2017年10月19日木曜日

古賀茂明氏が新潟5区 脱原発候補の応援に

「たとえ国が亡ぶとも この原発マネーの旨みは手放せない」
 それが重電メーカー・ゼネコンをはじめとする系列の各社、それを天下り先にする官僚、そこに連なって様々な便益を受ける議員や学会などで構成する「原子力ムラ」の本音です(「原子力マフィア」と呼ぶ人もいます)。
 そうであるからこそ、まだ福島原発事故が収束していないのに、国を挙げて原発の再稼働が続々と進められているわけです。
 その中枢の政党に飛び込んで脱原発に向けて内部から自民党を改革する  一体本気でそう考えているのでしょうか。泉田裕彦氏が、単騎で巨大な風車の立ち向かって投げ飛ばされたドン・キホーテの現代版を演じようとしているなどとは、とても信じられません。

 新潟5区は大平えつこさんと泉田裕彦氏との事実上の一騎打ち、間もなく県民の審判が下ります。
 森ゆうこ参議院議員と米山隆一知事、この二人の勝利の再来がありはしないか  それが安倍政権の心配ごとだと言われています。

 田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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【衆院選・新潟5区】
「安倍怖い」泉田支持者が野党選挙事務所に “転入”
田中龍作ジャーナル 2017年10月18日
 泉田裕彦・前新潟県知事を長年、敬愛し支持し続けた長岡市の主婦(40代)は、泉田前知事が自民党から出馬すると知ってからも支持する気持ちが揺らぐことはなかった。
 だが、ある出来事をきっかけに“転向”することになった。それは12日、安倍首相の新潟遊説だった。
 遊説会場で主婦が「お前が国難だ」のプラカードを持っていたところ、自民党職員とSPにプラカードを無理矢理下ろさせられたのである。
 表現の自由を謳歌して育った彼女にとってショックだった。彼女は反射的に思った。「泉田さんを支持すれば安倍さんを支持することになり、こんな恐ろしい社会を招くことになる」と。
 彼女は野党共闘の大平えつこ(無所属)の陣営に選挙スタッフとして入った。大平の選挙事務所に行くと、彼女と同じ理由で泉田支持から転向した男性(60代)がいた。

 「ダークサイドに落ちたな、泉田裕彦」。JR長岡駅前できょう、行われた野党共闘の街頭演説で森ゆうこ(自由党)は、かつての同志を厳しく批判した。
 泉田は知事時代、原子力村からの厳しい圧力にさらされた。3期目の後半は毎晩のように森に「泣き」の電話を入れた。「もうダメです。やっていけません」。森はそんな泉田を慰め励ました。
 森にとって弟のような存在の泉田が自民党に行ったのである。「ダークサイド」は悔しさの表れだ。

 長岡駅前の街宣には、泉田の経産省時代の先輩である古賀茂明も登壇した。
 古賀は最後まで泉田への説得工作にあたった裏話を紹介した
 「泉田は『(自民から出る)そんなことするわけないでしょ。裏切り者になっちゃうんですよ』と言っていた」。 
 「泉田は『私が自民党を変えます』と言うが、東京に来たらあり得ない。騙されちゃいけないんだ」。     
 聴衆からは「そうだ裏切ったんだ~」と合の手が飛んだ。 

 3期12年間、知事を務め抜群の知名度を誇る泉田は、自公という強大な組織に支えられる。だが野党統一候補からの切り崩しに遭い、楽な選挙とは言えなくなっている。
 原発再稼働に立ちはだかっていたのに、原発推進の自民党から出馬した・・・信念を曲げ、変節した候補者に、有権者の目は厳しい。(敬称略)
~終わり~

(【写真説明】「自民党から出馬しちゃいけない」。古賀先輩は、ニヤニヤしながら説得に応じない泉田後輩にゲンコツを食らわすポーズで怒りを示した。=9月、東京都内 撮影:筆者