再稼働に向けた手続きが進みました。これに抗議し、市民14団体共同で抗議文を発出しましたのでお知らせします。
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2017年5月24日
  (抗議声明
大飯原発3・4号機の審査書確定・設置変更許可に強く抗議する
 
 原子力規制委員会は、本日(5月24日)、大飯原発3・4号機の「審査書」を確定し、設置変更を許可した。私たちは、これに強く抗議する。
 
 大飯原発3・4号では、とりわけ昨年来基準地震動の過小評価が大きな問題となってきた。前原子力規制委員会委員長代理で地震動評価の責任者であった島﨑邦彦氏が、「入倉・三宅式による基準地震動は過小評価であり、許可すべきではない」と4月24日に名古屋高裁金沢支部で行われた裁判で証言している。規制委員会はこの提言を全く無視して、過小評価の基準地震動のままで許可した。
 
 大飯原発が再稼働し、近くにある活断層で地震が起これば、福島原発事故が再現されることになる。そうなれば、大量の放射能が大気中に放出され、周辺住民を襲うばかりか、数時間で大阪・神戸にも到達する。琵琶湖にも降り注ぎ関西一円の飲料水が汚染されることになる。風下の中部地域にも被害が及ぶ。
 しかし、避難計画にいたっては、30km圏内で安定ヨウ素剤の事前配布もなく、自然災害との複合災害は想定せず、要援護者の避難にいたっては具体的な避難方法さえ決まっていない。広範な住民が「自己責任」で逃げまどわなければならなくなる。そうなってもだれも責任をとらないことは、福島原発事故が如実に示している。
 
 事故時に被害を被る福井や京都府北部等の住民・自治体の声はまったく無視されている。関電が高浜原発で引き起こしたクレーン倒壊事故については、高浜のみならず、大飯、美浜サイトでも「総点検」を実施するよう地元から求められたが、関電の対策は「暴風警報について気象協会からFAXを受け取る」等あきれる内容だ。そのため、京都府と京都府北部自治体はクレーン問題はいまだ解決していないと表明している。規制委員会は、クレーン倒壊事故を審査することもなく、30km圏内自治体に説明することもなく、原発の再稼働を後押ししている。無責任にも程がある。
 
 関西電力は秋から冬にも大飯原発3・4号の再稼働を狙っている。これに対して、福井、関西、全国の運動は連携し、各地で闘われている裁判闘争とも連携を深め、再稼働を止めていこう。
2017年5月24日 
  [14団体]  
 (14団体名は下記のとおり)
原発設置反対小浜市民の会/ ふるさとを守る高浜・おおいの会/ 原発なしで暮らしたい宮津の会/ グリーン・アクション/ 防災を考える京田辺市民の会/ 避難計画を案ずる関西連絡会/ 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/ 脱原発へ!関電株主行動の会/ 脱原発わかやま/ おおい原発止めよう裁判の会/ 核のごみキャンペーン・中部/ 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/ 国際環境NGO FoE Japan/ 原子力規制を監視する市民の会
 
 
福井・大飯原発3・4号機 再稼働に向けた審査に合格
NHK NEWS WEB 2017年5月24日
福井県にある大飯原子力発電所3号機と4号機について、原子力規制委員会は、再稼働の前提になる新しい規制基準の審査に合格したことを示す審査書を正式に決定しました。全国の原発で6か所目で、今後も地元の同意などが必要で、関西電力が目指す再稼働は早くてことしの冬以降になると見られます。
大飯原発3号機と4号機で、関西電力が進めている安全対策について原子力規制委員会は、新しい規制基準の審査に事実上合格したことを示す審査書の案をことし2月に取りまとめ、その後、一般から意見を募集していました。
24日の会合で規制委員会は、寄せられた意見をもとに表現を一部修正した審査書を正式に決定しました。審査書が決定されたのは、現在、運転中の鹿児島県にある川内原発などに続き6か所目です。
関西電力は、ことし7月までに安全対策の工事を終えることにしていますが、今後も、詳しい設備の設計の認可や地元の同意が必要で、関西電力が目指す再稼働は早くてことしの冬以降になると見られます。
 
