2017年5月7日日曜日

浪江林野火災 8日目に 高線量 消火活動阻む

 浪江町の山林火災は、6日で8日目に入りましたが消火のめどは立っていません。現地は空間線量が高くて消防団を投入できないのが消火活動の足かせなっています。
 火災の原因については、現場は帰還困難区域に指定されていて長期間人が立ち入っていない場所なので、人為的な火災とは考えられず落雷などで自然発火したものと見られています。
 現地は29日夕方には雷警報が出ていました。
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<浪江林野火災> 高線量 消火活動阻む
河北新報 2017年5月6日
 発生から1週間となった福島県浪江町の山林火災は、東京電力福島第1原発事故の被災地での災害対応の難しさを浮き彫りにした。現場は立ち入りが厳しく制限される帰還困難区域とあって消防団を投入できず、高い空間線量も消火活動の足かせとなった。
 
 延焼場所は最寄りの公道から徒歩で1時間半程度かかる山間部。住民の避難が6年以上続いていることもあり、山道は手入れが行き届かない。当初は倒木が消防隊の行く手を阻んだ。
 周囲には福島県内でも比較的、空間線量が高い地域が広がる。地元消防や自衛隊は火勢だけでなく、放射線防護にも注意しながらの活動を強いられた。
 隊員はそれぞれ、通常の活動服の下に白い防護服を着用。放射性物質の吸入を防ぐためのマスクは息苦しく、疲労感を増幅させる。下山後には、休憩前に被ばく線量を計測する列に並ばねばならなかった。
 
 近隣から駆け付けた消防ヘリも特殊な装備で臨んだ。航空隊を派遣した仙台市消防局は「空間線量、個人の被ばく線量の計測器を携行させた」と話す。
 態勢にも制約が生じた。消火活動の主力を担うはずの消防団は今回、装備不足などから投入が見送られた。地元消防本部の大和田仁消防長は「機動力とマンパワーに優れているのが消防団。連携できないのは痛手」と嘆いた。
 福島県は原発事故後、避難区域で山林火災の訓練を重ねてきた。だが、出火の想定は民家に近い里山。担当者は「ポンプ車が入れない山あいでの活動は想定していなかった」と語った。
 
 
浪江の山林火災...消火続く 焼失面積は推定50ヘクタール超
 福島民友 2017年05月06日 
 原発事故で帰還困難区域になっている浪江町の十万山で4月29日に発生した山林火災で、県や陸上自衛隊、双葉消防本部などは発生から7日目となった5日も上空と地上から消火活動を続けた。この日も鎮火に至らず午後6時ごろに活動を打ち切った。6日早朝から再開する。同消防本部などによると、焼失面積は推定で約50ヘクタールを超えるとみられる。
 
 同消防本部などによると、5日早朝は火の勢いが弱まっていたものの、次第に風が強まり、正午ごろから同山西側を中心に尾根を伝って延焼した。陸自のヘリが上空から放水し消火に当たった。陸自や県内各消防本部でつくる地上部隊約630人は約20リットルの水が入ったタンクを背負い、放射線対策のための防護服と全面マスクを着用して消火活動を展開した。
 
 活動終了後、浪江町の馬場有町長と双葉町の伊沢史朗町長が陸自のヘリに乗り火災現場を視察した。