2017年8月15日火曜日

伊藤忠と関電、米でガス火力発電 原発1基並み能力

 伊藤忠商事と関西電力は共同で、米国で天然ガスを燃料とする火力発電所を建設・運営します発電能力は原発1基に相当する100万キロワットで、総事業費は1千億円程度です。これは同能力の原発建設費の1/5 乃至それ以下に相当します。

 原発推進派は火力発電は炭酸ガスを発生させる(地球温暖化を推進)といいますが、原発は燃料の採掘から精製仕上げまでの段階及び使用済み核燃料の処理と埋設後の維持管理段階で多大な炭酸ガスを発生させる上に、その発電効率は30%とガス発電の効率45~60%(60%はコンバインド発電のケース)を大幅に下回るので、海水温度を上昇させる絶対量はガス発電より1・5~2倍も上回ります。

 関電は日本では電力販売量の減少が続くので、成長のために海外事業に注力する方針ということです。是非ガス発電で海外に活路を求めてほしいものです。
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伊藤忠と関電、米でガス火力発電 原発1基並み能力
日本経済新聞 2017/8/14
 伊藤忠商事と関西電力は共同で、米国で天然ガスを燃料とする火力発電所を建設・運営する。発電能力は原子力発電所1基に相当する100万キロワットで、両社にとってそれぞれ米国の発電事業で最大規模。総事業費は1千億円程度のもよう。米国では天然ガスを効率的に採掘できるシェールガスが普及し、燃料を安く調達できる。日本企業にも商機が広がってきた。
 運営会社には伊藤忠グループが50%、関電グループが30%、独重電大手シーメンスが20%出資する。米北東部ペンシルベニア州で建設し、2020年に稼働させる。

 シェールガスの採掘地に近く、燃料を割安に購入できる。ガスタービンと蒸気タービンを併用して発電機を回す効率的な方式を採用し、機器はシーメンスが供給する。
 米エネルギー省によると、16年の米国の発電量に占める天然ガスのシェアは33.8%と、30.4%の石炭火力を抜いた。固い岩盤からシェールガスを取り出す技術の革新により、採掘コストが低下したのが追い風だ。
 伊藤忠の電力事業は米国が中心で、16カ所の発電所に出資する。合計出力は今回の分を含めると約250万キロワットと日本企業で最大級になる。電力事業を抱える機械部門は17年3月期の純利益が464億円に達した。
 関電は日本では再稼働した原発が2基にとどまるうえ、16年春の電力小売りの全面自由化で競争が激化し、電力販売量は減少が続く。成長のため、海外事業では16~25年度に5千億円を投じる計画だ。米国では2カ所の発電所に出資している。

 日本の総合商社では米国の発電事業に参画する動きが相次いでいる。三菱商事は19年度にペンシルベニア州で92万キロワットの火力発電所を稼働させる。丸紅や住友商事、豊田通商、双日も米国の発電所に出資している。

 世界エネルギー機関によると、米国では経済成長や人口増加で電力需要が40年に14年比で15%増える見通し。現地では70~80年代に運転を始めた石炭火力発電所が古くなり、天然ガス型への建て替えが相次いでいる。