大飯原発をめぐっては3年前、福井地方裁判所が出した再稼働を認めない判決に対し、関西電力が控訴して判決の効力が生じておらず、2審の裁判が続くなかで、地元、おおい町と福井県は同意するかどうかの判断を示すことになる可能性があります。
裁判では証人として出廷した規制委員会の元委員が「想定される最大規模の地震の揺れが過小評価されている」と指摘しましたが、関西電力は「詳細な調査で保守的に評価し過小とは考えられない」などとしています。
(中 略)
滋賀県知事「容認できない」
これについて滋賀県の三日月知事は「大飯原発で、原子力災害が発生した際、影響を受ける可能性のある滋賀県としては、再稼働を容認できる環境にない。実効性ある多重防護体制の構築は半ばで、使用済み核燃料の処理などが未整備のままであり、クレーンの倒壊事故などから県民の原発の安全性への不信感が根強い。国と関西電力は、国民、県民に不安が根強く残る現状を重く受け止め、万全の安全対策を行うとともに疑問や不安感の解消に向けしっかりと説明責任を果たしてほしい」というコメントを出しました。
(後 略)

26- 規制委 浜岡原発の事故対策 見直し求める 

浜岡原発の事故対策、中部電に見直し求める 規制委
日経新聞 2017年5月22日
 原子力規制委員会は25日の安全審査の会合で、浜岡原子力発電所4号機(静岡県)の重大事故対策について中部電力に見直しを求めた。大地震や津波で原子炉の冷却に必要な電力が使えなくなっても炉心の損傷を防げると説明したことに対し、規制委は「新規制基準を理解していない」と厳しく批判した。
 
 福島第1原発は東日本大震災の強い揺れの影響で外部から電力が供給されなくなった。非常用発電機が起動したが、津波で浸水して使えなくなり、重大事故を招いた。この反省から、規制委は電力が24時間使えない状況でも、注水などで炉心の損傷を防ぐ対策を求めている。
 会合で、中部電力は原子炉を緊急冷却する装置など複数の手段で対応することで重大事故を防げると説明した。これに対し、規制委は「電源の復旧を前提にしたようにみえる。福島事故前と考え方が同じだ」と指摘した。
 
 中部電は2014年2月に4号機、15年6月に3号機について再稼働に必要な安全審査を申請した。

2017年5月25日木曜日

25- 会報 NO.14を掲示します

 
 22日付で「原発をなくす湯沢の会会報 NO.13」が発行されました。会員の皆様には、別途送付しましたが、そのテキスト版を掲示します。
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原発をなくす湯沢の会会報  N0.13 2017.5.22
 
 日足が延ぴるとともに山の緑が映え、田植えの時節になりました。会員の皆様にはお元気でご活躍のことと存じます。会員の皆さんに会報を通じて多くのことをお伝えしなければならないところ、思うように発行できなくて恐縮です。
 さて、去年5月の総会から早一年が経ちました。1年を振り返り、さらに今後の運動の発展を目指し2017年度の総会を次のとおり開催することになりましたのでご案内いします。
 
 総会では、昨年7月の参院選新潟選挙区で原発反対の森裕子さんを当選させ、10月には「現状では原発の再稼働に反対」の米山県知事を誕生させたことや、今年も計画されている「なくそテ原発2017新潟大集会」への取組み、福島と連帯する現地ツアーの実施などが話し合われる予定です。
 また、第2部では、DVDをみんなで観るよう計画しました。大勢の会員の出席をお願いいたします。
 

       2017年度定期総会及び
DVD大地を受け継ぐ」上映会のご案内
 
■日  時  2017年6月3日()午後1:30~同4:00
■場  所  湯沢町公民館 3階 会議室2
 
  第1部 総会
       ・2016年度の活動報告と収支決算報告
          ・2017年度活動計画(案)及び収支予算(案)について
          ・2017 ・ 2018 年度の役員について
   
   第2部 DVD 「大地を受け継ぐ」上映会
      11人の学生が福島県須賀川市のある農家を訪ねる。この農家の父は、原発事故の後、「お前に農業を勧めたのは、間違っていたかもしれない」と言い残して自ら命を絶った。残された息子と母は今なお汚されたこの土地で農作物を作り続けている。土地に対する責任、育てた作物を流通させることへの罪の意識、東京電力からの補償金の不条理な仕組み、等々。
              決して報道されることのない真実と孤独な“声”に学生たちは何を想い、何を受け継ぐのか。
                井上淳一監督が贈る“食と命”のドキュメンタリー
 
 
定例学習会に参加ください ~~~ 途中からの参加も大歓迎です ~~~ 
  毎月第2火曜日に開催しています。(6 /13、7/11、8/8 ・・・)参加者による情報交換の場でもあります。
  時間は19:00~21:00 場所は湯沢町公民館1F研修室で、現在の学習テキストは、「熊取六人組原発事故を斬る」 今中哲二他5人著(岩波書店・2,268円)です。
 
