2017年7月18日火曜日

裁判官忌避申し立てを却下 大飯原発差し止め訴訟控訴審

 大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟控訴審で、名古屋高裁金沢支部は13日、内藤正之裁判長ら裁判官三人の交代を求める住民側からの忌避申し立てを却下しました。住民側はこれを不服とし、最高裁に抗告します
 控訴審では内藤裁判長が「もっとも重要な証人」と呼んだ前規制委委員長代理の島崎邦彦・東大名誉教授が4月に、関電の地震想定「算出方法に大変な欠陥があり、過小評価の可能性があ」と証言しました。
 住民側はさらにその意見を補強すべく、「活断層が起こす揺れの予測計算には09年の方式を使う。06年方式”を規制委が用いているのは誤り」と指摘している地震調査委員会の纐纈一起部会長(東大教授)5日に証人申請したのですが、却下されたため裁判官の忌避申し立てをしたものです。
 島崎氏を「もっとも重要な証人」と位置付ける一方で、纐纈氏の証人喚問を拒否するというのは理屈が通りません。
  (関係記事)
2016年8月31日 規制委の基準地震動計算法は地震調査委に否定された方式
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裁判官忌避申し立てを却下 大飯原発差し止め訴訟控訴審
中日新聞 2017年7月17日
 県内の住民らによる大飯原発3、4号機(おおい町)の運転差し止め訴訟控訴審で、名古屋高裁金沢支部は、内藤正之裁判長ら裁判官三人の交代を求める住民側からの忌避申し立てを却下した。十三日付。住民側はこれを不服とし、最高裁に抗告する。

 住民側は口頭弁論があった五日、東京大地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授らの証人尋問申請が却下されたため、その場で裁判官三人の忌避を申し立て、十日に理由書を提出していた。

 金沢支部の石川恭司裁判長は却下理由について「(申し立ての理由が)裁判所の証拠採否に対する不満を述べるものにすぎない」と述べている。

 訴訟では、四月の口頭弁論で、住民側の証人として出廷した前原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦・東大名誉教授が、関電の地震想定について「過小評価の可能性があり(算出方法に)大変な欠陥がある」と証言。住民側は島崎氏の主張を裏付けるためにも、纐纈氏らの証言が不可欠だと訴えていた。