2018年2月7日水曜日

避難の影響 被ばくに加えて検討 新潟県の原発検証 健康分科会

 5日、福島原発事故の検証のために新潟県が設けた「健康・生活委員会」の健康分科会が会合を開き、事故の影響について「放射線だけを議論していると事故全体を見ていないことになる」として、放射性物質だけでなく精神面や避難に伴う生活習慣病などに関しても検討する方向で一致しました。
 健康分科会は放射線医学や疫学の専門家ら5人でつくり、会合は昨年9月の発足以来2回目です
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避難の影響 被ばくに加えて検討
新潟県の原発検証 健康分科会
新潟日報 2018年2月6日
 新潟県が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡る検証のために設けた「健康・生活委員会」の健康分科会が5日、県庁で会合を開いた。事故の影響について、放射性物質だけでなく、精神面や避難に伴う生活習慣病などに関しても検討する方向で一致した。具体的な議論の範囲は、米山隆一知事の意見を聞き、生活分科会などと調整するとした。

 健康分科会は放射線医学や疫学の専門家ら5人でつくり、会合は昨年9月の発足以来2回目。東電福島第1原発事故での福島県のデータなどを集め、柏崎刈羽原発で事故が起きた場合の健康への影響を評価する。
 会合で、獨協医科大准教授の木村真三委員放射線衛生学は「放射線による被ばくだけでなく、さまざまな影響を包括的に考えなければならない」と切り出し、精神面や避難による生活習慣の変化の影響も調べる必要があると指摘。別の委員も、事故の影響は「複合的な問題だ」と同調した。

 被ばくについては、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故のデータも集めるほか、各委員が携わったり、独自に収集したりした研究データも持ち寄ることにした。
 福島事故と甲状腺がんの因果関係を調べる福島県の検査に関しては「事故が起きたことで、検査を受けなければならなくなった住民の負担も意識するべきだ」との意見があった。

 終了後、座長の鈴木宏・新潟青陵大副学長疫学・公衆衛生学は「放射線だけを議論していると事故全体を見ていないことになる。生活分科会と合同で会合を開くなど、議論が深まるようにしたい」と述べた。
 次回会合は5月以降の見通し。