(会報責任者 会長 高波菊男 TEL787- 3268 事務局 南雲敏夫 TEL787-3569

2017年5月24日水曜日

米山新潟県知事を日刊ゲンダイが直撃インタビュー

 日刊ゲンダイが、原発の再稼働に安易に同調しない米山新潟県知事を「再稼働阻止の防波堤」と呼んで直撃インタビューをしました。
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注目の人 直撃インタビュー  
原発再稼動阻止の防波堤役 新潟県知事・米山隆一氏を直撃
日刊ゲンダイ  2017年5月22日
「新潟県は国とは別に安全を検証させていただきます」
 昨年10月の新潟県知事選から7カ月。「柏崎刈羽原発」の再稼働に慎重だった泉田裕彦前知事の路線を引き継いだ米山隆一氏は、どこかの知事とは違って、その姿勢に揺らぎがない。東京電力トップとの初面談で「(原発再稼働の議論開始の前提条件である)福島原発事故の検証に数年間はかかる」と明言。県独自での検証を強化するため、4000万円の新年度予算も議会の承認を得た。再稼働を阻む“防波堤役”としての存在感がますます高まっている。
 
■国が責任を持つから事故が起こらないわけではない
――知事に就任して7カ月。この間、世耕弘成経産大臣や東京電力のトップと会って「福島原発事故の検証には3年から4年かかる」と明言。柏崎刈羽原発の再稼働は、今後数年は困難となりました。嫌がらせや圧力はありませんか。
 ないです。県民の民意に沿った正論を言っているので、陳情に行って面会を拒否されたこともない。県の予算が決まると同時に国直轄の予算が決まるのですが、人口相当の予算規模で減ることはありませんでした。
 
――全国的には原発再稼働は加速しています。九州電力の玄海原発の再稼働に対して周辺自治体の首長が「避難計画が不十分ではないか」と反対の声を上げたにもかかわらず、佐賀県の山口祥義知事は4月24日、「国が責任を持つ」という言葉を根拠にして再稼働に同意しました。どう思われたでしょうか。
(国が)責任を持つということと(原発事故が)起こらないということは全く別です。国が責任を持つからといって、原発事故が起こらないわけでも、(原発事故時に住民がきちんと)避難できるわけでもない。安全であるかどうかは、新潟県は(国とは)別個で検証させていただきますし、避難計画に関しても「安全だ」というところまで作り込ませていただきますということに尽きます。避難計画は具体的でないとダメです。訓練をすることで実行できる体制になっていくかどうかも検証していきます。計画を立て試行し問題点を明らかにし、それを計画にフィードバックしていくためには時間がかかります。
 
――原発事故時の避難計画に関しては、選挙中から「バスの運転手の確保ができないのではないか」と訴えていました。この問題は労働関連の法整備が必要だと思いますが、放射能被曝のリスクがある業務に就く人への業務命令をどうするのか、健康被害が出た場合の対応など、国や政党や全国知事会で問題提起されるのでしょうか。
 まさに法整備について問題提起をすることになると思います。ただ単にその問題だけを言っても説得力が足りないと思いますので、(原発事故時の住民避難用バスの運転手確保が困難という)アンケートももちろん避難計画にも反映します。そうすると「この状況では最大何万人しか運べません」「何万人の方々がこのくらいの被曝をする恐れがあります」ということが明らかになる。その上で、「法的な対応をお願いします」と国にも政党にも働きかけ、全国知事会でも働きかけたいと思っています。
 
 柏崎刈羽原発の立地場所は地震の揺れが大きくなる軟弱地盤。しかも米山知事は福島原発事故の原因として「地震説」を排除しておらず(東電や経産省は「津波説」を主張)、新潟県が東電のさらなるデータ提示で検証を進めた結果、「地震説が有力」との結論になることも十分考えられる。その場合、津波説が前提の今の対策では不十分で、新たな配管補強などで莫大な費用が必要になり、再稼働は極めて困難となる可能性が高まる。
 
――福島原発事故原因の検証を進める中で、いまだに地震説か津波説かで見解が割れています。今の時点で、感触はどうなのでしょうか。
(どちらの説が有力かの)その感触はなくもないのですが、「専門知識を有する人が答えを出す」というのが正しいと思います。専門家の事実認定を尊重した上で、そこから先の価値判断を政治家がやるべきだと思っています。3、4年の福島原発事故の検証の中で結論が出ると思います。
 
