2017年11月22日水曜日

松本で長野県内初の甲状腺がんの無料診察会 避難者向け

 福島原発事故以来既に200人近くの甲状腺がん患者が確認されていますが、福島県の「県民健康調査」検討委員会が頑として放射線との関係を認めないので、それらの患者に対しても国や東電は治療費を負担しようとしません。
 患者たちを援助する機関としては、崎山 比早子さんが立ち上げた民間の基金「311甲状腺がん子ども基金」があるだけです。
 
 19日、福島原発事故で長野県内に避難している人たちを対象にした甲状腺がんの無料診察会が松本市キッセイ文化ホールで開かれ市民団体「避難者の健康を守る会」の呼び掛けで事前に申し込んだ親子ら13受診しました。
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(長野)県内初の無料診察会 松本で原発事故避難者向け
中日新聞 2017年11月21日
 二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故を受け、県内に避難している人たちを対象にした無料診察会が十九日、松本市水汲のキッセイ文化ホールで開かれた。

 市民団体「避難者の健康を守る会」が、ふくしま共同診療所(福島市)の協力で開いた県内初の診察会。避難者らは甲状腺エコー検査と診察を受け、現在の健康を再確認していた。
 受診したのは、守る会の呼び掛けで事前に申し込んだ親子ら十三人。原発事故後に関東地方から妻(51)と小学二年の長女(8つ)を松本市内に避難させているという会社員男性(52)は、家族三人で訪れた。
 娘の検査を心配そうに見守っていた男性は「離れ離れで生活も大変だが家族の健康が第一。妻と娘は三回目の甲状腺エコー検査で、私は初めて。経済的にも大変なので、無料は助かります」と話した。
 診察した同診療所の杉井吉彦医師(66)は「皆さん、被ばくによる健康不安や悩みを抱えて来ている。丁寧な診療を心掛け、万一の疾患を早期発見してやりたい」と話した。

 放射線被ばくについては「線量の高低ではない。絶対大丈夫だという基準などなく、ゼロ以外に安全はない」と指摘。事故後に年間被ばく線量の限度を一ミリシーベルトから二○ミリシーベルトに引き上げた政府の対応を批判した。

 守る会の森永敦子代表(57)は、今後も避難者の無料診察会を開けるよう資金カンパを呼び掛けている。郵便振替の口座名義は、避難者の健康を守る会。口座番号は00550-6-52328 (野口宏)