――東電は「検証に協力する」と明言していますが、以前に比べてデータを積極的に出してきた実感はお持ちでしょうか。
 今のところはありません。いま話題になっている「地層の問題」(柏崎刈羽原発の敷地内外の断層が活断層と見なされる可能性のある問題)などはきちんと情報を出していただく必要があります。
 
 泉田県政継承を訴えて当選した米山知事は、原発テロ対策の不十分さについての危機感も共有。霞が関官僚が書いたベストセラー小説「原発ホワイトアウト」(2013年9月出版)は、泉田裕彦前知事がモデルの伊豆田清彦知事が原子力ムラの画策で逮捕された直後、原発テロが起きてメルトダウンに至る結末。泉田氏は「リアリティーがある。日本の原発テロ対策が不十分」と警告していた。
 
■テロ対策は市民生活とのバランスが大事
――泉田前知事は「原発テロ対策が不十分だ。テロゲリラがマシンガンで襲ってきたときに警察で対応できるのか。自衛隊との連携が不十分ではないか」と言っていたのですが、泉田前知事の考えと現状については?
 事実としてはおっしゃるとおりだと思います。私も柏崎刈羽原発に行ってきましたが、相当程度の方々(テロリスト)が突っ込んできたら、どうにもならないと思います。原発は、襲われていろいろなことがテロリストの思いどおりになった場合に、極めて大きなリスクを出す機関ですから、非常にその対策というのは必要なのだと思います。(テロ対策のために)鉄壁の守りみたいなものをしていくと、警察国家になってしまうと言いますか、市民生活とのバランスが大事なので、いろいろなバランスの中で決めていくことなのかと思います。
 
――原発テロ対策強化を十分にしないまま、安倍晋三首相は「テロ防止には共謀罪が必要で、五輪開催には不可欠だ」と言っているのですが、泉田前知事を含めて「共謀罪がテロ対策に必要」といった話を聞いたことがありますか。
 特段、泉田さんから聞いたことはありません。「テロ抑止に対して有効かどうか」というよりも、むしろ自由主義社会における言論の自由、思想の自由、行動の自由は尊重されるべきではないかという文脈で、語られるべきだと思います。
 
――元検事の若狭勝衆院議員(自民党)は、いわゆる共謀罪について「今の政府案だと断固反対だ。今の共謀罪は効果が乏しい。やるのなら、テロに特化した、テロ未然防止法を作るべきだ」と言っているのですが。
 個人的意見としては、まず共謀罪という形で(対象の範囲を)漠然としておいて、その対象を決めていくということは、自由社会における市民の自由を過度に制限する可能性は高いと思いますので、そこはよくよく考えるべきだと思います。
 
――「原発が動いていなくても、使用済み核燃料プールがテロの対象になるリスクを抱えている。(空冷式の)乾式貯蔵に変えることもテロのリスクを減らすことになる」と専門家から聞きましたが、これも政府は未着手です。
 乾式貯蔵の方がいろいろな意味でテロに限らず、災害対策に関しても望ましいのは間違いない。明らかにリスクは低い。(国にも)「乾式貯蔵の方が望ましい」という話はしたいと思います。
 
――鹿児島県では川内原発が稼働していますが、バスの運転手が本当に確保できているのか疑問です。三反園訓・鹿児島県知事との意見交換や他の原発立地自治体の首長との連携については、どうお考えでしょうか?
 自然にできていくと思います。全国知事会などで自然に意見交換がなされると思いますので。
 
――米山知事が「『避難計画が不十分だから原発再稼働はできない』と突っぱねることができる」とノウハウや知識や経験を伝えれば、三反園知事もまた、脱原発を望む県民の期待に応えるようになるのではないか。
 もちろん三反園知事が「一緒にやりましょう」と言えば、一緒にやりますし、そこは三反園知事のご判断で決めればいいのかなと思っています。 (聞き手=ジャーナリスト・横田一)
 
▽よねやま・りゅういち 1967年、新潟県湯之谷村(現・魚沼市)生まれ。新潟大教育学部付属長岡中を卒業後、灘高校を経て東大理科3類(医学部)に入学。東大大学院を経て司法試験にも合格。医師と弁護士の活動を続ける一方、国政選挙で4度落選。新潟5区の民進党候補者だった去年10月に離党、新潟県知事選に立候補して初当選。趣味は散歩。特技はバク宙。実家は肉屋。